デュオU&U レビュー (後編)

2004年7月1日 木曜日

前編だけ書いたまま放置してました。続きです。

『デュオU&U』 W[ダブルユー]

1.恋のバカンス

2.サウスポー

3.渚の「……」

4.白い色は恋人の色

5.大阪ラプソディー

6.待つわ

7.淋しい熱帯魚

8.かけめぐる青春

9.渚のシンドバッド

10.恋のインディアン人形

11.好きよキャプテン

12.センチ・メタル・ボーイ

13.お誂え向きのDestiny

14.Give Me Up

15.情熱の花 (Passion flower)

 M7はWinkの曲。現代的アレンジと、80年代サウンドのミックス具合が絶妙。「ZUKI・ZUKI せつなく」などの80年代的なポップ詩センスも楽しい。Winkと言えば独特の振り付けと無表情で有名。この曲でのTV出演も見てみたい。

 M8はうってかわって生サウンドのロック。どことなく破れかぶれな雰囲気が漂うところが一層ロック。投げやりになるギリギリのきわどさがロックやな、と。ところでこの曲、僕はリアルタイムではないものの、初期の『キン肉マン』でウルフマンが歌っていたのを覚えている。(確か超人オリンピックのあたりで、後楽園でファン感謝デーやっているような場面。資料なし。誰か調べてください。スペシャルマンか誰かとデュエットしてた気がする。)

 ものすごくメロウなM11。『サウスポー』と『白い色~』とこの曲と、全部同じアーティストとは思えないほど印象が違う。これは「7色の声を持つ」といわれる(僕に)辻ちゃんの声によるところが大きい。とにかく辻ちゃんは曲によってガラっとアプローチを変えてくるので聴き逃せない。

 M13はまるで1人で歌っているかのように完璧にユニゾンしている。まさに双子。別々に生まれてここまで息が合うわけがない。それにしても2人とも、いつの間に不倫ソングなんて歌えるほど大人に……。

 M12はなんだか妙にアニソンっぽい曲。調べてみると、キララとウララというB級テクノアイドルデュオの曲らしい。『B級テクノアイドルデュオ』って凄い言葉だなぁ。全テクノファン必聴! 曲名も“センチ・メタル・ボーイ”とあって、なんだか展開とメロディーラインがメタルっぽくもある。まあアニメタルの成功をひくまでもなく、アニソンとメタルの相似は昔から指摘されていることだが。サビのスペーシーな展開が心地よい。ところで「ツ・ツ・ツー・ツ・トー・ツツー・ツー」を解読できる人はいませんか?

 さてM14、これはヤバい。原曲が素晴らしいのはもちろんのこと、この2人に歌われるとヤバすぎる。グッと来まくる。この夏は、各地のネット系クラブイベントでヘビープレイ必至です!

もっとシッカリしてよ

ロマンティックへ逃げ込まないで

もしHeart Breakしても

情けない瞳で甘えちゃだめよ

キミが強くなくちゃ私

キュートなコになれないでしょ?

意気地なしを直さないと

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ハート蹴とばしちゃうぞ

Give Me Up!!

 これはヤバい、泣く人がいてもちっともおかしくない。あんな女の子にこんな風にハッパをかけられたら……。やはり、男の子の成長を促すのは、いつだって女の子の存在なんですね! って、あれ、この詩のテーマってなんか以前話題になった電車男っぽくないですか。それはおいといても、何といっても二人称「キミ」がヤバい。青春すぎる。女の子の素敵で可愛い部分や、可愛い女の子の素敵な部分がキラキラと詰まった曲。多分、原曲を聴いても、カバー元を聴いてもこの感覚に襲われることはないだろう。この2人が歌うところに意味がある。

 この曲が僕に、音楽に宿る芸術性というものが、曲や詩だけでなく、その演者に大きく左右されることを再認識させてくれた。

 リアルタイムでこれらの曲を聴いていた人にも、まったく聞いたことない人にも、ハロプロを敬遠気味だった人にも、老若男女問わず幅広く聴いて欲しいCD。僕はこのアルバムを聴けただけで、Wがデビューした甲斐があった、とすら思っている。

 しかしもっとも重要なのは、これで2人のカラオケレパートリーが飛躍的に増えたという点。プライベートでもよくカラオケに行く仲良しな2人のこと、デュエットのレパートリーが17曲も増えたんだから、楽しくて仕方ないだろう。仲良く歌う2人の姿が目に浮かぶ……。

 この一事だけをもってしても、このアルバムが実に意義深いプロジェクトだったと、僕は確信を持って言えるのである。良かったね、2人とも……!—–


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うーん…いまいち…ふつうですかなり良い素晴らしい (まだ評価されていません)
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