『仮面ライダー響鬼』 30話以降の展開を嘆く

2005年11月27日 日曜日

『仮面ライダー響鬼』は、若手イケメン俳優を主役に起用してライダー同士でバトルをしてきたこれまでの平成ライダーの流れからすると異色の作品だった。

 ヒーローには30代の中堅俳優を起用し、変身しない普通の中学生の視点からストーリーが展開していった。さながら骨太ヒューマンドラマがごとく、少年の成長と主人公との心の交流を描く展開は、僕の心を捉えた。

 しかし、なんだか現場でトラブルがあったらしく、プロデューサーと脚本家が第30話を境にそっくり入れ替わってしまったのだった。
(脚本家日記:たまには響鬼の話など  御報告

 30話まで非常にいい感じで進んでいた『仮面ライダー響鬼』は、31話からを迷走を始める。

 例えば新キャラの“キリヤ”に好感を持ったり感情移入をしたりできる視聴者がどれくらいいることだろう。わざといけ好かない性格設定をしてあるにしても、非道すぎる。「明日夢にライバルが出現したら締まるんじゃん?」くらいの安易な発想で付け足されたキャラクターにしか思えない。しかも演技力は最低ランク。

 そこへ来て、あきらが鬼への道を断念してしまった。これは実に象徴的なエピソードに思える。あきらというキャラクター、イブキとの師弟関係は、前半の『仮面ライダー響鬼』をある意味で象徴するような性格を持っていた。新プロデューサーと脚本家は、そのあきらを排除し、自分達の創作したキャラクターを挿入することによって、前任者のカラーを払拭しようとしたのではなかろうか。

 思えば、あきらも最初はツンツンして嫌なイメージのキャラクターだった。しかしそれも時間をかけて、やっと薄い笑顔を見せて主人公と打ち解けるようになり(綾波メソッド)、視聴者もあきらを受け入れることができるようになったのだ。可愛い女子中・高校生のあきらにしてからが時間をかけているのに、生意気な男がそう簡単に受け入れられるわけがない。男のツンデレなど、害悪以外の何者でもない。

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 それなのに、イブキに「あの二人を弟子にしてあげてください。二人のやる気は本物だと思います!」などと言わせる脚本。明日夢はともかく、キリヤに対して彼らからそんなセリフは出てくるものだろうか。

 少年と主人公との触れ合いは、もっとじっくり描いていって欲しかった。最終回でようやく弟子入りするくらいの展開でも良かったのではないか。


この記事の評価は:

うーん…いまいち…ふつうですかなり良い素晴らしい (4 投票, 平均値/最大値: 3.00 / 5)
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コメント / トラックバック 10 件

  1. sin5 Says:

    確かに、今回の話のあきらの言動は変に感じた。

  2. gensouyugi Says:

    僕の言いたい事がここに書かれていますなあ(苦笑) しかしキリヤ君がツンデレなんて僕は認めない

  3. 匿名 Says:

    こんばんは、
    いつも楽しく読ませていただいております。

    平成版仮面ライダーは私も欠かさず見ています。(旧ライダー世代ではないです)
    キリヤ登場以降の響鬼に失望したミヤモトさんのお気持ちも判ります。

    「響鬼の展開に失望」
    「井上脚本は駄目」
    「桐矢最悪」

    響鬼をレビューしてるサイトでもこのような否定的な意見は多いです。

    しかし
    ?30話に至るまでに既に制作費予算をオーバーしていた。(地方ロケが例年になく多かった。)
    ?ストーリーを重視した話のテンポの遅さから本来の視聴者であるべき低年齢層からの支持が得られなかった。(シンプルな展開のマジレンジャーは支持されたが響鬼はそうではなかった。)
    ?玩具が売れなかった。(商業展開の失敗。よってアームドセイバーやザンキさん復帰等のテコ入れをせざるを得なかった。)

    以上も事実であり、プロデューサーと脚本家の交代、番組の路線変更も止むを得なかったのでは?と私は思っています。

    以上について改めてミヤモトさんのご見解を頂けますと幸いです。
    乱筆乱文、失礼致しました。では。

  4. 匿名 Says:

    >>“イケメンライダーが骨肉の争いをする”系の、奥様に媚びた路線が続いた

    キモヲタ童貞に媚びたアニメもおおいですなぁ。

  5. 千田 Says:

    どうも。
    記事中で「プロデューサー日記」としてリンクが貼られているページは、脚本家、きだつよし氏の日記ページだと思うのですが、如何でしょうか。

  6. 赤男 Says:

    >前任者の管理のズサンさによる現状というのはみんな理解しているでしょう
    >しかしそんなもの関係なく、
    >単純に今流されてる作品が
    >「ツマラナイ」
    >ただそれだけです

    前任者がきちんと作っていればそのツマラナイ作品を
    作る連中が招聘される事もなかったのです。
    今回の問題での1番の責任者は、作品を守る事の出来なかった前任P
    (もちろんきだ氏ではありません)ではないでしょうか。

    ちなみに、その前任Pは2話の時点で当初予定していた
    明日夢弟子入り路線を放棄した張本人です。
    弟子入り展開を前任Pが放棄していなければ、
    桐矢を出すことなく、あきらを目標なりライバルなりにして
    明日夢の鬼の弟子としての成長を描けていたと思います。

    それと、あきらの無表情さは単に演じる秋山奈々の演技力の拙さが
    原因と思われます。あきらをツンデレ天才キャラと考えるなら、
    キャラ的には綾波よりアスカの方に近くありませんか?

  7. RRR Says:

    通りすがりのものですが一言

    前任者の管理のズサンさによる現状というのはみんな理解しているでしょう
    しかしそんなもの関係なく、
    単純に今流されてる作品が
    「ツマラナイ」
    ただそれだけです

  8. 匿名 Says:

    >骨太ヒューマンドラマだった
    !?

  9. 匿名 Says:

    結局管理人さんの返答は無しですか・・・。
    お忙しいのでしたら仕方ないですね。
    とりあえず、もう響鬼観るのやめたらいいんじゃないですかね・・・では。

  10. 匿名 Says:

    名前を言ってはいけないあの人=井上敏樹

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