PRIDE 男祭り2004 雑感

2005年1月3日 月曜日

 やっと見終わったー! 昨年末のPRIDE男祭り。以下雑感です。

高田統括本部長の暴れ太鼓!

腹かかえて笑った。珍妙な裃着て現れたと思ったら、太鼓の前でバチを握って一声「うりゃっ!」デデン!バリッ! 衣装が真っ二つに裂けて、ふんどし一丁。ひとり安田大サーカスだ!

  

うりゃっ        バリッ!       ケツ!

○美濃輪育久vsステファン・レコ

開始と同時に、いきなりドロップキックを放っていった美濃輪に、リアルプロレスの真髄を見た。総合の試合でマジドロップキックって初めて見たよ。当たったら面白かったなあ。でもそのまま、わずか30秒で試合を終わらせてしまうってのは、プロレス的に問題があるんじゃないのか?

ジャイアント・シルバvs○チェムベ

PRIDE唯一のイロモノ試合。ちょっと笑った。

安生洋二vs○ハイアン・グレイシー

紀元前、安生が強いとされた時代があったらしい。そんな風に聞くと笑ってしまうけど、日本で最初にマウントからの打撃を受けた、という歴史的意義はある。蜂の巣をつついた男、トラに鈴をつけようとして食い殺された男。ハイアンが危なげなく腕を決めて勝利。良かったね、ボコボコにされたり腕折られたりしなくて……。途中、“ドント・ムーブ”でリスタートするときに、元の姿勢に戻らなくてレフェリーが何度も静止したらハイアンがキレた。殴っちゃうんじゃないかとハラハラした。俺がレフェリーだったら、こんな奴の試合は裁きたくない……。

戦闘竜vs○滝本誠

 相撲対柔道の対決。戦闘竜の「スモウは強いというイメージを守らなくてはいけない」という悲痛なコメントに涙。片やK-1で“負けボノ”がガタガタと崩している相撲幻想の屋台骨を、反対側から必死に抑えようとしているのだ。実際、初戦こそあのシルバに初白星をプレゼントする最悪のスタートだったが、1年と少しの経験でかなり強くなった。でも、実況の「戦闘竜の打撃は、PRIDEでもトップクラスと言われています」は言い過ぎだと思った。この「言われてる」はマスコミの使う詐術の上等手段で、実際は「言って」いるのは記者や話者本人だったりする。このアナウンサーは場のノリで適当なことを言うタイプだったから考え無しに言ったんだろうけど。

 試合は戦闘竜が滝本の寝技を警戒し、ほぼスタンディングのまま判定。

 リングサイドには、高見盛や武蔵丸をはじめ、何人かの力士の姿が見えた。曙はかつての仲間にもとうに見捨てられていた。まぁ、当然の帰結か。

吉田秀彦vs○ルーロン・ガードナー

 柔道とレスリングの金メダリスト同士の戦い、なのだけど、これまた前試合と同じく、スタンドでの打ち合いがメインの妙な試合。柔道家とレスラーがずっと殴り合い。なんか不条理というか、勿体無い感じ。“芸能人ダーツ合戦”をずーっと見せられている感じだ。それ、あんたらがやらなくてもえんちゃう?という。試合はガードナーの堅守とワンツーが功を奏し、判定勝ち。吉田はKOはされないものの、なぜか毎回顔面がボコボコになるなぁ。

○ミルコ・クロコップvsケビン・ランデルマン

 試合の機、勢いというのがいかに大事かというのが思い知らされた試合。競馬のパドックではないが、前回対戦時のランデルマンは物凄く漲っていた。何かをしそうなビリビリした気迫が全身に漲っていて、大腿筋や背筋の張り詰め方が尋常じゃなかった。逆にミルコはなんだか油断した顔をしていたが、今日はそれが逆だった。

このくらい実力が上になってくると、勝敗を最も左右するのは気迫だったり運だったりする。(ミルコとランデルさんの実力が伯仲している、とまでは言わないが。)

近藤有己vs○ダン・ヘンダーソン

 ミドル級でもっともシウバに近い試合。ダンヘン有利か、と言われたが、あにはからんや、試合は拮抗、やや近藤が優勢ですらあった。キング・オブ・パンクラシストは伊達じゃないな。しかもはてなキーワードの情報によると、彼はまた、加護亜依の大ファンという意外な一面も持っている。とのことで、彼もまた“大きいおともだち”の一人なのであった。こりゃ応援するしかないでしょ。勝ってマイクパフォーマンスで「今日の勝利をあいぼんに捧げます!」とかやってくれたらいいな!

○長南亮vsアンデウソン・シウバ

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 飛びつきアキレス腱固め、というかカニばさみというか、とにかく下段に飛びついたと思ったら倒れながら足がロックされていた。すごい決まり手。初代タイガーを思い出した。でも地上波ではほとんどカット。ほかにカットすべきところいくらでもあったろうに。小川の昔の試合(なぜ今?)とか、前回のノゲ×ヒョーの試合とか……。

○五味隆典vsジェンス・パルヴァー

 日本軽量級最強と言われる五味。KIDも、五味とは負けるからやりたくないと言っていたとか。BJペンを破ったアメリカ代表、パルヴァーと完全なボクシング対決をやってKOした。よく見ると、片手で相手の手をつかんでロックして殴る、“ひっぱりパンチ”をやっていたが、考えてみればボクシングでは反則のこの攻撃、総合では別にぜんぜんOKなのだった。マイクパフォーマンスが完全DQNだったけど、盛り上がった。スター性が備わってきている。

○マーク・ハントvsヴァンダレイ・シウバ

 シウバも、相手が当初の予定どおり桜庭のままだったらラクな仕事になっただろうに。流石にK-1が輝いていた時代のGP王者。強烈なパンチで、何度かシウバの腰が崩れるシーンがあった。立ち技の試合ならダウンが取られているようなシーンも2回ほどあった。ハントは、総合3戦目とは思えないくらい対応がしっかりしてきていて、このままいくとPRIDEのトップファイターにもなれるんじゃないかと思わされた。サモア人はなんかナチュラルに強い感じ。

○エメリヤーエンコ・ヒョードルvsアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ

 いつも思うんだけど、外人選手の翻訳の一人称ってどういう基準で決めてるんだろう。まあイメージでなんとなく決めてるんだろうけど、ヒョードルは「私」でノゲイラは「僕」なんだよね。

 さてそのヒョードル。この男、強い。強すぎる。前回の試合に比べて、差は縮まっていないどころかまた開いてしまった感がある。ノゲイラは、ヒョードルと対峙すると、ただのボクサーにされてしまう。持ち味を潰されてしまう。打撃で押され、グラウンドでも打撃に悩まされ、極めようとしても絶妙のタイミングで抜かれてしまう。あと、面白いようにヒョードルの投げが決まっていた。考えてみれば、柔術には投げ技らしい投げ技はないんだっけ。

 結局、勝敗は判定にもつれこんだんだけど、ゴングが鳴って笑顔でバンザイアピールをするノゲイラに、ヒョードルが握手をしようと手を差し出したら、ノゲイラは上げた手をそのままヒョードルの頭に下ろした。いくらなんでも失礼過ぎないかそれは。

 小川のハッスルもそうだったが、柔道や柔術など、礼節を重んじるはずの日本武術をルーツにもつ選手達がいつも非礼を働き、対するヒョードルはいつもちゃんとしている。終始ノゲイラを応援し続ける偏向実況(小池栄子のせいか?)を尻目に、ヒョードルを応援してしまった。ノゲイラはいつも自分しか見えてない。


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