沈黙のオーディエンス問題

2005年2月13日 日曜日

『ごくせん』で涙腺が緩むようになってしまった宮本です。酔ってたからかな。歳なのだろうか……。
 さてここ最近、サイト運営と反応のことばっかり書いてますが、多分今日で一応ひと区切りの予定。
 いわゆる沈黙のオーディエンス問題、とある人気サイトが「更新してもメールが来ないんでもうやめます。しょんぼり…」と閉鎖してしまった問題について。

 その閉鎖してしまったはずのサイトが、ミョーな追記を書いている。
いわく、「風邪をひいたと書いてもメールが来なかった」「オフ会を開こうとしたら参加希望メールが来なかった」「20時間もかけて書いてもメールが来なかった」など……。こ、これはミョーな、というか、気持ち悪い。これは、多分『テニスの王子様』の作者に対して感じるのと同じ種類のものだと思う。その無邪気さが怖いのだ。(許斐剛の、不気味な無邪気さ

 この問題に関して、いくつかのサイトの反応を見た。サイト運営者的にはあまりにもおいしいトピックというか、食いつかざるをえない話題である。

 徳保さんは「ネッ友を作れ」と言っている。

無反応という状況を回避したいだけなら、ようは「ネッ友」を増やせばよいのです。私は過去に同じアドバイスを大勢の方にしていますけれども、これは大手サイトの管理人にも通用する話です。(「沈黙のオーディエンス」主要リンク集

このアドバイスにはちょっと疑問を感じる。ネッ友はいちいちサイトに反応をくれない。サイトを介して知り合った友達は、仲良くなればなるほど、サイトに無反応になる傾向がある。わざわざメールを送ったりせずに、メッセや直接会ったときに軽く感想を伝えるにとどまる。ややもすると、感想を伝えること自体しなくなる。

 切込隊長は「そういうサイトにしろ」と説いている。

アクセス数という数字に実感が持てず反響という具体的なものに価値を求めるのであれば、求め方があったはずであり、それができるできないは適切な営業努力がいかに払われてきたかの集積であるということに変わりはない。(「沈黙のオーディエンス」についての議論

 まぁ確かに正論なんだが、これは酷なんじゃないだろうか。そもそも、そんなセルフプロデュース能力のあるサイトならば、最初から苦労しないのだ。

id:kowagariさんも反応大好きと言っている。

ちなみに言うと俺もペンネーム「反応大好きっ子♪(群馬県 14歳)」さんですけど、そういうイキフン(業界)はなるべく出さないように努めている。なので、今回の人があけっぴろげに「反応なくてさびしいからやーめPix! やーめぴっくす!」とか言っているのは逆にとても素敵なことだと思った。素直です。素直になりたい。(読者からの反応

 でもid:kowagariさんとこはコメント欄がないじゃないか。うちはずっとあるのにずっと0だったよ。しかしこの、「反応ないからやーめっぴ」というのが新鮮な意見だと言うのは確かだ。王様の耳はロバの耳、そんなん思っても言ってはいけないというか、言ってはオシマイだったはずだ。いや実際それを苦にして閉鎖したわけだから、文字通りおしまいだったんだけど。

 僕だったら、あんな気持ち悪いエクスキューズ文書くなら、閉鎖したほうがマシだな。ってもう閉鎖してんのか。と思ったら「応援メールが集まったから復活しました」だって。元気玉かよ。「皆さんの祈り届いた!」か。顔写真出すのも許斐剛っぽいなぁ。

 さて、サイトに反応をもらうためにはどうするか、ということで
  ・ネッ友を作れ
  ・営業努力をしろ
  ・あきらめろ
  ・雰囲気が重要
 といった意見が出揃ったわけだけど、闇雲に反応を欲しがる前に、自分が何を求めてサイト運営をしているのかをじっくり考えてみることも必要なんじゃないかと思う。
文章を書くこと自体が好きな人、書くことによって生まれる交流を求める人、アクセス数やランキングを伸ばすのが目的な人、名刺代わりにサイトを作ってる人。色々いると思うし、どれが正しいってわけじゃなくて、花屋の店先に並んだ、どれもみんなきれいだね、である。
 ちなみに僕は、サイト運営によって得られるものが好き、なのだと思う。つまり、得られるものがある限りは続けていくと思う。

 よって、「閉鎖されたら困るのでメールしました」というメールをいただきましたけど、心配しなくてもあと5年は続けると思うので、安心してメールください!とここ数日コメント欄が機能しだして嬉しい限り。「書ける雰囲気」になったのかな。

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コメント / トラックバック 7 件

  1. 徳保 Says:

    つまりその、微妙な距離感を保った状態を「ネッ友」と書いたつもりでした……が、自分の文章を読み返してみるとそうなってないので、アレレと思いました。

    それにしても、浅野教授がサイトを復活されたのには吃驚。いろんな意味で「感動」しました。これがアリなら、あんなこともこんなこともアリだぞ、というわけで、ネットは希望がいっぱいです。

  2. 宮本 Says:

    付き合いがネットで完結しているという意味合いで「ネッ友」なのかな。でもそういう微妙な間合いを維持するのも大変なんじゃないでしょうか。

    “浅野教授”は本当びっくりですね。いやあ凄い人材だ。

  3. 匿名 Says:

    ジャンルはNETTOなんですね。

  4. 匿名 Says:

    そーですよ、ジャンルはNATTO、つまり納豆ですよ。
    それにしても“浅野教授”はドラゴンボールのゴクウみたいな人ですよね。
    そのうちライバルとか出てくる予定なんですよ。
    たぶん、名前はid:humberthumbertだと思います。
    http://d.hatena.ne.jp/humberthumbert/
    がんばれフリーザさま!!

  5. 匿名 Says:

     最近の九十九式は他者をあげつらい遠回しに自己賛美するのがトレンドですか?

  6. 宮本 Says:

    >>3
    Bloggerにはカテゴリ機能が実装されてないので、Googleに頼ることになります。で、そのとき【net】だと、サイトURLと一緒になってしまうので、【netto】にしてある、というわけです。(あ、でも今気づいたけど、intitle属性で検索すればいいのか。)
    【site】との使い分けについての疑問だとしたら、【site】カテゴリは自サイトのみに関する話題のときです。
    全体として、実用的な意味よりも、「これはこういう話題である」と明示する目的、HTMLのDOCTYPE宣言みたいなものです。

    >>4
    ホッホッホ。楽しそうなサイトですね。
    初めてですよ。こんな書き込みをしたおバカさんは……。

    >>5
    ううむ。他者に対する基本スタンスが批判的だと、そうなってしまう陥穽がありますね。自戒したいものです。

  7. maRk Says:

    沈黙のオーディエンス問題 ☜本文タイトル

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