柔道と空手

2005年11月20日 日曜日

 終電間際の電車の中で、喧嘩を見かけた。23くらいの若い男と、40歳くらいで口ひげを生やしてエレキギターを持った男が、つかみ合っていた。

「んだこの野郎!」
ドン!
 お互いが相手をつかんで、体を入れ替えながら相手を壁に激しく叩きつけている。
「テメェ、降りろこの野郎!」
 つかみ合いが始まったのが駅に停車するちょっと前で、40ギターマンが23を引き摺り下ろそうとしていた。23の服がみょーんと伸びていた。
「辞めましょう。ね?ね?」
 良識ある通りすがりがなだめて両者を引き離した。40ギターマンは通りすがりに軽く頷いてそのまま下車して行った。23はその後姿に「ふざけんなジジイ!」「しね!」と悪態をついていた。

 これを見て僕が思ったこと。どうせ喧嘩のきっかけなんて、足を踏んだの肩が触れたのくだらないことだろう。だっせぇなあ。いい大人がそんなことでつかみ合いなんてみっともない。

 しかし、僕がもし当事者だったらどうだろう? おそらくつかんで引っ張って…なんてことをしている間に、いやもしされたら、2、3発打撃を入れてしまいそうな気がする。自衛手段として。

 ただ、打撃技で相手を行動不能にしたときは、たいてい同時に傷害罪に問われる状態である。その点では打撃技に対して組み技は社会的優位にある。警察官が柔道を習うのも、昔の映画で柔道家が正義の味方で、空手家が悪役なのも、その辺りに理由があるのかもしれない。—–

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うーん…いまいち…ふつうですかなり良い素晴らしい (まだ評価されていません)
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コメント / トラックバック 2 件

  1. 匿名 Says:

    いつも楽しく読ませて頂いております。
    私は柔道を少しやっているのですが、受身もできない相手を投げてしまうと、頭でも打って死んでしま(下手なので手加減できない)いそうで、常々空手のほうが実用的だよなあ、と思っていました。
    しかし、空手をやる人からすると、実は違ったのですね。新鮮でした。

  2. 宮本 Says:

    素人を道場外で投げたら死んでしまう可能性は大有りですよ!!
    何を持って「実用的」とするかは場面や解釈によりますけど、例えば「取り押さえる」ことが目的の場合、首投げで転がしてから押さえ込みや関節であまり傷つけずに無抵抗状態にできるのではないか?と妄想するのです。

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