PRIDE GP 2005決勝戦

2005年8月31日 水曜日

 2005年、夏の終わりに、世界一熱い祭りがスーパーアリーナで行なわれた。それはまさに「人類最強」を決めるにふさわしい祭りだった。

ミルコvsヒョードル

 ヒョードルが強すぎる。あれはちょっともう、違う次元にいるというか皇帝というか、存在自体が反則というか、「60億分の1」と呼ばれるに値する強さだった。(ヒョードルさんってさぁ・・・なんかそこら辺の選手と匂い違いますよね・・・。)格闘ゲームのキャラだったら、間違いなく使うと相手に文句を言われるキャラだ。

 対戦前の煽りVでは、基本的にミルコがヒーロー、ヒョードルがヒールで扱われていた。日本人は、「やられても立ち上がる不屈のヒーロー」が好きだ。かつてのアンディ・フグのように、ミルコも大事な一戦を落としたり、不調の時期があったりして、結局KでもPRIDEでも、ひとつもタイトルをとっていない。そんなミルコが数年越しでとうとうつかんだ最強への切符。しかしそこに立ちはだかるのは史上最強の王者、という構図だ。もともとミルコもヒールっぽいイメージだったような気がするが、確かにヒョードルのたたずまいはあまりにも「ラスボス」すぎる。
 これがハリウッド映画ならば、起死回生の逆転ハイキックでミルコが勝利して終わるところだろうが、現実はそう甘くはない。

 今だから言うわけではないが、結果は予想通りだった。打撃専門で、ムラのあるミルコよりも、オールラウンダーで無敗のヒョードルの方が総合的に勝っていると思ったからだ。
しかし、あそこまでの差がついているとは思わなかった。戦前の予想では、スタンディングではミルコ有利、グラウンドではヒョードル有利、などと言われていたが、蓋を開けてみれば打撃でも寝技でも終始ヒョードルがミルコを圧倒していた。

 ストレートとキックが主体なので距離をとりたいミルコ、フックを当てたいので距離を詰めるヒョードル、という組み合わせなので、ヒョードルが前に出てミルコが下がる展開になるのは当たり前としても、ヒョードルが無造作に前に出て行くだけで、ミルコは次第に追い詰められていった。

 ミルコのミドルキックは何度かジャストミートしたし、ワンツーが決まってヒョードルの膝が揺れるシーンもあった。しかし、ヒョードルは動じなかった。1Rで足がすべったのがミルコの不幸だとしても、ミルコがヒョードルをしとめるチャンスは少なかった。

 絶対王者と謳われたシウバにも敗北があったように、「ロシアン・ラスト・エンペラー」ヒョードルにも敗北のときが来るのだろうか? 今は対抗できそうな人間が全く見当たらない。別格だ。

シュートボクセvsブラジリアントップチーム

 PRIDE絶対王者としてミドル級に君臨しつづけた怪物、ヴァンダレイ・シウバが負けた。相手はヒカルド・アローナ。今回のトーナメントで、日本を代表するPRIDEファイター桜庭を圧殺した男だ。
 シウバのジムであるシュートボクセ(ブラジル)には、現在なぜか桜庭が練習に通っており、日本に向けて出国するシウバに「がんばってください!」と、ヒカルド戦のときにかぶっていた野球帽と、自作の“サクベルト”を渡していた。
 シウバは「桜庭は尊敬できるファイターだ。ヒカルドがあの試合でした卑怯なこと(サミング)は絶対に許せない」とコメントしていた。

 プロレス的には、
「桜庭を汚いやり口で葬ったヒカルドを、敵味方を越えた友情で桜庭と結ばれたシウバが倒す」という構図にしようとしたのだろうか。シウバも悪役だったはずなのに、いつのまにアイドル超人になったのだろうか。

 いざ試合が始まってみると、2人ともかなり熱くなっている。しかしこれは別にシウバが桜庭の件で本当に怒っているわけではない。そんなアングルは不要だ。この2人の対戦はブラジル対決、それもシュートボクセとブラジリアントップチームという、間違いなくブラジル格闘界、いや世界の格闘界の頂点に君臨するジム同士の頂上決定戦なのだ。

 結果はヒカルドの勝利で、シウバも決して絶対者ではないことが証明された。しかしそのヒカルドを、シウバの後輩であるマウリシオ・ショーグンが撃破して優勝したわけで、結局シュートボクセの優位はゆるがないのだった。

 厳しい情報統制をしいた結果、ミドル級トーナメントの結果は知らないままに放映日を迎えることが出来て良かった。放映権問題に関しては、昨日のコメント欄と自らの日記(フジテレビを罵倒しているアホどもへ)内でid:tragedyさんが書いている内容に異存はない。(id:tragedyさんは、俺内3大格闘系ブロガーのひとり。)
僕の地域は素敵なJ-comさんのおかげでスカパーに加入できないのだが、id:tragedyさんはここまでしている。

スカパーに関しては私の家もアパートの関係で入れられなかったので、全額出資して友人宅に設置してもらい、PPV代も折半してみさせてもらってます。

その上、「3件ほどあった所用を時間をかけて全て排除し、万全の体制を敷いて決勝戦を迎え」られたというのだから、返す言葉もない。確かに、この試合はそれくらいの投資や労力に見合う素晴らしい内容だった。すごい試合だ。強い。鳥肌たった! 次は僕も秋葉原でふしぎな機械を買ってきて研究したりしようかとも思うが、これ以上の内容ってもうないんじゃないだろうか。ハロプロでいうと『ALL FOR ONE & ONE FOR ALL』くらいの“最終回感”にあふれた内容だった。

PRIDE地上波問題

2005年8月30日 火曜日

 久しぶりにキレちまったよ…。屋上行こうか…。

 さる日曜日、とうとうPRIDEヘビー級頂上決戦・ミルコvsヒョードル戦が実現されました。かねてより人類最強の呼び声の高かった二人が、竜虎が相討つときがやってきたのです!

 と言ってもTVで放映するのはなんと3日後。それまで必死で情報を遮断して、ネタバレしそうな日記は読まないことにして、ポータルサイトのトップページも見ないようにして月火を乗り切るつもりでした。

 そしたら昨日の帰り、ホームでスポーツ新聞読んでるやつがドーンと見出しをこっちに向けてて、それがまた1面のドでかい文字だったもんだから、読むまでもなく結果が脳に焼き付けられてしまいました。

 瞬間、全身の血が逆流して、思わずそいつを線路に叩き落しそうになりました。危うく思いとどまって、戦慄の左ハイからダウンをとったところにガツンガツンとパウンドを入れたり、もしませんでしたが、もしやっていたとしても裁判では情状酌量されていたと思います。それくらいこの犯罪的行為は許しがたい。

 キオスクのスポーツ新聞の前には、見出しだけをペラっと書いた紙が下がってるけど、あれは一体なんのメリットがあって、だれが喜ぶんでしょうか。ミルxヒョー戦の結果“だけ”を知りたいやつなんているのか。若者の話題についていきたいオッサンとかでしょうか。(で職場で「いやぁ、昨日のケーワン、○○が勝ったんだってねぇ」とか言ってしまって回復不能の恨みを買うハゲ上司)

 いや、結果が早く知りたいならスカパー入れ、という論調は分かりますよ(スカパーはその日のうちに放映される)。資本主義社会ですからね。でも、スカパーに入れない地区の人間はどうすればいいんですか? 会場に見に行けってことですか。

 すでに、サッカーや相撲と並ぶくらいの国民的関心事となったPRIDEは、そのメジャースポーツとしての自覚に欠けるような気がします。スカパーの優位性は、全ての試合がフルで見られる、とかCMがない、とかの面で充分な気がするのですがいかがでしょうか。

 せめて他の試合の結果までは知らなかったのがせめてもの救いだけど…。あ、だからってコメント欄にネタバレしないてくださいよ! 本当に! これは熱湯コマーシャルで竜ちゃんが「押すなよ?押すなよ?」と言ってるのとはワケが違いますので、本当に書かないでください!—–

締め切り迫る

2005年8月29日 月曜日

 スターウォーズ(SW)公開年といえば、おなじみのペプシキャンペーンですが、SWが今年で最後なので、ペプシのSWキャンペーンもこれで最後!

 の割には今ひとつボトルキャップを集め切れなかったんですが、今回はボトルキャップのコレクションステージを入手したいと思います。これは、応募券とマニーがあればもれなくもらえるという、全プレ…というか普通に販売ですねこれ。

 で、これ締め切りが8月31日(消印有効)なので、応募する気があるけど保留してる人(僕です)は早くしたほうがいいですよ、と。いうわけでこれから応募用紙を作るので、今日はこれで失礼します。

 でも結局、なんだかんだでまたSWキャンペーンはありそうな気がする。SW自体の展開もあるだろうし。なんたってこの星は資本主義社会ですから。

参照:PEPSIキャンペーン公式サイト—–

東京湾納涼船

2005年8月28日 日曜日

 東京湾納涼船に乗ってきた。この船は、約2時間をかけ、豪華客船で飲み食いしつつ東京湾をクルージングする、希望の船である。

 桟橋は「今日は村祭りでもあるだべか?」というくらいの、日曜の竹下通り的な人数でごった返していたが、一応全部収容できてしまったのだから、相当キャパシティの大きい船である。中は5層からなっており、各層で限定ジャンケン…じゃない、限定フードが売られており、そこかしこに生ビールの配布所がある(参照)。 最初は買うのかと思って、ビールを注がれた紙コップを持ってしばらく待ってしまったが、すでに飲み放題の乗船キップを買っているなのでここではもう払う必要はないのであった。それでも、なんだかビールをただで飲んでいるような気がして楽しい。ビール係は、分速7杯くらいで生ビールをタップで注ぎ続けていたが、それでも常にはけるくらいだった。

 この公式サイトでも、チラシでも、『ゆかたダンサーズ2005 プロフィール』なるシロモノがひとつの目玉として扱われている。船内でもいたるところでアピールされている。

 ゆかたダンサーズ…。なんだそりゃ? 祭りの季節になったから、近所のギャルちゃんがパラパラなんぞをやっているのか? と思っていた。正直ナメていた。実際のゆかたダンサーズは、武富士ダンサーズレベルに訓練されたジャズダンスを披露する、プロフェッショナルのダンサーズだった。

 なかでも、たまたま我々サイドにいた、出番前の“ともちゃん”こと大西智美クンに「がんばってくださいね!」「名前は!」「握手してください!」と応援しまくって“認識”されたので、ステージが始まってからも“爆レス”を返しまくってもらえて楽しかった。向こうもこんなに推された経験はないと思う。

 さらには途中、『涙の太陽』や『恋のダンスサイト』がかかったので、我々ヒートアップ。同行者の中に複数のハロプロヲタがおり、OADや直下式ロマンスや推しジャンプを華麗に決めて、周囲からプギャーの視線とともちゃんの爆レスを独り占めしていた。普段、ヲタ芸がなんだ現場がなんだと批判しつづけている僕であるが、これはこれで非常に完成された応援様式である、というかこれも一つのダンスであることよ、と思った夏の宵でした。—–

失われなかった10年

2005年8月27日 土曜日

 10年前、あなたは何をしていましたか? えーっと僕は高校生で、当時…う、うわぁぁーーっ!(思春期のブラックボックスを開けてしまった)

 先日、IEが誕生10周年を迎えたそうです。そうか、もうそんなになるんですね。10年前といえばインターネットが一般層に普及する原動力となったWi95のリリース、そしてIEの誕生があったわけですね。でも現在僕が使っているのは非IEのタブブラウザですし、IEのシェアは年々低下しつつあるそうです。それでもIEがなければ僕はこうして文章を書くこともなかったでしょうし、サイトがなければ今の生活はなかったと思います。

 そしてもう一つ10周年を迎えたものがあります。テレホーダイです。これは、夜の11時から朝の8時までの電話回線使用料を定額にするという、悪魔のコースでした。6年前の僕は、夜な夜な11時になるのを待って、10時57分くらいからダイヤルアップをして(11時になった瞬間つながりにくくなるから)、チャットルームに接続したりしていたものです。というか、本当にこのシステムは非道い。テレホーダイで連日夜更かしや徹夜をすることによって、当時の僕らがこうむった健康被害、経済的損失は計り知れないものがあります! あと5年あんな状況が続いていたら、訴訟問題になっていたと思います!

 そんなこんなで、もうすぐ5周年になる(もうすぐですから、まだお祝いしないでくださいね!)九十九式の来し方行く末を思いながら、昨日はひとりBARでローズバンク20年を飲んでいました。酒なんて15年を越えれば大抵うまくなるものですが、これは本当にうまかった。口に含んだ瞬間、花のような香りがふわっと開いて、舌先には痺れるような甘さ。そしてミドルノートはフレッシュでドライ、余韻はあくまでスムース…。九十九式も15年後はこんな風になれるでしょうか…。(続けてるつもりかよ!っていう)

(参照URL:九十九式:ブログがあなたの人生を輝かせる
ITmediaニュース:IEの10周年に思う“もしも” (1/2)
スラッシュドット ジャパン | テレホーダイ 開始 10周年
NTT東日本:バーチャルショップ テレホーダイ【料金 割引サービス(定額)】

こうすれば長文を読んでもらえる

2005年8月26日 金曜日

 今週は久しぶりに思いっきり日記を書きまくった。毎日1500字以上書いて、全4部作になってしまったけど、多くの人に読んでいただけたようで、感謝することしきりである。

 ところが、インターネットユーザーは、全てのページをチラリと見る(ブラウズ)だけだから、ブログに長文は適さないという指摘がある。
 最近の人気ページで見つけたこの記事では、そんな気まぐれな読者に読んでもらうためには箇条書きが良いと説いている。(→他人の不幸は蜜の味: 「書くのが好きな人」のブログの落とし穴)確かにこれはとても有効な手法だ。

 例えば、同じく人気記事でもこのコラム指南のようなページは、よほどのことがない限り読みたくない。
(→コラム: 意見を述べるということ
 このコラムでは、内容に到達する以前にほとんどのユーザーが回れ右をするだろう。意見を述べる以前の問題である。

 でも、長文でも読んでもらえる場合がある。よほどのことを作り出せばいいのだ。箇条書きは確かに読みやすいけど、基本的に情報しか伝えられない。読み手と書き手が本当にキモチヨクなるためには、やはり長文ではないだろうか。

見た目

・見やすく整形されている。
 まず、CSSで適度な行間を設定する、適度な幅で折り返すなどして、視覚的に読みやすくする工夫があげられる。新聞が細かくブロック分けされているのも、この読みやすくする工夫のひとつだ。
僕の感覚では、文字は11~13px、ラインハイトは140~160%、幅は400~600px程度だと読みやすい。段落分けは、紙に書くときよりも多めにする。3~4で次の段落に移ったほうが“長文圧迫感”が減る。それでも長くなったら次のレベルの段落分け、つまり次の日に引いてしまうのも手だろう。『マジでグリーンの人になった』シリーズでは、さらに本編を4つに分けた。参考までに、この記事を読みづらく書いてみた。(こうすると長文を読んでもらえない!

内容

・読むとトクをする。
 これを言ってしまうと実も蓋もないんだけど、結局のところ中身が面白ければ読んでもらえる。ただし、オチまで読まないと全く面白くないのでは、やはり読まれずに終わってしまうかもしれない。長文を読むのは、時間がかかる。といってもせいぜいブログの長文なんて長くても4000字程度。5分や10分もあれば読める。それでもネット人は1分1秒1バイトでも無駄にしたくないものなので、常に「読んだらいいことがあるのか」と猜疑の目で見ている。「笑える」「泣ける」「勉強になる」など、何でもいいが、その長文を読めば読んだだけの「いいこと」がないと読みたくないのだ。極端な話、「記事内のキーワードを集めて送ったらもれなく500はてなポイントあげます!」とかやれば、沢山の人が読んでくれるだろう。

・タイトルや書き出しで引き込まれる。
 しかし、どんな文章でも、最後まで読んでもらうためには、タイトルや冒頭部分に読者をひきつけるための工夫が必要になってくる。ブログでは特に、タイトルバーに記事タイトルが表示されたり、はてなブックマークでクリップされたりする機会が多いので、タイトルは需要である。例えば、モテ・非モテの議論に参加したとして、

「九十九式:最近思ったんだけど」とか
「九十九式:Hedgehog’s Dilemma」
 とかのタイトルより、
「九十九式:だからオマエラはモテないのだ」
「九十九式:あなたがモテない5つの理由」
 とかのほうが、同じ内容でもクリック率は格段に上がるはずである。

 あとは冒頭で昨日の日記の続きをダラダラ書いたり、挨拶が長すぎたりしないようにする。そもそも長文を読ませたいわけだから、余分なところは極力省くようにする。

信用

・権威付けがなされている。
 内容のところで、読むとトクをする、と書いたが、それがどういうトクなのか、本当にトクをするのかの保証がないとやっぱり読んでもらえない。それが信用、ある種の権威付けである。具体的には、はてなブックマークで多くの人がブックマークしている、有名サイトや、友人が面白いと言っている、そのサイトがいつもいい文章を書いていることを知っている、などである。

 ちなみにここまで文章で約1200文字、大体原稿用紙3枚程度である。中文といったところだろうか。お昼休みにサクッと読むならこのくらいの分量が適切かと思われるのだが、いかがだろうか。や、ギリギリか。

こうすると長文を読んでもらえない!

2005年8月26日 金曜日

(注:この記事は『こうすれば長文を読んでもらえる』の参考資料です)

今週は久しぶりに思いっきり日記を書きまくった。毎日1500字以上書いて、全4部作になってしまったけど、多くの人に読んでいただけたようで、感謝することしきりである。ところが、インターネットユーザーは、全てのページをチラリと見る(ブラウズ)だけだから、ブログに長文は適さないという指摘がある。最近の人気ページで見つけたこの記事では、そんな気まぐれな読者に読んでもらうためには箇条書きが良いと説いている。(→他人の不幸は蜜の味: 「書くのが好きな人」のブログの落とし穴)確かに、同じく人気記事でもこのコラム指南のようなページは、よほどのことがない限り読みたくない。(→コラム: 意見を述べるということ)このコラムでは、内容に到達する以前にほとんどのユーザーが回れ右をするだろう。意見を述べる以前の問題である。でも、長文でも読んでもらえる場合がある。よほどのことを作り出せばいいのだ。箇条書きは確かに読みやすいけど、基本的に情報しか伝えられない。読み手と書き手が本当にキモチヨクなるためには、やはり長文ではないだろうか。

まず見た目が見やすく整形されている。CSSで適度な行間を設定する、適度な幅で折り返すなどして、視覚的に読みやすくする工夫があげられる。新聞が細かくブロック分けされているのも、この読みやすくする工夫のひとつだ。僕の感覚では、文字は11~13px、ラインハイトは140~160%、幅は400~600px程度だと読みやすい。段落分けは、紙に書くときよりも多めにする。3~4で次の段落に移ったほうが“長文圧迫感”が減る。それでも長くなったら次のレベルの段落分け、つまり次の日に引いてしまうのも手だろう。『マジでグリーンの人になった』シリーズでは、さらに本編を4つに分けた。

内容に関していえば、読むとトクをすること。これを言ってしまうと実も蓋もないんだけど、結局のところ中身が面白ければ読んでもらえる。ただし、オチまで読まないと全く面白くないのでは、やはり読まれずに終わってしまうかもしれない。長文を読むのは、時間がかかる。といってもせいぜいブログの長文なんて長くても4000字程度。5分や10分もあれば読める。それでもネット人は1分1秒1バイトでも無駄にしたくないものなので、常に「読んだらいいことがあるのか」と猜疑の目で見ている。「笑える」「泣ける」「勉強になる」など、何でもいいが、その長文を読めば読んだだけの「いいこと」がないと読みたくないのだ。極端な話、「記事内のキーワードを集めて送ったらもれなく500はてなポイント送信」とかやれば、沢山の人が読んでくれるだろう。

 そこで、タイトルや冒頭部分に、読者をひきつけるための工夫が必要になってくる。ブログでは特に、タイトルバーに記事タイトルが表示されたり、はてなブックマークでクリップされたりする機会が多いので、タイトルは需要である。例えば、モテ・非モテの議論に参加したとして、「九十九式:最近思ったんだけど」とか「九十九式:Hedgehog’s Dilemma」とかのタイトルより、「九十九式:だからオマエラはモテないのだ」「九十九式:あなたがモテない5つの理由」 とかのほうが、同じ内容でも、例えばソーシャルブックマークされたときのクリック率は格段に上がるはずである。あとは冒頭で昨日の日記の続きをダラダラ書いたり、挨拶が長すぎたりしないようにする。そもそも長文を読ませたいわけだから、余分なところは極力省くようにする。

最後に権威付けがなされていること。内容のところで、読むとトクをする、と書いたが、それがどういうトクなのか、本当にトクをするのかの保証がないとやっぱり読んでもらえない。それが信用、ある種の権威付けである。具体的には、はてなブックマークで多くの人がブックマークしている、有名サイトや、友人が面白いと言っている、そのサイトがいつもいい文章を書いていることを知っている、などである。

 ちなみにここまで文章で約1200文字、大体原稿用紙3枚程度である。中文といったところだろうか。お昼休みにサクッと読むならこのくらいの分量が適切かと思われるのだが、いかがだろうか。

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マジでグリーンの人になった(4)(終)

2005年8月25日 木曜日

1話 / 2話 / 3話 / 4話
(あらすじ:マジレンジャーショーに出演した宮本。馴れないステージに戸惑うまま、全くいいところなしで午前の部は終わった。自信を喪失して打ちひしがれる宮本。しかし、まだグリーンのことを信じている子供がいるのだった。あと1時間で午後の部が始まるが… )

勇気の証

 改めて午前の部のビデオを見返して見ると、俺はステージ上でぼんやりしているだけではなかった。俺の演じるグリーンは、自分が敵と戦うところ以外では、ただ出番を待っているだけなのだ。
 兄弟がやられているのに、自分の出番じゃないときはただただ眺めていた。自分がやられているときに、レッドが助けに来ると、「あ、俺の出番終わりだ良かった」と明らかにホッとしていた。子供たちがガッカリしたのは、本当はグリーンが弱かったからじゃない。

 ヒーローとして大事なものを、俺が完全に忘れていたからだった。

 あの子にそれを教えられた気がした。まだ俺のことを信じて待っている子供がいるんだ。例えひとりだけでもいい。落ち込んでる場合じゃないだろう、宮本! 俺は心の中で、緑の少年に誓った。グリーンはきっと活躍するぞ!

 ヒーローにとって大事なのは、バク転だけじゃない。経験でもない。真に必要なのは子供を決して裏切らない心だ。 それともう一つ。

 立ち上がった俺の耳に、会場BGMで流れているマジレンジャーの主題歌が聞こえてきた。

「魔法…それは聖なる力!
 魔法…それは未知への冒険!!
 魔法…そしてそれは、勇気の証!!!」

 そうだ。このシリーズの主題は、勇気だった! ピンチになったときに、誰かが勇気を発揮すると、天から新しい魔法を授かって難局を打破する、そういう話だったのだ。
 かつて本物のグリーンも、一度は自信を喪失したことがあった。(21話)しかし、勇気を出して、兄弟をかばってマンモスの前に飛び出し、自信と魔法を取り戻したのだった。

 俺も…俺もやるぞ! …何を?

 ヒーローを

 俺は勇気と決意を胸に、天幕の中にいるブランケン様に会いに行った。
「お願いします!もう一度、手を教えてください!」

信じてフューチャー!

 午後の部が始まった。確かに回りは俺より経験も技量もある人たちだけど、一旦変身したら、俺は長兄、マジグリーンなんだ。
 そう思えるようになると、今度は体が動いた。ブランケンの動きが、見えた。剣を受け止める。やられている芳香を助ける。ブランケンの手をはねのけ、蹴られてもすぐに身構える。会場の子供たちを助ける。

 そして後半の山場が来た。ブランケンとマジレッドが、一騎打ちしながら2人とも姿を消す。そこに現われた冥獣と、レッドをのぞいた4人が戦うシーンだ。冥獣の圧倒的な力に阻まれ、ピンチに陥る4人。そこにレッドが助けに来るというシナリオである。

「グフォフォフォ…貴様らの力は、こんなものか!」
 冥獣の前に打ち倒された3人を見て、俺の体は自然と兄弟をかばって前に出ていた。
「貴様…!?」
「うおぉーーーーっ!」
 こんな雄たけびは台本にないし、マイクもないから客席には聞こえない。聞こえたかもしれないけど、どちらでもいい。俺は兄弟を守りたかったし、冥獣は強敵で、子供たちの声援が聞こえていた。
 俺はとうとうマジでグリーンになった。

 冥獣がまさに爪を振り下ろそうとするところを、レッドの魔法が直撃した。
 ズバーン!
「大丈夫か、兄ちゃん!」
「カイ!」
「みんな、あきらめちゃダメだ! 母さんの言ってた言葉を思い出すんだ! 勇気があれば魔法が力を与えてくれる!」
「ああ、そうだったなカイ! 今こそ、兄弟5人の勇気を合わせるんだ!」」
「天空聖者よ、我らに力を与えたまえ!」
 5人がそれぞれの武器を頭上に掲げる。
「な、なんだこの光は…!グオオ…!」

「今だ、いくぞみんな!」
「(うおぉーーーっ!)グリーン! マジスティック・アックス!」
「イエロー!マジスティック・ボーガン!」
「ブルー!ピンク!マジスティック・アタック!」
「レッド!マジスティック・ソード!」
ズバァーーーン!
「おのれ…マジレンジャアァァ…!」

 やった! やり切った。子供たちの拍手が、歓声が5人の魔法使いを包んだ。最前列には、あの緑の子供の笑顔があった。お兄ちゃん、約束守ったぜ! 俺はガッツポーズで爆レスを送った。

 楽屋に戻ると、一足先にはけていたブランケン様が待っていた。
「…やりゃぁ出来るじゃねえか。」
 ブランケン様は、ぼそりとそうつぶやくと、握手会の整理のために出て行った。
「あの人が誰かを誉めるなんて、滅多にないことよ!」
 ピンクがそう耳打ちしてくれた。

 休んでいる暇はない。子供たちが待っている。もう一度だけ変身して、最後の握手会だ。
「魔法変身、マージ・マジ・マジーロ!」
 真夏の陽射しの中、マジグリーンになった俺は颯爽と走り出た。

(おわり)

マジでグリーンの人になった(3)

2005年8月24日 水曜日

1話 / 2話 / 3話 / 4話
(あらすじ:マジレンジャーショーに出演する
ことになった宮本。馴れないステージに戸惑うまま、全くいいところなしで午前の部は終わり、握手会が始まるのだった! →第一回 第二回

マジ衣装について

 ショーが終わると、颯爽と走って楽屋テントに駆け込む。変身スーツを着て人前に出ている以上、ステージ上でなくとも常にキビキビと、ヒーロー然とした動きをしていなくてはならないのだ。実際は暑くて倒れそう、というのもある。変身していると、本当に暑い。今日のN市は快晴で、日中の気温は34℃を超えている。Tシャツ一枚でも暑いくらいなのに、ヒーローはものすごく暖かい格好をしている。

 まず、下にスパッツや全身タイツを着ている。これは衣装に汗を染み込ませないためと、下着の線などを見せないためである。その上にナイロン、ポリウレタン製の密封性の高い衣装を着る。背中にチャックのある、ツナギ状のものだ。さらに、面に髪の毛を挟まないための“下面”と呼ばれるマスクをすっぽりとかぶっている。

 そしてフルフェイスの面。頭頂部にちょうつがいがあり、前と後ろで2つに分かれた形状である。中には発泡スチロールのブロックが貼り付けてあり、衝撃吸収と位置固定の役割を果たしている。かぶってみると、思った以上に視界が悪いことに驚く。剣道の面よりも暗く、空手の面よりも息苦しい。早くも酸欠気味だ。

 面の正面に空いた穴を通して見ているため、視界が暗いのはもちろん、見える範囲も相当せまい。自分の正面にたった人間の、鼻の下からみぞおちのあたりまでしか見えない! これで立ち回りをするのだから、並大抵の労苦ではない。

 案の定、未経験の宮本グリーンはほとんど立ち回りが出来ず、ブランケンにどつき回され、転がり、ボロボロの出来だった。戦闘員より弱いグリーンであった

 テントの中で、面だけを取って5分ほどぐったりする。外では衣装を脱いだブランケン様が握手会の客を並ばせている。

「よし、準備できたぞ」
 ブランケン様がレンジャーを呼びにきた。
「待て。変身だけ入れてこう。」
 そういってブランケン様はワイヤレスマイクを手にとると、
「魔法変身!マージ・マジ・マジーロ!」
 と叫んだ。器用な人である。

マジ握手会

 握手会には、250人のちびっこが列をなしていた。最初は立って並んでいたが、メインの客層が4歳くらいなので、威圧感を与えないために片膝をついて握手をすることにした。ずっとしゃがんでいると足が痛くなってくるが、仕方ない。子供とコミュニケートするときは、子供の目線になるべき、というのは俺の持論だ。こども嫌いだけど。

 握手会には、個別ファンの子供が沢山いた。全身を推しカラーで統一している子、なりきりセットで変身している子、お面だけかぶってる子、推しレンのフィギュアを持っている子。そんな中でも、グリーン推しの子が意外と多かった。これがアニキ効果か? 俺はちょっと嬉しくなってとても丁寧に握手をしたが、なぜかグリーン推しの子たちの顔は、一様に曇っている。

「グリーンよグリーン。嬉しくないの?たっくん。」
「…だってよわいんだもん
 俺は冷水を浴びせられたような気がした。そうだ。さっきの俺ときたら、全くいいところがなくて、ピンクやレッドの足を引っ張っていただけだった。

「ほら、グリーンよ。もっと頑張れって言ってあげなさい」
「……。」
 グリーン推しのみんな、すまん。ふがいないお兄ちゃんですまん…!

 握手会の後、第一部と第二部の間の休憩時間に、ブランケン様に謝った。
「すみません、全然手が入ってなくて…」
「俺のところはいいけどよお、お前だけ全然戦ってねえじゃねーか。ちゃんとバトルしろよ」

 ビデオを確認して、ブランケン様の言っていることがわかった。僕が今まで練習していたのはテレビサイズだったため、やられてカメラからフレームアウトした後はぼーっとしてても良かった。しかし、ステージ上はそうはいかない。最大でも9人しか上がらないステージの、主役のうちのひとりなのだ。常に気を張って、目の前に敵がいるときの動きをしていないといけないのだ。モーニング娘の気持ちが少しわかった。俺の演じたグリーンには、TVでの頼もしさやたくましさのカケラもなかった。

 もうダメだ。やっぱりこんなの無茶だったんだ。俺はヒーローなんかになれない。もう帰ろうかな…。午後の部は誰かにかけもちしてもらって…。

 着替えてテントを離れ、弁当にも手をつけずに木陰でひとり打ちひしがれていると、親子連れが通りかかった。子供は緑色の服を着ていた。
「ほら、2回目が始まるまであと1時間もあるんだから。もう帰るわよ?」
「だってグリーンが…」
「グリーンはもう握手もしたじゃない」
「ぜんぜんかっこよくなかったよ」
「だからもう帰ろう。ね?」
きっとおなかがいたかったんだよ。ほんとのマキト兄ちゃんはあんなんじゃないもん!次はきっとかつやくしてくれるよ!!

 俺は泣いた。

(つづく!)
最終話

マジでグリーンの人になった(2)

2005年8月23日 火曜日

1話 / 2話 / 3話 / 4話
(あらすじ:マジレンジャーショーに出演することになった宮本。リハはあっという間に終わり、不安を抱えたままマジ本番のときが来てしまった!→第一回

ショーの台本

 まず、基本的なショーの流れを説明しよう。
 最初に、司会のお姉さんが前説と応援の練習をする。次に、怪人と戦闘員が出てきて、客席の子供を怖がらせる。「よし、地上征服の手始めに、まずはこの会場をぶち壊してくれるわ!」「ゾベルども、子供たちをさらってきて、食ってしまえ!」「グロロロ…」
 戦闘員が会場に散ると、子供たちは本気で怖がる。小さい子は本当に泣き叫ぶ。そこで会場のお姉さんと共にマジレンジャーを呼ぶ。

 ヒーローが2~3人出てくる。しばし戦うと、怪人が退却するので、ヒーローは後を追う。その後、悪ボス(ブランケン等)とヒーロー2~3人出てくる。同じくしばらく戦った後、退却。ここまでが前半。
ちなみに、音声は東Aより貸与される、本物の俳優達の声と曲入りのテープを使用する。よって全国的に地方巡業ではこの台本で行なっているものと思われる。

 ここでのポイントは、前半ではヒーローが全員は揃わないということ。実は、最小構成人数でステージを成立させるために、戦闘員とヒーローのうちの何人かは一人二役なのだ! 今回は、ブルーとイエローと怪人が戦闘員かけもちだった。大変そうだった。

 前半と後半の間に、“お遊び”と称される時間がある。ここでは悪ボスが客いじりや戦闘員とのかけあいなどをして、インターバルの時間をとると同時に、かけもちアクターが裏で“変身”する。ここはテープや台本にない、完全アドリブになるため、悪ボスは経験豊富な人でないと務まらないのだ。

 程よいところで、ステージ上の悪役がまた暴れ始める。するとお姉さんが「大変だよう、みんなっ!マジレンジャーを呼ぼう!? せーのっ!」と煽る。すると子供たちは「マージレンンジャアアアーーーーーーッッ!!!」と渾身の声で叫ぶのだ。「別に自分ひとりくらい黙っててもいいよな」なんて子供はひとりもいない。全員が本当に叫ぶ。ちょう叫ぶ。俺達が本心から必要とされているのだ。ヒーロー冥利に尽きる瞬間である。

「見つけたぞインフェルシアめ!」
「! 貴様らは…!」

ドッギャアーーン!
「うなる大地のエレメント! 緑の魔法使い!マジグリーン!」
「たゆたう水のエレメント、青の魔法使い!マジブルー!」
「走る雷のエレメント!黄色の魔法使い、マジイエロー!」
「ふきゆく風のエレメント!桃色の魔法使い、マジピンク!」
「燃える炎のエレメント!赤の魔法使い、マジレッド!」
「魔法戦隊、マジレンジャー!」
ドォーン!

 決まった! 緑がいつも最初なので本当に緊張した。
 名乗りを上げたあとは、主題歌が流れて勝利モードになる。
「グリーン!マジタウロスアックス!」
「なんとかサンダー!」「なんとかアロー!」
「よし、トドメめだ!ファイヤーソード!」
「おのれ…覚えてろ、マジレンジャー!」

「チェック・メイト!」
「マジにキメたぜ!」
 ここで司会のお姉さんが登場する。
「ありがとうマジレンジャー! みんな、この後はなんとマジレンジャーがみんなと握手をしてくれるよ!」
「10分後まで、会場をパトロールしててね!」
ガッツポーズでうなずくマジレンジャー。しかしもちろんパトロールなどしない。楽屋に直行して、面を取る。子供たちには決して見せられないこの姿。
 だってとにかく暑い。心臓が早鐘のように打っている。全身が燃える炎のエレメントだ。ウルトラマンの活動限界が3分である理由が分かった気がした。これ以上はヤバい。

やられグリーン

 それにしても、決めポーズはなんとか覚えていたものの、案の定立ち回りは全然覚えきれてなかった。絡みは大体ブランケン様とだったんだけど、“左フックをかわされる”“剣で袈裟切りにくるのを交わして左に抜ける”“右に抜ける”“蹴りを出す”“蹴られて吹っ飛ぶ”のうちのどれだったのか全然分からなくなって、右と思ったら左、蹴りと思ったら蹴られで、ことごとくぶつかった。

 ぶつかったときは、容赦なく実際に蹴られた。しかしこれはブランケン様がキレて蹴ったわけではない(キレたかもしれないけど)のだ。蹴るフリを成立させるためには、蹴られる側が“リアクション”をとらないといけないのだ。しかし立ち回りが不完全なうえ、こちらは面をつけていて視界がほとんどない。そこで蹴るフリをしてもフリにしか見えないのである。かくして今日のグリーンは、毎回出てきてはぶつかり、蹴られ、投げられる、全くいいところのないお兄ちゃんになってしまったのだった…。ほとんど戦ってない

つづく!
第3話

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