ここがヘンだよ!キャラ&メル観客

2005年4月6日 水曜日

 先日はあんなに力いっぱいミュージカルを絶賛しておいてなんだが、別にスポンサーが付いてる仕事の文章ってわけじゃないので、今日は苦言を呈したい。

 アドリブが多めの演出は、2人の対応力の高さや素の部分を見ることが出来て楽しいのだが、やや過剰に感じる。本人達も、毎日台本どおりのセリフを言うよりも、アレンジしてアドリブにしたほうが楽しいだろうが、元のセリフやシーンの意味が変わってしまうほどいじるのは、果たしてどうだろうか。

 また、そんな即興やセリフの間違いなどに、リピーターが食い付き過ぎる。劇中で最も大きな反応があるシーンと言ってもいいくらいだ。はっきり言って、バランスを欠いた反応と言わざるをえない。ひょっとすると、これがより一層2人の演技の崩壊を促しているのかもしれない。どんな演者だって、客席の反応が多くなればなるほど嬉しいものだからだ。
 逆に、イリュージョン(脱出マジック)のシーンで、拍手をするべき局面で何もしない観客が多すぎる。特に最初に見たときは、3回ある脱出シーンの全てが無反応だった。マジックというのは、「はいっ!」と何らかの術が成功したときに、観客からの拍手がないと、それは“成立”には至らないのだ。

 謎解きなどの、声を出して参加できるときにしないで、関係ないところでステージに向かって奇声をあげる。イリュージョンには拍手をせずに、アドリブにばかり反応する。そうしたバランスを欠いた観客の姿勢が、ステージのバランスをも崩してしまうのだ。例えば後半では、蓄音機の脱出シーンでの反応が余りに小さいことから、出てくると同時に手から何かを出すミニマジックを仕込むようになった。これは確かに拍手が起こりやすくはなるだろうが……。

 ミュージカルは、コンサートに比べても一層観客の果たす役割と責任が大きい。歌の途中ならいくら叫んでもそれほど進行に支障はないが、芝居の途中で客が思い思いに声援を送ったらどうなるか。小学生でもわかる話だ。100人が静かにしていても、たった1人のバカが騒ぐだけで簡単に台無しになってしまう。どんなに良い席を手に入れても、価値はあっという間に転げ落ちる。これは上等な料理にハチミツをブチまけるが如き愚行、無差別テロ行為だ。

 特に鬱陶しいのは、一部の気狂いヲタの存在である。
 横浜の公演は毎回平和に楽しめたのだが、会場が池袋に移ってから様子が変わってきているのだろうか。4月4日、昼。何度目かのミュージカル。(本当は4回目だけど、数えないんだァ……)この日はおおむね台本どおりの展開で、落ち着いて楽しめるかと思ったが、客層が最悪だった。冒頭の登場シーンでいきなり「あいぼおおぉん!」との咆哮が3、4ヶ所から起こったときから嫌な予感はしていたのだが……。
 最前14、15に陣取り、スケッチブックに書いたメッセージを掲げながら「あいぼぉーーーん!」「がんばってぇーーー!」「○○なのぉーーーっ!?」「びっくりしたぁーーーー!!ウヒャヒャヒャ!!」など、芝居中なのにセリフにかぶせて全力で絶叫している加護ヲタ。
 左前方でいちいち「かわいいー!」「(歯医者に)一緒にいこーっ!」とか 「(加護の『イケメンだった』に)ええーーーっ!」とか金切り声で呼びかけてる女加護ヲタ。ここはドリフの幽霊コントじゃないんだ。なぜコンサート部分まで待てない?
 あるいはマキアートの命を救うシリアスな演技の途中で「マッキアートッ!」とコールを先取りして叫び、得意満面の加護ヲタ。後ろでそれを聞いて「ギャハハ、なんだアイツ早すぎだろワロス!」とか笑ってたヲタは、マキアートコールの代わりに「あーいーぼん!あーいーぼん!」と叫んでいた。あとは「あいぼん見てるだけで楽しい」「毎回見てるけどここは云々」とか終始ごちゃごちゃくっちゃべっていた。さながら、学級崩壊の小学生のようだが、無論みんないい大人である。大の大人だ。

 コンサートマナー全般に関しては、すでに各所で議論されつくしたことではあると思うが、結局のところ“自浄作用”に期待するしかないのだろう。では、その自浄作用とは何か。問題行動を起こすバカが自分でいつの間にか反省する? バカな。ネットでこうした問題提起をすることよって世論を形成する? 遠すぎる。
 そういうガン細胞の近くにいる一人一人が、勇気を持って注意、排除していくしかないのではないか。そう、「勇気を出して、心を合わせ」である。だいじょうぶ、あなたの周りの人はみな迷惑しているはずだ。目に余る場合は、係員に苦情を言って対応してもらうのもいいだろう。池袋の係員は、問題客をちゃんと排除してくれるという情報もある。これは当然の権利だ。チケットを買ったひとりひとりに、ステージを楽しむ権利は与えられているが、自分勝手に騒ぐバカはそれを不当に侵害しているのだ。

 僕も先日、何度か注意をしようと思ったが、せっかくの楽しい時間が「バカオタと対決した」という体験のイメージに塗り替えられてしまうのが嫌で、我慢してしまった。しかし今振り返ってみれば、逆に不快感を我慢した記憶しか残っていない。3列目だったのに。
 これからはガンガン対決していこうと思う。手の届く範囲の糞オタには容赦しない。するとベリ合コンは乱闘事件に発展しそうな危険性すら感じるので行かない。

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