カンガルー日和

2002年1月14日 月曜日

 15年ぶりに行った動物園には、動物がたくさんいた。
 陽射しも穏やかな昼下がり、僕は入り口の近くの鳥コーナーから「ほほぅ、これがキジか。」とおもむろに頷きながら、ゆっくり見て回った。

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 僕が最後に行った動物園の記憶といえば、コンクリートの打ちっぱなし、臭くて狭いオリに動物たちが閉じ込められている、というものだった。
 しかし最近では、空間的な広さや植生などを、その動物の生息環境に近付ける努力をしているようである。
 例えば虎やゴリラのそれは、森が再現されており、鉄格子の代わりに透明な壁で囲まれていた。(おそらく、衝撃に強いポリカーボネート製)

 しかし、ぞうはオリの中にいた。狭くて臭かった。
 僕は、昔と変わらぬその臭さに昔を思い出し、なんだか少し懐かしい気持ちになった。

 あるぞうは、後肢に太い鎖を付けられていた。
 その姿はなぜか「シベリア虜囚」を思い起こさせ、その連想は僕を少し暗い気分にした。

 僕は、その僕と同い年のぞうが、サバンナの夕陽を背景にして悠然と歩いている姿を想像してみた。

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 ぞうをまだ小さい内から鎖でつないでおくと、その鎖を余裕でひきちぎれるくらいにまで成長しても、逃げ出さないという。
幼い頃にさんざん「この鎖は、どんなに頑張ってもちぎれない」という観念を固定付けられてしまっているから、決して挑戦しないのだ。

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 何かをやる前から「どうせできないよ」と笑って流すのは実にたやすいし、失敗もしないから恥はかかない。利口なやり方だ。
 だけど、ひょっとしたら「それ」は簡単にできることかもしれない。「それ」を不可能にしているのは、自分の実力不足ではなく、「ぞうの鎖」なのかもしれない。
 なぁんて…。

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 みんなの人気者・パンダはメキシコ出張中のため不在だった。「繁殖」すら義務というのもナンギな話である。

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