さらに蛇足ながら

2003年4月21日 月曜日

 日誌を規定の字数に収めることにのみ気を使うあまり、杜撰な文章を書いて、読む人の何人かを苛立たせてしまった。
 そこでさらに釈明がてら細かい話をすると、当然ぼくも「精神分裂病」から「統合失調症」への言い換えを、「言葉狩り」にはあたるとは思っていない。昔からある職業や病気、障害を言い表す言葉を、むやみやたらに漢語やカタカナ語に言い替える風潮をぼくは嫌う。しかしこれは近代に出来た用語だし、もともと病名なのだから、学術的により正しい表現を思いついたならそちらにシフトすればよろしい。
 ただ、「精神分裂病」という訳語が解り易すぎるがゆえに謝った解釈を普及させたとすれば、「統合失調症」は結局どういう状態なのか今ひとつピンと来ないのであまり感心できない。(そんな無臭のまっさらな言葉でも、使う人々の意識によってはすぐに同じ色にもなるのだが)それならむしろ、訳さずにシゾフレニーとでもスキゾフレニアとでも言っていればよろしかろう。ノイローゼやアレルギーのように。

 そう考えると、らい病の言い替えである「ハンセン氏病」というのは、病気の内容を全く表現していないという点においてなかなか秀逸である。

(それを言ったら、スキゾフレニアもクレペリン・ブロイラー病でいいし、カウパー氏線液もツベルクリン反応液も全部そうなんだけど)

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