イラク人質問題(10) 自作自演は誰のシナリオだ?

2004年4月21日 水曜日

 このイラク人質問題に関して、自作自演説というのが存在しますが、そもそも誰の自作自演なのでしょうか。

 現段階までの情報から、僕が考えていることをまとめてみます。

 まず、自作自演は確かにあったという前提で進めます。しかし、一口に『自作自演説』といっても、いくつかのパターンが上げられます。ここでの『自作自演』とは、誰かの作為があったという事実の指摘です。ただ、脚本が誰なのか、監督が誰か。それが一番の問題です。

可能性として考えられるのは、

・3人の自作自演だった

・日本政府の自作自演だった

・現地武装勢力の自作自演だった

・聖職者協会の自作自演だった

 以上の4点です。一つずつ見て行きます。一つ目の『3人説』ですが、確かにこの結論は面白おかしいものがあるので、ネット世論でも力を持っている説です。脅される映像が演技だったことや、撮影/CD作成に使われた機材が今井君の持ち物だったことなどの報道が、この説を補強しているようです。

 しかし同じ材料から、『日本人を拉致してみたら反戦活動家だったので意気投合した説』(即席ストックホルム説)も導き出されます。高遠さんと現地の武装グループとの接点を指摘する情報もありますが、最初から狂言誘拐まで計画してイラク入りするというのもなかなか難しそうです。

 今日の産経新聞によると、ビデオには3人以外の日本語が録音されていたようです。

「言って、言って」

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 はい、カーーーット!

 いよいよ監督の存在が明らかになるのでしょうか。「日本人活動家の自作自演だった」という第三者説を付け加えておきましょう。すると、3人は単なる出演者に過ぎない、ということになります。

日本政府説」は、なんか今井君の友人?が言ってたんですが、よく意味がわかりませんでした。

 現地武装勢力の自演説と、聖職者協会の自演説は、結びつけて考えられそうです。というのはつまり、スンニ派の指導者的役割であるクベイシ師は、その武装勢力をほぼ意のままに動かすことができるのではないか、ということです。武装集団に外国人を誘拐させ、政治的揺さぶりをかける。その後 自らが“説得して”解放させれば、国内での存在感を強めると同時に、さらに外国に恩を売って影響力を行使することもでき、一石三鳥というわけです。

ファルージャ攻防戦の“人質武器”

 戦後のイラクの復興計画は未だ混沌の中です。フセイン政権中は弾圧されていた宗教者が、その崩壊と同時に権力の座を目指すというのは、いかにもありそうな話です。

 おりしも北部ではシーア派のサドル師がレジスタンスを指揮し、急速に求心力を付けています。このままでは戦後の指導的立場を奪われてしまう、と感じたスンニ派が、多少性急な手段に訴えた、というところでしょうか。もしこれが暴露されれば、クベイシ師の政治的立場は危うくなります。

 しかし、現在のイラクを8割方支配しているのがアメリカである以上、反米武装闘争を指揮しているサドル師も、反米運動を展開するクベイシ師も、権力の座につくことは難しいかもしれません。勿論、武装闘争が成功(アメリカの完全撤退)すれば、話は別です。—–


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