ナマタマゴ

2002年1月4日 金曜日

 こんにちは。本宮ひろしです。嘘ですアペですミヤモトです。
 1時間半もかけて映画を見に行きました。

ナマタマゴレビュー

 軽く説明をしておくと、これは一般配給はされない、単館上映の映画です。ちょっとオシャレなミニシアター系です。
 ごめんなさい。またちょっと偽りました。実際はつんく♂の道楽番組の企画で、「モーニングを使って映画を作り、町おこしをしよう」という仰天動機のもとに作成された映画です。上映は、地方の市民会館で行なわれました。
 もうね、阿呆かと。ロックかと。何が町おこしだ。そりゃモーヲタは遠路はるばる見に行くだろうけど、せいぜい近くのコンビニやファミレスの売上げがちょっと伸びるだけです。この点に関しては、つんく♂を小一時間問い詰めたい。まぁ、でもそういう非合理なところが「ロック」なんですけども。

 シュールなネタ系であるとか、モーニング刑事的なアイドル映画であるとか予想されていたので、最初はどうなることかと思ったが、意外に(?)まともな映画だった。おそらく、ピンチランナー的なノリを期待していた人は大きく裏切られただろう。小さなおともだちは半分も理解できなかっただろう。
[ネタバレ警報発令]
 映画は、4人の少女が卓球をしている所から始まる。そこがどこなのか、なぜ卓球をしているのかもわからない。そこで交わされる会話にも全くとりとめがない。卓球の映像をはさんで、何人かの登場人物の日常風景が挿入されるが、それらが一体どう関わりあってくるのかは全くわからない。ただ淡々と、そう、非常に淡々と映画は進行する。卓球のラリーが全く続かないのと同じように、それぞれの挿話もほとんど進まない。しかし、段々と4つの日常が4人の少女それぞれを主軸に回り出し、映画のテーマに収束される。

 話によると、モーニングさんが撮影に割ける時間は1日しかなかったらしく、そんな致命的制限を抱えながらもよく作ったなあ、というのが素直な感想。むしろ、その制約を逆手に取ったとも言えるだろうか。少女達本人の演技によってではなく、周辺によって「説明」がなされるので、その分モーニングの出番は少なくなり、演技も控え目になる。
 そして、淡々と進むからこそ最後のカタルシスと、作品テーマの重さが生きる。生卵の中身を、殻の形を綺麗に残したまま取り出そうとするような感覚の映画。

・メインエピソードの後藤は、一番この映画に向いていたのかもしれない。淡々とした進行にニュアンス演技、クライマックスの泣き。
・飯田の演技は、その歌唱と同じく多少過剰なのが鼻につく。そこが彼女の持ち味でもあるのだけれど。時代劇とかやらせてみたい。
・辻は「伊豆の踊り子」に続いて力演を見せてくれた。「健気な少女」(守ってあげたいオーラ放出)をやらせたらモーニング1。でも脇役向き。
・一番無難にまとまった演技を披露したのは矢口かもしれない。

 一緒に見た人は泣いていた、かどうかは知らないけど、家で一人で見てたら泣いちゃったかもしれないね、というのが共通見解。

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うーん…いまいち…ふつうですかなり良い素晴らしい (まだ評価されていません)
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