現代イラクの基礎用語

2004年4月17日 土曜日

イラク関連のニュースを追っているうちに、耳慣れない言葉が増えてきたのでまとめてみました。特に軍団とかテレビ局とか。この記事は適宜追加・修正します。

【軍団】

●マハディ軍

サドル師が率いる民兵組織。 「マハディ」とはシーア派独特の思想で、最後の審判直前に出現する「救世主」を意味する。

●サラヤ・(アル)ムジャヒディン」

8日、日本人3名をさらった劇団。色々と不可解な点が多い。イスラム戦士軍団(旅団)。

●カタイブ・(アル)ムジャヒディン

14日、イタリア人をさらった集団。戦士大隊。声明の最後では「緑の大隊・預言者ムハンマド旅団」と名前が変わっている。

●アハメド・ヤシン軍団

イラク国内で日本人を含む外国人30人を拘束していると主張する武装グループ。米軍のイラクからの撤退や中部ファルージャでの包囲策の解除を要求。

【宗派、組織】

●スンニ派

イスラム全体では9割を占める圧倒的多数派。イラクでは少数派になるが、政権を握ってきた。

ファルージャで米侵略軍と戦っている

●シーア派

イラクのシーア派は人口の6割を占め、最高権威アリ・シスタニ師率いる穏健主流派と、サドル師主導の反米急進派に大別される。

サドル師率いるマハディ軍が、ナジャフで米軍と戦っている。

●スンニ派とシーア派

預言者ムハンマドの後継者問題を争点に分裂した。

スンニ派はイスラムの共同体の統一性とイスラム法を重視。

シーア派は、第4代カリフの正統性を重視。基本教義にはほとんど違いがない。

●イスラム聖職者協会

フセイン政権崩壊後、存在感を強めているスンニ派組織。50年代に設立されたが、フセイン政権下で厳しい規制を受けていた。昨年4月の時点でのメンバーは6名のみだったが、1年で6000人に増えた。米軍の侵略を強く批判している。

【人名】

●今井紀明

18歳、「NO!!小型核兵器サッポロ・プロジェクト」代表。札幌市在住。共産党員の家庭に育つ。週刊誌では「人気者だった」などと書かれているが、その特異な性格から疎んじられていたらしい。
同級生の証言「話してるうちに、いつも話が「核兵器」とか「戦争」の話になって、「君ももっと勉強したほうがいい。」みたいな説教っぽい事を言われてウザかったんで話しかけんのやめた。」

●高遠菜穂子

極左ボランティア活動家、千歳市出身。薬物依存から抜け出し、イラクの少年を育成することを生き甲斐としている。今回の武装グループとの接点を指摘する説もある。好物はチョコレート。ギャルという紹介には明らかに無理がある。著書に「愛してるって、どういうの?」(ここの4月15日)

●高遠修一

高遠弟。千歳青年会議所専務理事。名言は「これが普通の状況ですか!」「イラクの子に謝れといいたい」など。

●郡山総一郎

元自衛官の自称フォトジャーナリスト。イラクへの旅費とカメラを買う金は、茨城県での土木工事などのアルバイトで貯めた。名言は「俺もさー、ジャーナリストなんだけど?」

●安田純平

信濃毎日新聞を2003年1月に退社、人間の盾としてイラク入りし、同時にフリーの立場でイラク戦争を取材。今回は3月にイラク入りした。

名台詞は「楽しくてたまらんね!

●渡辺修孝

元自衛官で、作家の瀬戸内寂聴らが発起人となった、自衛隊の海外派遣などに反対する元自衛官らの組織「米兵・自衛官人権ホットライン」に参加。今年2月末から半年間の予定で「在イラク自衛隊監視員」としてイラクへ派遣されていた。

元・一水会でもあり、アメリカに抗議して首相官邸にペンキをまいて逮捕されたこともあるなど、熱い活動家だったらしい

●サドル師

ムクタダ・サドル。99年に旧フセイン政権に暗殺されたシーア派の法学者ムハンマド・サーデク・サドル師の息子。ナジャフに事務所を構え、近郊にあるクーファのモスクで反米演説をくり返してきた。イランとの強いパイプも持っている。年齢は31歳とも25歳とも言われる。(

●ドレイミ氏

ドレイミ族の政治活動家。イラク人権保護協会代表。自称“仲介役”として邦人人質問題で動き回ったが、役に立ったのかどうかは不明。シリアのアサド大統領と会談するなど、スンニ派社会に一定の影響力を持っているらしい。

●クバイシ師

アブドル・サラーム・アル・クバイシ。イラク・イスラム聖職者協会のメンバー。日本人を拘束している集団を相次いで説得するなど、急激に存在感を強めている人物。あまりにスンナりいくので、疑惑の声もちらほら。

●ムハンマド・ファイディ師

イスラム聖職者協会のメンバー。

●ハーリス・ザーリ師

イラク・イスラム聖職者協会会長。

【地名】

●ファルージャ

イラク中部の都市。旧フセイン政権支持者が多い「スンニ派三角地帯」にあり、反米武装勢力の本拠地。米軍との戦闘が激化している。外国人拘束事件も多発する危険地帯。ズッコケ3人組もここで拘束されたとされる。

●ナジャフ

シーア派の聖地の一つ。アリー聖廟所在地。サドル師の本拠。

【メディア】

●アルジャジーラ

 カタールのアラビア語によるアラブ諸国向け、24時間放映の衛星テレビ局。96年、カタールのハマド首長が「アラブ世界に言論の自由を」と約1億4000万ドルを寄付して設立された。2001年米国のアフガン侵略時に、戦地の模様やラディンのビデオレターを放映するなどして有名になった。ロンドンや北京など世界各地に支局がある。実は日本にもある。

●アルアラビーヤ

アラブ首長国連邦の衛星テレビ。30人拘束のアハメド・ヤシン軍団の映像を放映した。

●アル・ハウザ

シーア派の人気週刊誌。これを占領当局が60日間の発禁処分にしたところ、サドル師支持派がブチ切れた。

●アハバル・アルハリージ

中東バーレーンの有力紙。「イラク解放国民戦線」とされる抵抗組織の連合体が発足したことを報道した。

●マナール・テレビ

レバノンのシーア派組織ヒズボラ系のテレビ局。13日、サドル師がインタビュー中で「私が死んだとしても占領拒否のたたかいをやめないようイラク人に訴える」と徹底抗戦を呼びかけた。

軍事

●旅団

軍隊の編制の単位の一。連隊の上、師団の下の規模。a brigade.

●軍団

軍と師団の中間の規模の編制単位。an army corps.

●師団

軍隊の編成単位の一。連隊あるいは旅団の上に位置して司令部をもち、独立して作戦行動に当たる。a division.

●連隊

軍隊の編制単位の一。師団または旅団と大隊との中間の規模。独立して一方面の戦争遂行能力を有する。a regiment.

●大隊

軍隊の編制単位の一。連隊と中隊の中間の部隊。a battalion.

●劣化ウラン弾

放射性物質を含み、安価で脅威の貫通力を誇る武器。湾岸戦争で実用化されたが、土壌の汚染や人体への影響が問題視されている。今井君の一番の趣味。

イスラム

●ジハード

イスラム教徒の義務のうちの一つ。内なるジハードと外へのジハードがあり、外へのジハードとは、イスラム世界を拡大あるいは防衛するための行為、戦いを意味する。

流行、時事

●PTSD

心的外傷後ストレス障害。(Posttraumatic Stress Disorder)

死に直面するような出来事によるトラウマがを原因として引き起こされる様々な症状。70年代に、ベトナム戦争で極限を超える凄惨な体験をした米軍兵士の精神的後遺症から研究が進んだ。を日本における代表的な発祥例は阪神大震災、地下鉄サリン事件など。

数日間の人質体験での発祥例はおそらくない。

●自己責任

流行語。「自業自得」「金払え」といった意味で使われる。自作自演説によらずに3人質を批判する根拠になっている。

●テロリスト

あらゆる暴力的手段に訴えて自分の政治目的を実現させようとする者。

●レジスタンス

侵略者に対する民族的抵抗運動。

●週刊新潮

【共産党一家】が育てた【劣化ウラン弾】高校生

【12歳で煙草、15歳で大麻】高遠さんの凄まじい半生

【子持ち・離婚】でも戦場カメラマンを選んだ郡山さん

などの、2ちゃんのスレッド名のような記事を掲載。(4月22日号)

突っ込み、情報提供、追加要請などは、右側にあるメールフォームからどうぞ。

・参照

MSN毎日

西日本新聞ワードBOX

イスラム用語集—–

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