細部まで気を抜かない

2004年10月11日 月曜日

 今日、友人と飲んでいたときに、「できそこないのハードボイルド小説で、タバコを2本喫う間にバーボンを2本開ける描写(2杯ではない)があった」という話で笑った。それはいくらなんでも倒れる。書いた人は酒を飲まない人なんだろうな、と思うが、こういうトンデモ描写は素人小説の中だけにあるものではない。

 例えば。『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』というアニメ作品がある。作中に常にバーボン(らしき瓶)を持っていて、ビールのごとくグビグビとラッパ飲みをしている、というキャラクターがいた。いや、死にますから、それ。

 他にも、街に繰り出してバーで酒を飲むシーンがあったのだが、カウンターの中にあるバックバーに並んでいたボトルは、全部同じ。1種類のサケ?がずらーーっとコピペで並んでいた。こういうのを見ると「ああ、作監も酒を飲まない人なんだな」と思うだけにとどまらず、どうにも冷めてしまう。フィクション=作り事の世界であるだけに、細部に嘘があると途端に物語全体が嘘っぽく見えるし、知らず知らずのうちにアラ探しを始めてしまうものだ。

 逆に、酒の描写で思わず拙者がうなったのは『MONSTER』である。このマンガの登場人物はよく酒を飲み、物語の舞台が酒場になることも多いのだが、そのどれもが実在の酒で、ラベルも実に緻密に描きこまれており、カクテルも正確に描かれていた。ひとつ気になったのは、マンハッタンをシェイクで作るシーン(マンハッタンは通常ステアで作る)だが、それが逆に、作者が酒の仕事をしていたとか、酒が好きとかではなく、純粋に作品のディテールとして描き込んでいるのであろうことをうかがわせる。ひょっとしたら、そのバーテンダーのいい加減さや、子供相手の手抜き仕事を描写しようとしたのかもしれない、とも思いたくなる。

 この、“全体を成り立たせるためには細部が重要”というのは、僕らで言えば、文章を書く上でも心がけたいことである。例えば人の文章を読んでいるときも、誤字脱字はともかく、“てにをは”や“係り結び”、敬語の間違いや“ふいんき”、“いちよう”、“~せざるおえない”などの「なぜか変換できない」を見つけると、拙者は途端に萎えてしまう。

 時にはサイト全体の印象さえ左右しかねないうっかり記述。できればアップロードの前に2回くらいは読み直したい。読み直すだけでも“てにをは”のミスは少なくなるはずだ。

 他にも、髪型は決まってるのに鼻毛が1本出ているとか、書類は完璧なのに判子を忘れたとか、デートの誘いがアイコンなのにノーコンとか、ダメダメなので気をつけたいところなり。ロボロボ。—–

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