こうすれば長文を読んでもらえる

2005年8月26日 金曜日

 今週は久しぶりに思いっきり日記を書きまくった。毎日1500字以上書いて、全4部作になってしまったけど、多くの人に読んでいただけたようで、感謝することしきりである。

 ところが、インターネットユーザーは、全てのページをチラリと見る(ブラウズ)だけだから、ブログに長文は適さないという指摘がある。
 最近の人気ページで見つけたこの記事では、そんな気まぐれな読者に読んでもらうためには箇条書きが良いと説いている。(→他人の不幸は蜜の味: 「書くのが好きな人」のブログの落とし穴)確かにこれはとても有効な手法だ。

 例えば、同じく人気記事でもこのコラム指南のようなページは、よほどのことがない限り読みたくない。
(→コラム: 意見を述べるということ
 このコラムでは、内容に到達する以前にほとんどのユーザーが回れ右をするだろう。意見を述べる以前の問題である。

 でも、長文でも読んでもらえる場合がある。よほどのことを作り出せばいいのだ。箇条書きは確かに読みやすいけど、基本的に情報しか伝えられない。読み手と書き手が本当にキモチヨクなるためには、やはり長文ではないだろうか。

見た目

・見やすく整形されている。
 まず、CSSで適度な行間を設定する、適度な幅で折り返すなどして、視覚的に読みやすくする工夫があげられる。新聞が細かくブロック分けされているのも、この読みやすくする工夫のひとつだ。
僕の感覚では、文字は11~13px、ラインハイトは140~160%、幅は400~600px程度だと読みやすい。段落分けは、紙に書くときよりも多めにする。3~4で次の段落に移ったほうが“長文圧迫感”が減る。それでも長くなったら次のレベルの段落分け、つまり次の日に引いてしまうのも手だろう。『マジでグリーンの人になった』シリーズでは、さらに本編を4つに分けた。参考までに、この記事を読みづらく書いてみた。(こうすると長文を読んでもらえない!

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内容

・読むとトクをする。
 これを言ってしまうと実も蓋もないんだけど、結局のところ中身が面白ければ読んでもらえる。ただし、オチまで読まないと全く面白くないのでは、やはり読まれずに終わってしまうかもしれない。長文を読むのは、時間がかかる。といってもせいぜいブログの長文なんて長くても4000字程度。5分や10分もあれば読める。それでもネット人は1分1秒1バイトでも無駄にしたくないものなので、常に「読んだらいいことがあるのか」と猜疑の目で見ている。「笑える」「泣ける」「勉強になる」など、何でもいいが、その長文を読めば読んだだけの「いいこと」がないと読みたくないのだ。極端な話、「記事内のキーワードを集めて送ったらもれなく500はてなポイントあげます!」とかやれば、沢山の人が読んでくれるだろう。

・タイトルや書き出しで引き込まれる。
 しかし、どんな文章でも、最後まで読んでもらうためには、タイトルや冒頭部分に読者をひきつけるための工夫が必要になってくる。ブログでは特に、タイトルバーに記事タイトルが表示されたり、はてなブックマークでクリップされたりする機会が多いので、タイトルは需要である。例えば、モテ・非モテの議論に参加したとして、

「九十九式:最近思ったんだけど」とか
「九十九式:Hedgehog’s Dilemma」
 とかのタイトルより、
「九十九式:だからオマエラはモテないのだ」
「九十九式:あなたがモテない5つの理由」
 とかのほうが、同じ内容でもクリック率は格段に上がるはずである。

 あとは冒頭で昨日の日記の続きをダラダラ書いたり、挨拶が長すぎたりしないようにする。そもそも長文を読ませたいわけだから、余分なところは極力省くようにする。

信用

・権威付けがなされている。
 内容のところで、読むとトクをする、と書いたが、それがどういうトクなのか、本当にトクをするのかの保証がないとやっぱり読んでもらえない。それが信用、ある種の権威付けである。具体的には、はてなブックマークで多くの人がブックマークしている、有名サイトや、友人が面白いと言っている、そのサイトがいつもいい文章を書いていることを知っている、などである。

 ちなみにここまで文章で約1200文字、大体原稿用紙3枚程度である。中文といったところだろうか。お昼休みにサクッと読むならこのくらいの分量が適切かと思われるのだが、いかがだろうか。や、ギリギリか。


この記事の評価は:

うーん…いまいち…ふつうですかなり良い素晴らしい (まだ評価されていません)
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コメント / トラックバック 16 件

  1. 匿名 Says:

    もうちょっと感覚的には短くてもいいかも。
    マジグリーンはおもしろかった。
    今後もヒーローショー頑張ってください。
    子供たちに夢を。

  2. LSTY Says:

     TBどうも。非常に有用な記事だと思います。とても具体的だし、言い出すともっと項目はあるんだろうけど、それが絞り込まれているのがすごく良いなあ、と単純に思いました。

     関係ないですが、TB文字化けしてました。直しましたが、報告まで。

  3. 匿名 Says:

    章に分けられていて、それぞれに適切な見出しがあると僕は読み易いです。

  4. lsty Says:

    この人頭良いですね、コンサルティングをビジネスにできる程度に。

  5. fellows Says:

    上手い。

  6. kanimaster Says:

    上手いなあ。

  7. hejihogu Says:

    うまい見せ方だなー。

  8. hmmm Says:

    なるほど。(でもまあ、長文書かないからいいや。)

  9. denken Says:

    あんまり読まれてほしくないエントリをあえて長文にするというメソッドを思いついた(謎

  10. まなめ Says:

    はじめまして。
    「読むとトクをする」ってインターネット文化ですよね。昔から、ネットで買うと安いってのがネットでモノを売るときの決まり文句で、でも本当はシステムを構築するのに莫大なお金がかかるために失敗していったように。
    私は、2スクロールまでが限界です。この長さがギリギリといったところでしょうか。小見出しで段落分けされてる記事はあまり好きじゃありません。小見出しとまとめしか読みませんね。
    私は「タイトル」と「最初の一文」が重要だと思ってます。

  11. 匿名 Says:

    確かに、下の記事は目が滑って読むのを拒否してしまいました(汗
    新着ブログのタイトルに「ひまだ?」とか日々のつぶやき」とかあっても絶対に読みません。
    いかにもつまらなさそうだ、としか思えないからです。
    縦に二週間分とか、果ては1ヶ月分をずらーっとスクロールさせるところも途中でやめます。
    ところで明日は日曜ですが、また次にマジグリーンになった報告を楽しみにしています!

  12. kommunity Says:

    参考用

  13. setamise Says:

    ★☆☆、CSSに関する言及は読み返すこと。

  14. 宮本 Says:

    >>1
    そうですねー。これでギリギリの長さ、にちょっと足が出てるくらいかな、というところかもしれません。というか後からちょっと書き足して膨らんでしまった。

    >>lstyさん
    Bloggerには現在TBは実装されておらず、海外サービス(文字コードUTF-8)を使用しているため、大抵の場合華麗に文字化けするので、基本的にはTB送らない方針なのです。すみません。
    でも確かにlstyさんの記事がきっかけとなって「じゃどうすれば読んでもらえるかな?」と書いたものなので、ありがとうございました。

    >>3
    そうですね。小見出しは有効で大切だと思います。

    >>まなめさん
    はじめまして。この場合の「トクをする」は金銭的なそれに限った話ではなくて、読んだことによって何らかのメリットがある状態、ということですが、でもそうですね。
    小見出しメソッドは、読みやすくするかわりに、というかその読みやすさは「見出しとまとめだけ読めばわかる」状態でもあるのが難しいところですね。

    >>5
    ヒマとかつぶやきとかつれづれとか愚痴とかロクなもんじゃないですからね。本当につまらない内容か、つまらないと批判されたときのエクスキューズか、の2つのケースしかないので、読まなくて正解だと思います。
    ヒーローは、もうちょっと涼しくなってからやろうと思います……。

  15. dacho_rider Says:

    星の数ほどあるネット上の記事、エントリーの中で、「パッと見」で読みたいと思わせるなら、やはりタイトルと一行目だと思う。特にタイトルは重要視すべき。ということを久しぶりに思い出した。

  16. ssktime Says:

    先にこっちを読んで

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