マジでグリーンの人になった(1)

2005年8月22日 月曜日

1話 / 2話 / 3話 / 4話

魔法変身!

 スタントマンとして修行を積んできた宮本変身体は、とうとうヒーローショーに出演することになったのだった! というのも、3月に会社をひとり解散総辞職(キャラ&メル解散)して暇を持て余していたころ、5月のGWにやってみようかと思ったのがことの始まり。しかし何だかんだで3ヶ月が経ち、夏真っ盛りになってしまった。

 まあしかし夏である。夏のミョーな雰囲気で、つい頷いちゃったんである。俺は本気らしい。20年近く前にヒーローショーを見たのも夏だったような気がする。夏休みの子供たちのいい思い出になれれば幸いである。子供は嫌いだけど。

ヒーロー集合

 さて、ヒーローの朝は早い。12時に地方都市でショーを始めるために、5時起き、7時事務所集合、9時到着だ。事務所前には、まだ朝の7時なのに20人くらいの人でごった返していた。みんな中の人だ。「プリキュアショー出る人はこっちでーす」「マジレン○○方面集まってー」ここから各地のショーに出撃していくのだ。

 ブルーの姿を見つけて挨拶をする。ブルーは、スタントチームで一緒に練習していた仲で、小学生の頃からアクションをやり、高校生からショーに出演しているスタントエリートである。
「まあ今日はがんばってください」
 ちなみにこのブルーは男。戦隊もののスタントでは、細身で小柄の男が女性をやることも多い。ここでブルーから、共演者を紹介される。

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・登場人物
グリーン…宮本。テキストサイト・ブログ界初の職業スタントマン。
ピンク…30代の女性。変身すると少女の動きになる。
ブルー…スタントエリート。まだ19。よく喋る男。
イエロー…18くらいの無口な男。
レッド…20代後半。割とお調子者。
ブランケン…30代。現場を仕切るリーダー。
ミミック…車の怪人。30代。

 というわけで、宮本は年齢的に中間に位置し、お兄ちゃんではないのだけどお兄ちゃんをしなければならないのだった。他に、司会や声、運転を務めるKさん、司会のお姉さんの計7人が、今回の特攻野郎レンジャーチームである。

マジハイエースで移動

「おい、今日の怪人がなんだか見てみようぜ」とブランケン。
 ワゴン車の後ろにはズタ袋がごろごろと転がっている。この中に変身スーツやマジ武器、怪人の皮膚などが詰まっているのかと思うとワクワクする。どうやら集合の段階では、怪人がなんだか決まっていないらしい。というか、どの怪人であってもシナリオは変わらないため、怪人衣装はランダムで割り振られるのだった。
「キノコか?あれ動きづらいんだよな」
「クチよりはマシだろう」とミミックさん。
ブルーが「でもこれ、なんか毛が生えてますよ」と取り出してみると、どうやらそれがミミックであったことが判明した。
「これは良さそうだな!」
むやみと装飾が多いもの、人外の形態のもの、体と頭部が一体化しているものは、不評なようだ。

ブルーが怪人衣装をしまいながら「この前、○○さんがウルトラ系で4足歩行の怪獣やったらしいですよ」と言うと、
「四つんばいでステージ出ていくのはやだなあ」とレッド。
「じゃあ俺、今日は全部背落ちで登場します!」
 そんなブルーとレッドの掛け合い漫才を乗せて、マジハイエースはマジ会場へと向かうのであった。
 ちなみに“背落ち”とは、ヒーローにやられる戦闘員がよくやる、ぐるっと回転してバターンと背中から落ちるやられ方のこと。当然、登場には使わない!
 9人乗りのハイエースは、話しかける糸口をつかめず終始無言の宮本と、無言でMDを聞くイエロー、寝るブランケンとミミック、喋り続けるブルーとレッドを乗せてN市に到着した。畑があったりするが、それなりに開けている地方都市だ。

参考資料、マジレンジャーの冥獣たち
くち
キノコ
タクシー

げんちゃく

 ブルーの話によると、前日に茨城でやったショーは、ステージはないわ日よけはないわカエルや虫がうようよしてるわで大変だったらしい。今回の会場は、7m×5mくらいの意外と立派なステージがあり、屋根も楽屋もちゃんとある。

「じゃ早速、手を付けるか。」
 ブランケンが手を組み立て始めた。“手”とは、立ち回りの一連の動きのことである。
「ここでそっちからグリーンが来て、回って避ける…」
 普段の練習では、立ち回りは人が考えたものを実演してもらいながら覚えて、さらに5回6回と練習している。それがこの現場では、即興の手を口頭で指示され、それを覚えなければならない。途中何箇所か、指示の意味が分からなかったり覚え切れなかったりする不安箇所があったが、どんどん先に進んでしまうのでうやむやになってしまった。何度も聞き返せなかった。だって怖いんだもん、ブランケン様だし…。まぁ、ハケる方向を間違えなければなんとかなるだろう。

 手を返した後は、ポーズの打ち合わせに入る。
「うなる大地のエレメント! (シュバー)緑の魔法使い!(キュピーン)マジグリーン!」
 と大見得を切る、おなじみの戦隊キメポーズである。
「違う、右手はパー。もっと動き大きく!」
 レッドにダメ出しをされながら、カフェのガラスに映してポーズをチェックする。ガラスなので中のお客さんからは丸見えなのだが、仕方がない。
「たゆたう水のエレメント、青の魔法使い!マジブルー!」
「走る雷のエレメント!黄色の魔法使い、マジイエロー!」
「ふきゆく風のエレメント!桃色の魔法使い、マジピンク!」
「燃える炎のエレメント!赤の魔法使い、マジレッド!」
「魔法戦隊、マジレンジャー!」ドォーン!
 全員でポーズを決めると気持ちいい。最低限ここだけ決まってれば問題ないだろう。

 しかし当然問題がありまくりだったことは後に明らかになる。→第2話


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コメント / トラックバック 15 件

  1. 匿名 Says:

    まさかあそこでショッカーの襲撃にあうとは夢にもみなかったよな

  2. Says:

    わくわく。続きはまだかなあ。

  3. nekoprotocol Says:

    ウァ、舞台裏オモシロユス

  4. nonomiracle Says:

    ヒーローの中の人の裏話!もうマジ要チェキ☆

  5. shidho Says:

    地方公演は一箇所に集まってそこから出発。怪人はどれでもストーリーはいっしょ。

  6. K2Da Says:

    ヒーローショーの舞台裏(未完)

  7. rima2005 Says:

    それからそれからー?(ワクワク

  8. ak9 Says:

    マジか!

  9. 宮本 Says:

    >>1
    宇宙怪獣じゃなくて良かったよ

    >>2
    思った以上に分量がふくらんでしまいました。

  10. taigo Says:

    宮本ザ・ニンジャ ヒーローとは 第一話

  11. kaeru-no-tsura Says:

    マジ主題歌CDをお供に読むと臨場感倍増です

  12. yos_piyo Says:

    マジに熱いぜ!

  13. migiri Says:

     マジに熱い連載第1弾。

  14. 真由美小坊主 Says:

    初めまして。
    マジグリーンの方にお目にかかれて光栄です。
    8月15日、那須ファミリー牧場でマジレンジャーショーを観て来ました。
    結構・・・感動しました。アハハ

    これからも頑張ってください。

  15. ScarecrowBone Says:

    マジレンジャーショーの中のひと体験記。お兄ちゃんマジカッコイイ。サボテンブラザーズアーキタイプ。

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