発車オルゴールが聞こえたので階段を登りきったら、ちょうど閉まるところだった。プシューーッ。眼前でドアが閉まって、あぁ残念、となるかと思ったら、車内から突進してきた男子中学生が体を入れてこじ開けてくれた。
「どうぞ!」 男子中学生、100万ドルの笑顔。「あ、ありがとう」つられて笑顔で乗り込む僕。入れ違いに降りて、ホームでガッツポーズの中学生。遠ざかる彼に親指を立てる車中の僕。「山田が人を救った!」大喜びの車内の中学生たち。
だが、このあと僕は、車内に残っていたこの彼の友人達の口から、彼が実はウンコが我慢できずに突発的に途中下車しただけに過ぎないことを知るのだった……。男子中学生ってせつない存在だなぁ。