読書感想文(16)(17) 江戸忍法帖 / 新選組血風録

2005年5月22日 日曜日

江戸忍法帖 山田 風太郎

レビュアー: 宮本・ザ・ニンジャ
 忍術あり剣戟ありロマンスありの風太郎絵巻。前将軍綱吉の落胤として、人知れず生きてきた若君、葵悠太郎。彼が世に出ようとするとき、江戸に地の雨が降る! 悠太郎を亡き者にしようとするのは、大老柳沢に雇われた恐るべき忍者集団、甲賀七忍であった! 最初は逃げ惑うだけの主人公だが、友の命を奪われたとき、ついに彼は復讐の修羅となり、天下無双の一刀流が炸裂する!
 忍法帖シリーズの常として、この作品にも意表を突いた忍者、常軌を逸した忍法が登場し、息もつかせぬ目まぐるしさでぐいぐいと引き込まれてしまう。敵の忍者を1人ずつ粉砕していく展開はまさに少年漫画的で、血が熱くなる。ミステリ的な凝った展開も面白い。個人的には今まで読んだ忍法帖シリーズの中でかなり上位にくる作品。読後感もさわやかで良い。まさに「忍法帖にハズレなし」である。
★★★★☆

新選組血風録 司馬遼太郎

レビュアー: 宮本・ザ・ニンジャ
 幕末ものの第一人者、司馬遼太郎による新選組オムニバスストーリー。15篇の短編からなり、近藤や土方らのスター隊士だけでなく、井上源三郎や山崎蒸などの“脇役”から、鹿内薫や谷三十郎といった無名の隊士までが主人公として、味わい深い物語が紡がれる。本の構成上、どこから読んでも楽しめるし、いきなりこの本を読んでも面白いのだろうけど、できれば新選組通史として『燃えよ剣』を一読してからこの作品にあたることをおすすめしたい。
 個人的に好きなエピソードは、『胡沙笛を吹く武士』と『海千寺党異聞』『沖田総司の恋』など。人の心の移ろいやすさ、変わりゆくものと、変わらぬものとのコントラストは美しい。
★★★★☆

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この記事の評価は:

うーん…いまいち…ふつうですかなり良い素晴らしい (まだ評価されていません)
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コメント / トラックバック 2 件

  1. パチョレック石川梨華 Says:

    お勧めになってたのでAmazonで買いました!
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    教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書

    楽しみでつ

  2. 宮本 Says:

    九十九式も何度か、ちびっと出てきますよ!

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