90年代に僕が夢中になった3つのまんが

2004年3月1日 月曜日

「90年代最高の漫画を決める!」という趣旨のWEB企画、獄門島漫画祭り 90年代編に参加しました。以下、僕が投票した漫画とその理由です。

ドラゴンボール:2pt

ドラゴンボール完全版ドラゴンボール完全版

90年代を語るとしたら絶対に外せない、少年ジャンプ650万部の黄金期を支えた作品。ページは13ページだし大ゴマだしセリフはないしで、毎週20秒で読み終わってしまうんだけど、それすらキモチイイスピード感になっていて、毎週月曜日には脳が痺れていた。コルド大王がトランクスに一刀両断されたのを見て、急に馬鹿馬鹿しくなって読むのを止めてしまったが、2年前に改めて最後まで読んでみたらやはり面白かった。「強さのインフレ」現象と最後まで必死で格闘した作品だった。宇宙編(ラディッツ来襲〜フリーザまで)は、歴史に残るスペースオペラ格闘マンガと言っても過言ではない。

私的ベストバウト
1位

悟空vsベジータ(1回目)
“界王拳”という究極技の凄みが、「異常な発汗」「蒸気の噴出」「体の発光」などで見事に表現されている。なんせ、「体がバラバラになりそうな痛み」に耐えなくてはならないのである。しかも、さらにその上をいく天才戦士・ベジータの戦闘力。宇宙最強の戦士である孫悟空が実力で負けた最後の戦いでもある。

2位
悟空vsフリーザ
超サイヤ人として目覚めるシーンがあまりに感動的。「オレは怒ったぞ! フリーザーッ!!」は当時誰もが真似した。確かDT松本も「ガキ」で真似した。

3位
ヤムチャvs天津飯
悟空・ベジータと並ぶ永遠のライバル関係? 新・狼牙風風拳、かめはめ波という2大必殺技を引っさげ、必勝の気合で出場したヤムチャ。がしかし、ニコラス・ペタスのように無残なKO負けを喫する。この試合以来、ヤムチャはやられ役への道をまっさかさまに転げ落ちていくのだった。試合自体もさることながら、2人の間に交わされるセリフも見所だった。

天:きさまらこのオレと予選をたたかわなくてラッキーだったな
ヤ:きえろ ぶっとばされんうちにな
天:ほう 威勢だけは一人前だな
  ませいぜいがんばるんだな
ヤ:はりきりすぎてちびるなよ!!

「ちびるなよ!」←このセリフ大好き。
そして試合が開始してからも…

ヤ:あっというまに白目をむかせてやろう
天:それはたのしみだな
ヤ:にげだすならいまのうちだぜ!
天:ふん せいぜいほえるがいいさ すぐにだまらせてやる

言葉でも丁々発止のやりとりをしているように見えて、どこかヤムチャの方が余裕が感じられない、というかやられ役っぽい……。

Bバージン:2pt

BバージンBバージン

4大熱い漫画家のひとり、山田玲司の代表作。初期は80年代の軽薄短小でバブリーな雰囲気を色濃く残したおちゃらけ漫画の体裁をとっているが、加速度的に温度が上昇していき、純愛感動巨編に変貌を遂げる。その異様な勢い、息もつかせぬグルーブ感は読むものを圧倒する。主人公のモテ回路が停止したときに出る生身のセリフは、実は作者のアジテーションなのだが、言葉が生きているので押し付けがましさは感じない。
「知ってるかい。シベリアに住む狼はさ……」
“恋愛と夢”という青春2大命題を真正面から描ききった大作。主人公の成長が作画の成長ともリンクして読むものを引き込んでいく、成長マンガの金字塔でもある。

今日から俺は!:1pt

今日から俺は!今日から俺は!

少年サンデーに連載されたツッパリもの。不良、ヤンキーというより「ツッパリ」。良くも悪くもサンデー的。クローズや特攻の拓のように、不良文化圏のリアリティが一切感じられないところが、この作品の限界であると同時に長所でもある。そのある種牧歌的な価値観は、千葉県という風土とあいまって「時々シリアスなギャグ漫画」のフォーマットとしてはプラスに作用したのだろう。今井や中野など、脇役にも魅力的なキャラクターが多く、何度も笑わせてもらった。卑怯で軽薄な主人公が90年代的。「金髪にしてるだけで物凄く目立つ」という世界感は80年代的。

総評

 90年代≒10代の頃に好きだった漫画を選ぶという行為が、こんなにも楽しくて、しかも苦しさを伴なう作業だとは思わなかった。90年代という心のブラックボックスに、ここまで正面から向かい合ったのは初めてかもしれない。僕の中での90年代という時代を、一部総括できたような気がする。とても気分が晴れやかだ。このまたとない機会を与えてくれた獄門島の竹田に礼を言うとともに、僕らを熱狂させてくれた愛すべき漫画達に、惜しみない拍手を捧げたい。

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次点
銀と金、うしおととら、グラップラー刃牙、恐竜大紀行、新ゴーマニズム宣言、ベルセルク、稲中卓球部


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うーん…いまいち…ふつうですかなり良い素晴らしい (まだ評価されていません)
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