カンパリの秘密
知ってる人は知っている、秘密でもなんでもない話かもしれないが、あまりおおっぴらに語られることはないのでやはり秘されている話だと思う。
カンパリの赤い色は、虫から抽出した色です。
南米のサボテンに寄生するカイガラムシ科のエンジムシ(コチニール)が原料で、プチっとつぶすと真っ赤な液体、カルミン酸という真っ赤な成分が抽出されるそうです。
↑このサボテンに付いている白いものがエンジムシ
虫の液といっても、れっきとした天然着色料。日本でもハムや福神漬け、清涼飲料水まで幅広く使われています。科学着色料よりも、天然着色料の方が認可が下りやすいので使い勝手が良いそうです…。
これを知ると、虫嫌いの人の中には「もう2度とカンパリは飲まない!」と決心する人もいるかもしれない。考えてみれば、虫を使っていて「ほろ苦い」という味も意味深だ。(もちろん、オレンジ果皮やコリアンダーなどの味であることはわかってるんだけど……。)このことが知られるのはカンパリ社としてもまずいんじゃないか? しかしカンパリのラベルを見ると、はっきりと「カルミン使用」と書いてある。いいのかそれで。
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いいのである。そもそも現代日本の無菌、無臭、虫嫌い傾向が度を越しているだけで、世界的に見れば人類は虫にはわりと寛容だ。それどころか、世界には伝統的に昆虫食が存在する国がたくさんある。
有名なところでは、タイの食用ゴキブリやメキシコのサソリ、古くはアリストテレスのセミ料理まで。おお、日本でも、イナゴやカイコを食べる伝統があるではないか。研究者たちの間では、22世紀の食糧難の救世主は昆虫食かもしれない、といわれているくらいである。
酒+虫で考えても、世界にはサソリ入りのウォッカや、イモ虫入りのテキーラが普通に存在する。こうして考えてみると、虫の色素を使っているくらいどうってことない、という気になってくるから不思議である。
しかし、カイガラムシの画像を見てみるとやっぱりちょっと……という気になってくるから不思議である。
↑写真はミカンの木に寄生するカイガラムシ
参照リンク
2010年7月30日 at 23:13
でも美味いから…やめられません
2010年8月1日 at 02:03
ですよねー。
別に体に悪い訳じゃなさそうですからいいと思います!