梟の城

2001年11月11日 日曜日

 僕らが、Old Crowの入り口をくぐったのは、8時を回ったころだった。
 二人でビールを頼んで隅の席に陣取って飲み始めると、バーの空気はすぐに体になじんだ。僕はこういう、天井にファンがゆったりと回っていて、カウンターがあって、椅子が高くて薄暗いバーが大好きである。ビールがうまけりゃ言う事は無い。
 そして、このバーのビールは美味かった。どこの国のものかと思って瓶をよく見てみたら、それはバーのオリジナルだった。こりゃいい。2本目は違うビールを買ってきて見てみると、「発泡酒」と銘打たれていた。オレンジピールとコリアンダーの入った、アロマフルーティなビールだった。
 「ねえ」と彼女は言った。
 「発泡酒とビールって、どうちがうの?」
 僕はそのビールをひとくち飲み、しばらく考えてから答えた。
 「いいかい、発泡酒も実際はビールだ。だけど、食品衛生法の区分ではビールにはならないんだ。丁度、東京ディズニーランドが行政区分上は千葉県なのと同じようにね。」
 彼女は解ったような解らないような顔をしていたので、僕は続けた。
 「例えば、アイスクリームも、乳脂肪分が8%以上無いと、アイスミルクやラクトアイス、と呼ばれるんだ。カルシウム添加牛乳も、名称は『乳飲料』になってしまうんだよ。」
 どうやら僕の説明よりも先にビールが回ってしまったようで、彼女はますます混乱してしまった。

 「テキストサイトと日記サイトの違いのようなものだよ」と言ったら解りやすいかな、と僕は思った。でも彼女はインターネットをしない人なので、この例え話は使えなかった。
 しかしよくよく考えてみると、例えばビールは原材料の50%以上が麦芽である事、と明確に定義付けがされている。

「テキストサイト」という曖昧模糊とした言葉には、定義がないから無用な混乱を招いているのか。
 昔、僕は「日常ネタを書いていたら日記サイト、それ以外の文章を書いていたらテキストサイト」という区別をしていたものだけど、これも個人的な感覚の域を出ない。
 そうだ。つまり、衆議院で「インターネット日記関連法案」を可決させればいいわけである。

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