モーニング娘。ラッキー7オーディション

2005年1月9日 日曜日

「娘。のエースを募集します!」

 そんなつんく♂の宣言で始まった、7期メンバーオーディション。北は北海道から南は九州まで、全国7箇所、過去に例を見ない規模で3ヶ月に渡り行われた。そして今日、その最終結果発表の特番のエンディング、つんく♂の口から出た言葉は……。

該当者、なしです。」

 僕は思わずニヤリとしてガッツポーズをとってしまった。やってくれた! つんく♂さんはホンマにロックやなあ。ロック、止まらないわあ。あなた、ロック過ぎるから……。ここまで大風呂敷を広げておいて、それで「該当者なし」ってのはなかなかどうして、誰にでもできる選択ではない。

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 凡人ならば「ここまでやったんだから…」とか「金かかってるし…」とか「一応とっといて、これから育てて…」とか考えてしまうもの。戦場でも雀荘でも真っ先に死ぬ発想だ。だがつんく♂は違う。つんく♂は、ロックの本質……不条理な死、のようなものに最も近いところにいる。「死ねば助かる」のを知っている。

 今回の候補者を見て、おそらく視聴者が一様に感じたのは「エースなんてどこにもいねぇじゃん」という疑問、不安だったと思う。娘の即戦力、歌にダンスに大活躍で、可愛くて格好良くて、センターをつとめる。そんな“第二の後藤真希”を探すオーディションのはずが、出てきたのは天然ボケだの不思議ちゃんだの田舎弁キャラだの自信過剰だのあゆリスペクトだの恋のからさわぎだの、煮ても焼いても使えない勘違いちゃん揃いである。正直、誰が受かっても応援できる気がしなかった。それでも受かってしまえば「こういう子がいてもいいかな…」と思えなくはないが、今回は“エースを探せ!”である。5期6期オーデとは話が違う。

 つんく♂は、妥協しなかった。選考中、ついには「ロックやと思うなあ」発言も飛び出したが、結局は「該当者なし」と発表された。状況を判断する理性を残しながら、この3ヶ月で積み上げてきたものを全て破棄する勇気を示したのだ。空気嫁と勇気と不条理。おそらくはこれこそロック(=つんくビ♂ト)の真髄であり、モーニング娘に必要なものである。

 すいません、ちょっと適当なこと言い過ぎましたが、本当に良かったなあ、と思います。全員合格とか7人加入とか、そういう“エース候補”という前提を無視するロックに走らなくて良かった……。つんく♂さんは7期オーデをぶっ壊すことによって、モーニング娘7年の歴史を守ったのだ!(多分この損害や責任をかぶって、UFA内部で2~3人クビが飛んでます。)

 そうだよ、“モーニング娘。”ってのはそんな安い集団でも軽い存在でもないんだよ。みんなが大事にしている、夢の器なんだよ。「私が入ったらもっと売れます!」とか、素人が眠いこと言ってんじゃねぇよ。もちろん生き馬の目を抜く芸能界、“自信”は大事だろうけど、そういうブラフはただの“不遜”だ。今回の候補者は、エース適性がいなかったのはもちろん、意識も低すぎた。

 でも敗者6人を集めて新グループ結成、とかロックな展開がありそうな気がしなくもない。インディーズ手売りで、最後は楽天球場で感動のフィナーレだ! ユニット名は“たこやきシスターズ”で、どや!?

参照リンク

モーニング娘。ラッキー7オーディション

Big Smile!!?ラッキー7オーディションまとめサイト—–


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