2005-08-31

[fight] PRIDE GP 2005決勝戦

 2005年、夏の終わりに、世界一熱い祭りがスーパーアリーナで行なわれた。それはまさに「人類最強」を決めるにふさわしい祭りだった。

ミルコvsヒョードル

 ヒョードルが強すぎる。あれはちょっともう、違う次元にいるというか皇帝というか、存在自体が反則というか、「60億分の1」と呼ばれるに値する強さだった。(ヒョードルさんってさぁ・・・なんかそこら辺の選手と匂い違いますよね・・・。)格闘ゲームのキャラだったら、間違いなく使うと相手に文句を言われるキャラだ。

 対戦前の煽りVでは、基本的にミルコがヒーロー、ヒョードルがヒールで扱われていた。日本人は、「やられても立ち上がる不屈のヒーロー」が好きだ。かつてのアンディ・フグのように、ミルコも大事な一戦を落としたり、不調の時期があったりして、結局KでもPRIDEでも、ひとつもタイトルをとっていない。そんなミルコが数年越しでとうとうつかんだ最強への切符。しかしそこに立ちはだかるのは史上最強の王者、という構図だ。もともとミルコもヒールっぽいイメージだったような気がするが、確かにヒョードルのたたずまいはあまりにも「ラスボス」すぎる。
 これがハリウッド映画ならば、起死回生の逆転ハイキックでミルコが勝利して終わるところだろうが、現実はそう甘くはない。

 今だから言うわけではないが、結果は予想通りだった。打撃専門で、ムラのあるミルコよりも、オールラウンダーで無敗のヒョードルの方が総合的に勝っていると思ったからだ。
しかし、あそこまでの差がついているとは思わなかった。戦前の予想では、スタンディングではミルコ有利、グラウンドではヒョードル有利、などと言われていたが、蓋を開けてみれば打撃でも寝技でも終始ヒョードルがミルコを圧倒していた。

 ストレートとキックが主体なので距離をとりたいミルコ、フックを当てたいので距離を詰めるヒョードル、という組み合わせなので、ヒョードルが前に出てミルコが下がる展開になるのは当たり前としても、ヒョードルが無造作に前に出て行くだけで、ミルコは次第に追い詰められていった。

 ミルコのミドルキックは何度かジャストミートしたし、ワンツーが決まってヒョードルの膝が揺れるシーンもあった。しかし、ヒョードルは動じなかった。1Rで足がすべったのがミルコの不幸だとしても、ミルコがヒョードルをしとめるチャンスは少なかった。

 絶対王者と謳われたシウバにも敗北があったように、「ロシアン・ラスト・エンペラー」ヒョードルにも敗北のときが来るのだろうか? 今は対抗できそうな人間が全く見当たらない。別格だ。




シュートボクセvsブラジリアントップチーム

 PRIDE絶対王者としてミドル級に君臨しつづけた怪物、ヴァンダレイ・シウバが負けた。相手はヒカルド・アローナ。今回のトーナメントで、日本を代表するPRIDEファイター桜庭を圧殺した男だ。
 シウバのジムであるシュートボクセ(ブラジル)には、現在なぜか桜庭が練習に通っており、日本に向けて出国するシウバに「がんばってください!」と、ヒカルド戦のときにかぶっていた野球帽と、自作の“サクベルト”を渡していた。
 シウバは「桜庭は尊敬できるファイターだ。ヒカルドがあの試合でした卑怯なこと(サミング)は絶対に許せない」とコメントしていた。

 プロレス的には、
「桜庭を汚いやり口で葬ったヒカルドを、敵味方を越えた友情で桜庭と結ばれたシウバが倒す」という構図にしようとしたのだろうか。シウバも悪役だったはずなのに、いつのまにアイドル超人になったのだろうか。

 いざ試合が始まってみると、2人ともかなり熱くなっている。しかしこれは別にシウバが桜庭の件で本当に怒っているわけではない。そんなアングルは不要だ。この2人の対戦はブラジル対決、それもシュートボクセとブラジリアントップチームという、間違いなくブラジル格闘界、いや世界の格闘界の頂点に君臨するジム同士の頂上決定戦なのだ。

 結果はヒカルドの勝利で、シウバも決して絶対者ではないことが証明された。しかしそのヒカルドを、シウバの後輩であるマウリシオ・ショーグンが撃破して優勝したわけで、結局シュートボクセの優位はゆるがないのだった。


 厳しい情報統制をしいた結果、ミドル級トーナメントの結果は知らないままに放映日を迎えることが出来て良かった。放映権問題に関しては、昨日のコメント欄と自らの日記(フジテレビを罵倒しているアホどもへ)内でid:tragedyさんが書いている内容に異存はない。(id:tragedyさんは、俺内3大格闘系ブロガーのひとり。)
僕の地域は素敵なJ-comさんのおかげでスカパーに加入できないのだが、id:tragedyさんはここまでしている。
スカパーに関しては私の家もアパートの関係で入れられなかったので、全額出資して友人宅に設置してもらい、PPV代も折半してみさせてもらってます。
その上、「3件ほどあった所用を時間をかけて全て排除し、万全の体制を敷いて決勝戦を迎え」られたというのだから、返す言葉もない。確かに、この試合はそれくらいの投資や労力に見合う素晴らしい内容だった。すごい試合だ。強い。鳥肌たった! 次は僕も秋葉原でふしぎな機械を買ってきて研究したりしようかとも思うが、これ以上の内容ってもうないんじゃないだろうか。ハロプロでいうと『ALL FOR ONE & ONE FOR ALL』くらいの“最終回感”にあふれた内容だった。
2005-08-30

[fight] PRIDE地上波問題

 久しぶりにキレちまったよ…。屋上行こうか…。

 さる日曜日、とうとうPRIDEヘビー級頂上決戦・ミルコvsヒョードル戦が実現されました。かねてより人類最強の呼び声の高かった二人が、竜虎が相討つときがやってきたのです!

 と言ってもTVで放映するのはなんと3日後。それまで必死で情報を遮断して、ネタバレしそうな日記は読まないことにして、ポータルサイトのトップページも見ないようにして月火を乗り切るつもりでした。

 そしたら昨日の帰り、ホームでスポーツ新聞読んでるやつがドーンと見出しをこっちに向けてて、それがまた1面のドでかい文字だったもんだから、読むまでもなく結果が脳に焼き付けられてしまいました。

 瞬間、全身の血が逆流して、思わずそいつを線路に叩き落しそうになりました。危うく思いとどまって、戦慄の左ハイからダウンをとったところにガツンガツンとパウンドを入れたり、もしませんでしたが、もしやっていたとしても裁判では情状酌量されていたと思います。それくらいこの犯罪的行為は許しがたい。

 キオスクのスポーツ新聞の前には、見出しだけをペラっと書いた紙が下がってるけど、あれは一体なんのメリットがあって、だれが喜ぶんでしょうか。ミルxヒョー戦の結果“だけ”を知りたいやつなんているのか。若者の話題についていきたいオッサンとかでしょうか。(で職場で「いやぁ、昨日のケーワン、○○が勝ったんだってねぇ」とか言ってしまって回復不能の恨みを買うハゲ上司)

 いや、結果が早く知りたいならスカパー入れ、という論調は分かりますよ(スカパーはその日のうちに放映される)。資本主義社会ですからね。でも、スカパーに入れない地区の人間はどうすればいいんですか? 会場に見に行けってことですか。

 すでに、サッカーや相撲と並ぶくらいの国民的関心事となったPRIDEは、そのメジャースポーツとしての自覚に欠けるような気がします。スカパーの優位性は、全ての試合がフルで見られる、とかCMがない、とかの面で充分な気がするのですがいかがでしょうか。

 せめて他の試合の結果までは知らなかったのがせめてもの救いだけど…。あ、だからってコメント欄にネタバレしないてくださいよ! 本当に! これは熱湯コマーシャルで竜ちゃんが「押すなよ?押すなよ?」と言ってるのとはワケが違いますので、本当に書かないでください!
2005-08-29

[diary] 締め切り迫る

 スターウォーズ(SW)公開年といえば、おなじみのペプシキャンペーンですが、SWが今年で最後なので、ペプシのSWキャンペーンもこれで最後!

 の割には今ひとつボトルキャップを集め切れなかったんですが、今回はボトルキャップのコレクションステージを入手したいと思います。これは、応募券とマニーがあればもれなくもらえるという、全プレ…というか普通に販売ですねこれ。

 で、これ締め切りが8月31日(消印有効)なので、応募する気があるけど保留してる人(僕です)は早くしたほうがいいですよ、と。いうわけでこれから応募用紙を作るので、今日はこれで失礼します。

 でも結局、なんだかんだでまたSWキャンペーンはありそうな気がする。SW自体の展開もあるだろうし。なんたってこの星は資本主義社会ですから。

参照:PEPSIキャンペーン公式サイト
2005-08-28

[diary] 東京湾納涼船

 東京湾納涼船に乗ってきた。この船は、約2時間をかけ、豪華客船で飲み食いしつつ東京湾をクルージングする、希望の船である。

 桟橋は「今日は村祭りでもあるだべか?」というくらいの、日曜の竹下通り的な人数でごった返していたが、一応全部収容できてしまったのだから、相当キャパシティの大きい船である。中は5層からなっており、各層で限定ジャンケン…じゃない、限定フードが売られており、そこかしこに生ビールの配布所がある(参照)。 最初は買うのかと思って、ビールを注がれた紙コップを持ってしばらく待ってしまったが、すでに飲み放題の乗船キップを買っているなのでここではもう払う必要はないのであった。それでも、なんだかビールをただで飲んでいるような気がして楽しい。ビール係は、分速7杯くらいで生ビールをタップで注ぎ続けていたが、それでも常にはけるくらいだった。

 この公式サイトでも、チラシでも、『ゆかたダンサーズ2005 プロフィール』なるシロモノがひとつの目玉として扱われている。船内でもいたるところでアピールされている。

 ゆかたダンサーズ…。なんだそりゃ? 祭りの季節になったから、近所のギャルちゃんがパラパラなんぞをやっているのか? と思っていた。正直ナメていた。実際のゆかたダンサーズは、武富士ダンサーズレベルに訓練されたジャズダンスを披露する、プロフェッショナルのダンサーズだった。

 なかでも、たまたま我々サイドにいた、出番前の“ともちゃん”こと大西智美クンに「がんばってくださいね!」「名前は!」「握手してください!」と応援しまくって“認識”されたので、ステージが始まってからも“爆レス”を返しまくってもらえて楽しかった。向こうもこんなに推された経験はないと思う。

 さらには途中、『涙の太陽』や『恋のダンスサイト』がかかったので、我々ヒートアップ。同行者の中に複数のハロプロヲタがおり、OADや直下式ロマンスや推しジャンプを華麗に決めて、周囲からプギャーの視線とともちゃんの爆レスを独り占めしていた。普段、ヲタ芸がなんだ現場がなんだと批判しつづけている僕であるが、これはこれで非常に完成された応援様式である、というかこれも一つのダンスであることよ、と思った夏の宵でした。
2005-08-27

[net][diary] 失われなかった10年

 10年前、あなたは何をしていましたか? えーっと僕は高校生で、当時…う、うわぁぁーーっ!(思春期のブラックボックスを開けてしまった)

 先日、IEが誕生10周年を迎えたそうです。そうか、もうそんなになるんですね。10年前といえばインターネットが一般層に普及する原動力となったWi95のリリース、そしてIEの誕生があったわけですね。でも現在僕が使っているのは非IEのタブブラウザですし、IEのシェアは年々低下しつつあるそうです。それでもIEがなければ僕はこうして文章を書くこともなかったでしょうし、サイトがなければ今の生活はなかったと思います。

 そしてもう一つ10周年を迎えたものがあります。テレホーダイです。これは、夜の11時から朝の8時までの電話回線使用料を定額にするという、悪魔のコースでした。6年前の僕は、夜な夜な11時になるのを待って、10時57分くらいからダイヤルアップをして(11時になった瞬間つながりにくくなるから)、チャットルームに接続したりしていたものです。というか、本当にこのシステムは非道い。テレホーダイで連日夜更かしや徹夜をすることによって、当時の僕らがこうむった健康被害、経済的損失は計り知れないものがあります! あと5年あんな状況が続いていたら、訴訟問題になっていたと思います!

 そんなこんなで、もうすぐ5周年になる(もうすぐですから、まだお祝いしないでくださいね!)九十九式の来し方行く末を思いながら、昨日はひとりBARでローズバンク20年を飲んでいました。酒なんて15年を越えれば大抵うまくなるものですが、これは本当にうまかった。口に含んだ瞬間、花のような香りがふわっと開いて、舌先には痺れるような甘さ。そしてミドルノートはフレッシュでドライ、余韻はあくまでスムース…。九十九式も15年後はこんな風になれるでしょうか…。(続けてるつもりかよ!っていう)


(参照URL:九十九式:ブログがあなたの人生を輝かせる
ITmediaニュース:IEの10周年に思う“もしも” (1/2)
スラッシュドット ジャパン | テレホーダイ 開始 10周年
NTT東日本:バーチャルショップ テレホーダイ【料金 割引サービス(定額)】
2005-08-26

[blog] こうすれば長文を読んでもらえる

 今週は久しぶりに思いっきり日記を書きまくった。毎日1500字以上書いて、全4部作になってしまったけど、多くの人に読んでいただけたようで、感謝することしきりである。

 ところが、インターネットユーザーは、全てのページをチラリと見る(ブラウズ)だけだから、ブログに長文は適さないという指摘がある。
 最近の人気ページで見つけたこの記事では、そんな気まぐれな読者に読んでもらうためには箇条書きが良いと説いている。(→他人の不幸は蜜の味: 「書くのが好きな人」のブログの落とし穴)確かにこれはとても有効な手法だ。

 例えば、同じく人気記事でもこのコラム指南のようなページは、よほどのことがない限り読みたくない。
(→コラム: 意見を述べるということ
 このコラムでは、内容に到達する以前にほとんどのユーザーが回れ右をするだろう。意見を述べる以前の問題である。

 でも、長文でも読んでもらえる場合がある。よほどのことを作り出せばいいのだ。箇条書きは確かに読みやすいけど、基本的に情報しか伝えられない。読み手と書き手が本当にキモチヨクなるためには、やはり長文ではないだろうか。

見た目

・見やすく整形されている。
 まず、CSSで適度な行間を設定する、適度な幅で折り返すなどして、視覚的に読みやすくする工夫があげられる。新聞が細かくブロック分けされているのも、この読みやすくする工夫のひとつだ。
僕の感覚では、文字は11~13px、ラインハイトは140~160%、幅は400~600px程度だと読みやすい。段落分けは、紙に書くときよりも多めにする。3~4で次の段落に移ったほうが“長文圧迫感”が減る。それでも長くなったら次のレベルの段落分け、つまり次の日に引いてしまうのも手だろう。『マジでグリーンの人になった』シリーズでは、さらに本編を4つに分けた。参考までに、この記事を読みづらく書いてみた。(こうすると長文を読んでもらえない!

内容

・読むとトクをする。
 これを言ってしまうと実も蓋もないんだけど、結局のところ中身が面白ければ読んでもらえる。ただし、オチまで読まないと全く面白くないのでは、やはり読まれずに終わってしまうかもしれない。長文を読むのは、時間がかかる。といってもせいぜいブログの長文なんて長くても4000字程度。5分や10分もあれば読める。それでもネット人は1分1秒1バイトでも無駄にしたくないものなので、常に「読んだらいいことがあるのか」と猜疑の目で見ている。「笑える」「泣ける」「勉強になる」など、何でもいいが、その長文を読めば読んだだけの「いいこと」がないと読みたくないのだ。極端な話、「記事内のキーワードを集めて送ったらもれなく500はてなポイントあげます!」とかやれば、沢山の人が読んでくれるだろう。

・タイトルや書き出しで引き込まれる。
 しかし、どんな文章でも、最後まで読んでもらうためには、タイトルや冒頭部分に読者をひきつけるための工夫が必要になってくる。ブログでは特に、タイトルバーに記事タイトルが表示されたり、はてなブックマークでクリップされたりする機会が多いので、タイトルは需要である。例えば、モテ・非モテの議論に参加したとして、

「九十九式:最近思ったんだけど」とか
「九十九式:Hedgehog's Dilemma」
 とかのタイトルより、
「九十九式:だからオマエラはモテないのだ」
「九十九式:あなたがモテない5つの理由」
 とかのほうが、同じ内容でもクリック率は格段に上がるはずである。

 あとは冒頭で昨日の日記の続きをダラダラ書いたり、挨拶が長すぎたりしないようにする。そもそも長文を読ませたいわけだから、余分なところは極力省くようにする。

信用

・権威付けがなされている。
 内容のところで、読むとトクをする、と書いたが、それがどういうトクなのか、本当にトクをするのかの保証がないとやっぱり読んでもらえない。それが信用、ある種の権威付けである。具体的には、はてなブックマークで多くの人がブックマークしている、有名サイトや、友人が面白いと言っている、そのサイトがいつもいい文章を書いていることを知っている、などである。


 ちなみにここまで文章で約1200文字、大体原稿用紙3枚程度である。中文といったところだろうか。お昼休みにサクッと読むならこのくらいの分量が適切かと思われるのだが、いかがだろうか。や、ギリギリか。

[資料] こうすると長文を読んでもらえない!

(注:この記事は『こうすれば長文を読んでもらえる』の参考資料です)
今週は久しぶりに思いっきり日記を書きまくった。毎日1500字以上書いて、全4部作になってしまったけど、多くの人に読んでいただけたようで、感謝することしきりである。ところが、インターネットユーザーは、全てのページをチラリと見る(ブラウズ)だけだから、ブログに長文は適さないという指摘がある。最近の人気ページで見つけたこの記事では、そんな気まぐれな読者に読んでもらうためには箇条書きが良いと説いている。(→他人の不幸は蜜の味: 「書くのが好きな人」のブログの落とし穴)確かに、同じく人気記事でもこのコラム指南のようなページは、よほどのことがない限り読みたくない。(→コラム: 意見を述べるということ)このコラムでは、内容に到達する以前にほとんどのユーザーが回れ右をするだろう。意見を述べる以前の問題である。でも、長文でも読んでもらえる場合がある。よほどのことを作り出せばいいのだ。箇条書きは確かに読みやすいけど、基本的に情報しか伝えられない。読み手と書き手が本当にキモチヨクなるためには、やはり長文ではないだろうか。

まず見た目が見やすく整形されている。CSSで適度な行間を設定する、適度な幅で折り返すなどして、視覚的に読みやすくする工夫があげられる。新聞が細かくブロック分けされているのも、この読みやすくする工夫のひとつだ。僕の感覚では、文字は11~13px、ラインハイトは140~160%、幅は400~600px程度だと読みやすい。段落分けは、紙に書くときよりも多めにする。3~4で次の段落に移ったほうが“長文圧迫感”が減る。それでも長くなったら次のレベルの段落分け、つまり次の日に引いてしまうのも手だろう。『マジでグリーンの人になった』シリーズでは、さらに本編を4つに分けた。

内容に関していえば、読むとトクをすること。これを言ってしまうと実も蓋もないんだけど、結局のところ中身が面白ければ読んでもらえる。ただし、オチまで読まないと全く面白くないのでは、やはり読まれずに終わってしまうかもしれない。長文を読むのは、時間がかかる。といってもせいぜいブログの長文なんて長くても4000字程度。5分や10分もあれば読める。それでもネット人は1分1秒1バイトでも無駄にしたくないものなので、常に「読んだらいいことがあるのか」と猜疑の目で見ている。「笑える」「泣ける」「勉強になる」など、何でもいいが、その長文を読めば読んだだけの「いいこと」がないと読みたくないのだ。極端な話、「記事内のキーワードを集めて送ったらもれなく500はてなポイント送信」とかやれば、沢山の人が読んでくれるだろう。

 そこで、タイトルや冒頭部分に、読者をひきつけるための工夫が必要になってくる。ブログでは特に、タイトルバーに記事タイトルが表示されたり、はてなブックマークでクリップされたりする機会が多いので、タイトルは需要である。例えば、モテ・非モテの議論に参加したとして、「九十九式:最近思ったんだけど」とか「九十九式:Hedgehog's Dilemma」とかのタイトルより、「九十九式:だからオマエラはモテないのだ」「九十九式:あなたがモテない5つの理由」 とかのほうが、同じ内容でも、例えばソーシャルブックマークされたときのクリック率は格段に上がるはずである。あとは冒頭で昨日の日記の続きをダラダラ書いたり、挨拶が長すぎたりしないようにする。そもそも長文を読ませたいわけだから、余分なところは極力省くようにする。

最後に権威付けがなされていること。内容のところで、読むとトクをする、と書いたが、それがどういうトクなのか、本当にトクをするのかの保証がないとやっぱり読んでもらえない。それが信用、ある種の権威付けである。具体的には、はてなブックマークで多くの人がブックマークしている、有名サイトや、友人が面白いと言っている、そのサイトがいつもいい文章を書いていることを知っている、などである。

 ちなみにここまで文章で約1200文字、大体原稿用紙3枚程度である。中文といったところだろうか。お昼休みにサクッと読むならこのくらいの分量が適切かと思われるのだが、いかがだろうか。
2005-08-25

[repo] マジでグリーンの人になった(4)(終)

1話 / 2話 / 3話 / 4話
(あらすじ:マジレンジャーショーに出演した宮本。馴れないステージに戸惑うまま、全くいいところなしで午前の部は終わった。自信を喪失して打ちひしがれる宮本。しかし、まだグリーンのことを信じている子供がいるのだった。あと1時間で午後の部が始まるが… )

勇気の証

 改めて午前の部のビデオを見返して見ると、俺はステージ上でぼんやりしているだけではなかった。俺の演じるグリーンは、自分が敵と戦うところ以外では、ただ出番を待っているだけなのだ。
 兄弟がやられているのに、自分の出番じゃないときはただただ眺めていた。自分がやられているときに、レッドが助けに来ると、「あ、俺の出番終わりだ良かった」と明らかにホッとしていた。子供たちがガッカリしたのは、本当はグリーンが弱かったからじゃない。

 ヒーローとして大事なものを、俺が完全に忘れていたからだった。

 あの子にそれを教えられた気がした。まだ俺のことを信じて待っている子供がいるんだ。例えひとりだけでもいい。落ち込んでる場合じゃないだろう、宮本! 俺は心の中で、緑の少年に誓った。グリーンはきっと活躍するぞ!

 ヒーローにとって大事なのは、バク転だけじゃない。経験でもない。真に必要なのは子供を決して裏切らない心だ。 それともう一つ。

 立ち上がった俺の耳に、会場BGMで流れているマジレンジャーの主題歌が聞こえてきた。
「魔法…それは聖なる力!
 魔法…それは未知への冒険!!
 魔法…そしてそれは、勇気の証!!!」

 そうだ。このシリーズの主題は、勇気だった! ピンチになったときに、誰かが勇気を発揮すると、天から新しい魔法を授かって難局を打破する、そういう話だったのだ。
 かつて本物のグリーンも、一度は自信を喪失したことがあった。(21話)しかし、勇気を出して、兄弟をかばってマンモスの前に飛び出し、自信と魔法を取り戻したのだった。

 俺も…俺もやるぞ! …何を?

 ヒーローを


 俺は勇気と決意を胸に、天幕の中にいるブランケン様に会いに行った。
「お願いします!もう一度、手を教えてください!」


信じてフューチャー!

 午後の部が始まった。確かに回りは俺より経験も技量もある人たちだけど、一旦変身したら、俺は長兄、マジグリーンなんだ。
 そう思えるようになると、今度は体が動いた。ブランケンの動きが、見えた。剣を受け止める。やられている芳香を助ける。ブランケンの手をはねのけ、蹴られてもすぐに身構える。会場の子供たちを助ける。

 そして後半の山場が来た。ブランケンとマジレッドが、一騎打ちしながら2人とも姿を消す。そこに現われた冥獣と、レッドをのぞいた4人が戦うシーンだ。冥獣の圧倒的な力に阻まれ、ピンチに陥る4人。そこにレッドが助けに来るというシナリオである。

「グフォフォフォ…貴様らの力は、こんなものか!」
 冥獣の前に打ち倒された3人を見て、俺の体は自然と兄弟をかばって前に出ていた。
「貴様…!?」
「うおぉーーーーっ!」
 こんな雄たけびは台本にないし、マイクもないから客席には聞こえない。聞こえたかもしれないけど、どちらでもいい。俺は兄弟を守りたかったし、冥獣は強敵で、子供たちの声援が聞こえていた。
 俺はとうとうマジでグリーンになった。

 冥獣がまさに爪を振り下ろそうとするところを、レッドの魔法が直撃した。
 ズバーン!
「大丈夫か、兄ちゃん!」
「カイ!」
「みんな、あきらめちゃダメだ! 母さんの言ってた言葉を思い出すんだ! 勇気があれば魔法が力を与えてくれる!」
「ああ、そうだったなカイ! 今こそ、兄弟5人の勇気を合わせるんだ!」」
「天空聖者よ、我らに力を与えたまえ!」
 5人がそれぞれの武器を頭上に掲げる。
「な、なんだこの光は…!グオオ…!」

「今だ、いくぞみんな!」
「(うおぉーーーっ!)グリーン! マジスティック・アックス!」
「イエロー!マジスティック・ボーガン!」
「ブルー!ピンク!マジスティック・アタック!」
「レッド!マジスティック・ソード!」
ズバァーーーン!
「おのれ…マジレンジャアァァ…!」

 やった! やり切った。子供たちの拍手が、歓声が5人の魔法使いを包んだ。最前列には、あの緑の子供の笑顔があった。お兄ちゃん、約束守ったぜ! 俺はガッツポーズで爆レスを送った。

 楽屋に戻ると、一足先にはけていたブランケン様が待っていた。
「…やりゃぁ出来るじゃねえか。」
 ブランケン様は、ぼそりとそうつぶやくと、握手会の整理のために出て行った。
「あの人が誰かを誉めるなんて、滅多にないことよ!」
 ピンクがそう耳打ちしてくれた。

 休んでいる暇はない。子供たちが待っている。もう一度だけ変身して、最後の握手会だ。
「魔法変身、マージ・マジ・マジーロ!」
 真夏の陽射しの中、マジグリーンになった俺は颯爽と走り出た。


(おわり)
2005-08-24

[repo] マジでグリーンの人になった(3)

1話 / 2話 / 3話 / 4話
(あらすじ:マジレンジャーショーに出演する
ことになった宮本。馴れないステージに戸惑うまま、全くいいところなしで午前の部は終わり、握手会が始まるのだった! →第一回 第二回


マジ衣装について

 ショーが終わると、颯爽と走って楽屋テントに駆け込む。変身スーツを着て人前に出ている以上、ステージ上でなくとも常にキビキビと、ヒーロー然とした動きをしていなくてはならないのだ。実際は暑くて倒れそう、というのもある。変身していると、本当に暑い。今日のN市は快晴で、日中の気温は34℃を超えている。Tシャツ一枚でも暑いくらいなのに、ヒーローはものすごく暖かい格好をしている。

 まず、下にスパッツや全身タイツを着ている。これは衣装に汗を染み込ませないためと、下着の線などを見せないためである。その上にナイロン、ポリウレタン製の密封性の高い衣装を着る。背中にチャックのある、ツナギ状のものだ。さらに、面に髪の毛を挟まないための“下面”と呼ばれるマスクをすっぽりとかぶっている。

 そしてフルフェイスの面。頭頂部にちょうつがいがあり、前と後ろで2つに分かれた形状である。中には発泡スチロールのブロックが貼り付けてあり、衝撃吸収と位置固定の役割を果たしている。かぶってみると、思った以上に視界が悪いことに驚く。剣道の面よりも暗く、空手の面よりも息苦しい。早くも酸欠気味だ。

 面の正面に空いた穴を通して見ているため、視界が暗いのはもちろん、見える範囲も相当せまい。自分の正面にたった人間の、鼻の下からみぞおちのあたりまでしか見えない! これで立ち回りをするのだから、並大抵の労苦ではない。

 案の定、未経験の宮本グリーンはほとんど立ち回りが出来ず、ブランケンにどつき回され、転がり、ボロボロの出来だった。戦闘員より弱いグリーンであった

 テントの中で、面だけを取って5分ほどぐったりする。外では衣装を脱いだブランケン様が握手会の客を並ばせている。

「よし、準備できたぞ」
 ブランケン様がレンジャーを呼びにきた。
「待て。変身だけ入れてこう。」
 そういってブランケン様はワイヤレスマイクを手にとると、
「魔法変身!マージ・マジ・マジーロ!」
 と叫んだ。器用な人である。

マジ握手会

 握手会には、250人のちびっこが列をなしていた。最初は立って並んでいたが、メインの客層が4歳くらいなので、威圧感を与えないために片膝をついて握手をすることにした。ずっとしゃがんでいると足が痛くなってくるが、仕方ない。子供とコミュニケートするときは、子供の目線になるべき、というのは俺の持論だ。こども嫌いだけど。

 握手会には、個別ファンの子供が沢山いた。全身を推しカラーで統一している子、なりきりセットで変身している子、お面だけかぶってる子、推しレンのフィギュアを持っている子。そんな中でも、グリーン推しの子が意外と多かった。これがアニキ効果か? 俺はちょっと嬉しくなってとても丁寧に握手をしたが、なぜかグリーン推しの子たちの顔は、一様に曇っている。

「グリーンよグリーン。嬉しくないの?たっくん。」
「…だってよわいんだもん
 俺は冷水を浴びせられたような気がした。そうだ。さっきの俺ときたら、全くいいところがなくて、ピンクやレッドの足を引っ張っていただけだった。

「ほら、グリーンよ。もっと頑張れって言ってあげなさい」
「……。」
 グリーン推しのみんな、すまん。ふがいないお兄ちゃんですまん…!


 握手会の後、第一部と第二部の間の休憩時間に、ブランケン様に謝った。
「すみません、全然手が入ってなくて…」
「俺のところはいいけどよお、お前だけ全然戦ってねえじゃねーか。ちゃんとバトルしろよ」

 ビデオを確認して、ブランケン様の言っていることがわかった。僕が今まで練習していたのはテレビサイズだったため、やられてカメラからフレームアウトした後はぼーっとしてても良かった。しかし、ステージ上はそうはいかない。最大でも9人しか上がらないステージの、主役のうちのひとりなのだ。常に気を張って、目の前に敵がいるときの動きをしていないといけないのだ。モーニング娘の気持ちが少しわかった。俺の演じたグリーンには、TVでの頼もしさやたくましさのカケラもなかった。

 もうダメだ。やっぱりこんなの無茶だったんだ。俺はヒーローなんかになれない。もう帰ろうかな…。午後の部は誰かにかけもちしてもらって…。

 着替えてテントを離れ、弁当にも手をつけずに木陰でひとり打ちひしがれていると、親子連れが通りかかった。子供は緑色の服を着ていた。
「ほら、2回目が始まるまであと1時間もあるんだから。もう帰るわよ?」
「だってグリーンが…」
「グリーンはもう握手もしたじゃない」
「ぜんぜんかっこよくなかったよ」
「だからもう帰ろう。ね?」
きっとおなかがいたかったんだよ。ほんとのマキト兄ちゃんはあんなんじゃないもん!次はきっとかつやくしてくれるよ!!

 俺は泣いた。


(つづく!)
最終話
2005-08-23

[repo] マジでグリーンの人になった(2)

1話 / 2話 / 3話 / 4話
(あらすじ:マジレンジャーショーに出演することになった宮本。リハはあっという間に終わり、不安を抱えたままマジ本番のときが来てしまった!→第一回

ショーの台本

 まず、基本的なショーの流れを説明しよう。
 最初に、司会のお姉さんが前説と応援の練習をする。次に、怪人と戦闘員が出てきて、客席の子供を怖がらせる。「よし、地上征服の手始めに、まずはこの会場をぶち壊してくれるわ!」「ゾベルども、子供たちをさらってきて、食ってしまえ!」「グロロロ…」
 戦闘員が会場に散ると、子供たちは本気で怖がる。小さい子は本当に泣き叫ぶ。そこで会場のお姉さんと共にマジレンジャーを呼ぶ。

 ヒーローが2~3人出てくる。しばし戦うと、怪人が退却するので、ヒーローは後を追う。その後、悪ボス(ブランケン等)とヒーロー2~3人出てくる。同じくしばらく戦った後、退却。ここまでが前半。
ちなみに、音声は東Aより貸与される、本物の俳優達の声と曲入りのテープを使用する。よって全国的に地方巡業ではこの台本で行なっているものと思われる。

 ここでのポイントは、前半ではヒーローが全員は揃わないということ。実は、最小構成人数でステージを成立させるために、戦闘員とヒーローのうちの何人かは一人二役なのだ! 今回は、ブルーとイエローと怪人が戦闘員かけもちだった。大変そうだった。

 前半と後半の間に、“お遊び”と称される時間がある。ここでは悪ボスが客いじりや戦闘員とのかけあいなどをして、インターバルの時間をとると同時に、かけもちアクターが裏で“変身”する。ここはテープや台本にない、完全アドリブになるため、悪ボスは経験豊富な人でないと務まらないのだ。

 程よいところで、ステージ上の悪役がまた暴れ始める。するとお姉さんが「大変だよう、みんなっ!マジレンジャーを呼ぼう!? せーのっ!」と煽る。すると子供たちは「マージレンンジャアアアーーーーーーッッ!!!」と渾身の声で叫ぶのだ。「別に自分ひとりくらい黙っててもいいよな」なんて子供はひとりもいない。全員が本当に叫ぶ。ちょう叫ぶ。俺達が本心から必要とされているのだ。ヒーロー冥利に尽きる瞬間である。

「見つけたぞインフェルシアめ!」
「! 貴様らは…!」

ドッギャアーーン!
「うなる大地のエレメント! 緑の魔法使い!マジグリーン!」
「たゆたう水のエレメント、青の魔法使い!マジブルー!」
「走る雷のエレメント!黄色の魔法使い、マジイエロー!」
「ふきゆく風のエレメント!桃色の魔法使い、マジピンク!」
「燃える炎のエレメント!赤の魔法使い、マジレッド!」
「魔法戦隊、マジレンジャー!」
ドォーン!

 決まった! 緑がいつも最初なので本当に緊張した。
 名乗りを上げたあとは、主題歌が流れて勝利モードになる。
「グリーン!マジタウロスアックス!」
「なんとかサンダー!」「なんとかアロー!」
「よし、トドメめだ!ファイヤーソード!」
「おのれ…覚えてろ、マジレンジャー!」

「チェック・メイト!」
「マジにキメたぜ!」
 ここで司会のお姉さんが登場する。
「ありがとうマジレンジャー! みんな、この後はなんとマジレンジャーがみんなと握手をしてくれるよ!」
「10分後まで、会場をパトロールしててね!」
ガッツポーズでうなずくマジレンジャー。しかしもちろんパトロールなどしない。楽屋に直行して、面を取る。子供たちには決して見せられないこの姿。
 だってとにかく暑い。心臓が早鐘のように打っている。全身が燃える炎のエレメントだ。ウルトラマンの活動限界が3分である理由が分かった気がした。これ以上はヤバい。

やられグリーン

 それにしても、決めポーズはなんとか覚えていたものの、案の定立ち回りは全然覚えきれてなかった。絡みは大体ブランケン様とだったんだけど、“左フックをかわされる”“剣で袈裟切りにくるのを交わして左に抜ける”“右に抜ける”“蹴りを出す”“蹴られて吹っ飛ぶ”のうちのどれだったのか全然分からなくなって、右と思ったら左、蹴りと思ったら蹴られで、ことごとくぶつかった。

 ぶつかったときは、容赦なく実際に蹴られた。しかしこれはブランケン様がキレて蹴ったわけではない(キレたかもしれないけど)のだ。蹴るフリを成立させるためには、蹴られる側が“リアクション”をとらないといけないのだ。しかし立ち回りが不完全なうえ、こちらは面をつけていて視界がほとんどない。そこで蹴るフリをしてもフリにしか見えないのである。かくして今日のグリーンは、毎回出てきてはぶつかり、蹴られ、投げられる、全くいいところのないお兄ちゃんになってしまったのだった…。ほとんど戦ってない

つづく!
第3話
2005-08-22

[repo] マジでグリーンの人になった(1)

1話 / 2話 / 3話 / 4話

魔法変身!

 スタントマンとして修行を積んできた宮本変身体は、とうとうヒーローショーに出演することになったのだった! というのも、3月に会社をひとり解散総辞職(キャラ&メル解散)して暇を持て余していたころ、5月のGWにやってみようかと思ったのがことの始まり。しかし何だかんだで3ヶ月が経ち、夏真っ盛りになってしまった。

 まあしかし夏である。夏のミョーな雰囲気で、つい頷いちゃったんである。俺は本気らしい。20年近く前にヒーローショーを見たのも夏だったような気がする。夏休みの子供たちのいい思い出になれれば幸いである。子供は嫌いだけど。

ヒーロー集合

 さて、ヒーローの朝は早い。12時に地方都市でショーを始めるために、5時起き、7時事務所集合、9時到着だ。事務所前には、まだ朝の7時なのに20人くらいの人でごった返していた。みんな中の人だ。「プリキュアショー出る人はこっちでーす」「マジレン○○方面集まってー」ここから各地のショーに出撃していくのだ。

 ブルーの姿を見つけて挨拶をする。ブルーは、スタントチームで一緒に練習していた仲で、小学生の頃からアクションをやり、高校生からショーに出演しているスタントエリートである。
「まあ今日はがんばってください」
 ちなみにこのブルーは男。戦隊もののスタントでは、細身で小柄の男が女性をやることも多い。ここでブルーから、共演者を紹介される。
・登場人物
グリーン…宮本。テキストサイト・ブログ界初の職業スタントマン。
ピンク…30代の女性。変身すると少女の動きになる。
ブルー…スタントエリート。まだ19。よく喋る男。
イエロー…18くらいの無口な男。
レッド…20代後半。割とお調子者。
ブランケン…30代。現場を仕切るリーダー。
ミミック…車の怪人。30代。
 というわけで、宮本は年齢的に中間に位置し、お兄ちゃんではないのだけどお兄ちゃんをしなければならないのだった。他に、司会や声、運転を務めるKさん、司会のお姉さんの計7人が、今回の特攻野郎レンジャーチームである。

マジハイエースで移動

「おい、今日の怪人がなんだか見てみようぜ」とブランケン。
 ワゴン車の後ろにはズタ袋がごろごろと転がっている。この中に変身スーツやマジ武器、怪人の皮膚などが詰まっているのかと思うとワクワクする。どうやら集合の段階では、怪人がなんだか決まっていないらしい。というか、どの怪人であってもシナリオは変わらないため、怪人衣装はランダムで割り振られるのだった。
「キノコか?あれ動きづらいんだよな」
「クチよりはマシだろう」とミミックさん。
ブルーが「でもこれ、なんか毛が生えてますよ」と取り出してみると、どうやらそれがミミックであったことが判明した。
「これは良さそうだな!」
むやみと装飾が多いもの、人外の形態のもの、体と頭部が一体化しているものは、不評なようだ。

ブルーが怪人衣装をしまいながら「この前、○○さんがウルトラ系で4足歩行の怪獣やったらしいですよ」と言うと、
「四つんばいでステージ出ていくのはやだなあ」とレッド。
「じゃあ俺、今日は全部背落ちで登場します!」
 そんなブルーとレッドの掛け合い漫才を乗せて、マジハイエースはマジ会場へと向かうのであった。
 ちなみに“背落ち”とは、ヒーローにやられる戦闘員がよくやる、ぐるっと回転してバターンと背中から落ちるやられ方のこと。当然、登場には使わない!
 9人乗りのハイエースは、話しかける糸口をつかめず終始無言の宮本と、無言でMDを聞くイエロー、寝るブランケンとミミック、喋り続けるブルーとレッドを乗せてN市に到着した。畑があったりするが、それなりに開けている地方都市だ。

参考資料、マジレンジャーの冥獣たち
くち
キノコ
タクシー



げんちゃく

 ブルーの話によると、前日に茨城でやったショーは、ステージはないわ日よけはないわカエルや虫がうようよしてるわで大変だったらしい。今回の会場は、7m×5mくらいの意外と立派なステージがあり、屋根も楽屋もちゃんとある。

「じゃ早速、手を付けるか。」
 ブランケンが手を組み立て始めた。“手”とは、立ち回りの一連の動きのことである。
「ここでそっちからグリーンが来て、回って避ける…」
 普段の練習では、立ち回りは人が考えたものを実演してもらいながら覚えて、さらに5回6回と練習している。それがこの現場では、即興の手を口頭で指示され、それを覚えなければならない。途中何箇所か、指示の意味が分からなかったり覚え切れなかったりする不安箇所があったが、どんどん先に進んでしまうのでうやむやになってしまった。何度も聞き返せなかった。だって怖いんだもん、ブランケン様だし…。まぁ、ハケる方向を間違えなければなんとかなるだろう。

 手を返した後は、ポーズの打ち合わせに入る。
「うなる大地のエレメント! (シュバー)緑の魔法使い!(キュピーン)マジグリーン!」
 と大見得を切る、おなじみの戦隊キメポーズである。
「違う、右手はパー。もっと動き大きく!」
 レッドにダメ出しをされながら、カフェのガラスに映してポーズをチェックする。ガラスなので中のお客さんからは丸見えなのだが、仕方がない。
「たゆたう水のエレメント、青の魔法使い!マジブルー!」
「走る雷のエレメント!黄色の魔法使い、マジイエロー!」
「ふきゆく風のエレメント!桃色の魔法使い、マジピンク!」
「燃える炎のエレメント!赤の魔法使い、マジレッド!」
「魔法戦隊、マジレンジャー!」ドォーン!
 全員でポーズを決めると気持ちいい。最低限ここだけ決まってれば問題ないだろう。

 しかし当然問題がありまくりだったことは後に明らかになる。→第2話
2005-08-21

[diary] マジでデビュー決定!

 まだ外が暗い。おはようございます、宮本です。なぜ僕が今日こんなド早朝に更新しているかというと、これからとある仕事に出かけるからです。

 僕がスタント道場に通っていることは、以前からの九十九式の読者ならご存知の方もいらっしゃるでしょうか。ちなみにこのスクールは、爆発するビルから飛び出すとか高いところから落ちるスタントではなくて、格闘系とヒーロー系、つまり中の人になるアクションスタントです。で右側のプロフィールに「スタントマン」と書いていたんですが、実はただの練習生でした。しかし気付けばもう2年近くになるのでした。

 そこで、とうとうヒーローショーの現場デビューすることになりました。これでもう「何のために通ってんの?」と聞かれても答えに窮することがなくなる。こどもたちに夢と希望と握手を与えるためさ!

 さすがにまだテレビレベルには達していないので、まずは地方の夏祭りのショーです。1日2回公演らしい。演目はおなじみ『マジレンジャー』です。あふれる勇気を魔法に変えて、マジに決めてきます!

 1日2回公演、昼2時、気温34℃、全身スーツ…! マジで限界チャレンジャーな条件が揃っていますが、オッケーオーライ明日をこの手に旅立ってきますので、応援よろしくお願いします! 本日皆さんの近所の夏祭りでマジレンジャーショーがあったら、そのマジグリーンの中の人は宮本かもしれません……。お兄ちゃんがんばるぜ!(役作り)
2005-08-20

[jiji] 内閣たとえ話王決定戦

小泉「ガリレオ」
「信長」
「始皇帝」(野呂田芳成)
「蛇」(綿貫)
小池「あずみ」(小泉)
小林「ローマの処刑人」
綿貫「水戸黄門」
「マングース」
「西郷隆盛」(渡部恒三)

((カッコ)は他称の場合。)

 最初に小泉首相が「私はガリレオ」とか言ったからでしょうか。両陣営入り乱れて、例え話合戦の様相を呈してきました。

 しかしこういうところにもセンスというか節度が垣間見られるというか。自民側が自称する信長とかあずみとかに比べて、蛇とマングースとか直接的過ぎるというかただの悪口ですよね。ローマで猛獣と戦ったのは剣奴だし。まあ馬鹿な敵ほど最大の味方、と言いますから、小泉にとっては国民党の存在はちょうどいいんじゃないでしょうか。

 「いじめ」というのも例え話ですね。どうやら国民党は、これを選挙のアピールポイントにしていきたいようですが、別にあなた方がいじめられようと、国民の生活には何の影響もないんですが……。そもそも、党の方針に反対して排除された、それを「いじめだー」と駄々っ子のように騒ぎ立てるさまは滑稽ですらあります。

 もう一つ気になるのは「西郷隆盛」です。西郷は改革についていけない武士をまとめて、勝ち目のない戦いと知っていながら決起し、反対派をまとめて葬り去った人なんですが。そこまで考えて言ってるのかな……。
2005-08-19

[jiji] 国民新党。国民?

新党ができた

 郵政民営化に反対して党を追われる形になった残党が、とうとう新党を結成しました。国民党。違った、国民新党です。5人というまさに敗残兵といったショボさ、会見で言うことといったら小泉へのうらみつらみばかり、という何とも言えないダメオーラが早くも漂いまくりです。彼らは既に形骸であります。あえて言おう、カスであると!

国民とは笑わせる

 党名も笑わせてくれます。国民新党? 国民のために作った党だとでも言うのでしょうか。彼らは自民党の方針に反対して追い出された人々です。会見でも「“刺客”と称し、仲が良かった自民党の同士に対して刺し殺すという意味の対抗馬を立てる執行部のやり方を、座視しているのは忍びないという気持ちで立ち上がらせていただいた」と、小泉首相への暗い怨みを募らせているだけ。自分達のことしか考えてないではないですか。大体、「仲が良かったのに…」ってもはや私怨じゃないですか。政治を女子校の学級政治にしないでいただきたい。

 実体とかけはなれたネーミングという点では、人民解放とか民主主義人民共和国みたいなものだと思います。反郵政法新党でしょ。

公約

国民新党のほーむぺーじでは、公約として
(1)国民の声を聞く
(2)国民の命を守る
(3)国民の幸せをつくる
(4)国民のために働く
(5)あたたかい政治を行う
http://www.kokumin.biz/
 の5点が挙げられています。いや…やはり何かズレてるというか。国民の声、聞こえてるのかな。この人達が色あせて見えるのは、対する小泉政権が「郵政を民営化する」などの具体的な方策を打ち出しているのに、相変わらず80年代的なきれいごとに終始しているからです。「国民の命を守る」というなら、「自衛隊を廃し、国軍を創設する」とか「竹島の不法占拠を排除する」くらいの具体性がほしいものです。(例です)
 綿貫氏は、“国民”と書かれた印籠を取り出して「庶民の味方、平成の水戸黄門だよ~(^^)」と言うパフォーマンスをやったらしいですが……。ズレ過ぎというか…。

謎ドメイン

 しかもこのホームページ、なぜに「biz」ドメイン!? 一体この党でどんなビジネスを見せてくれるというのでしょうか。政治はショウビズなのかな。

参照:デイリースポーツ
2005-08-18

[Hello] Wベリ合同コンは、対中ODAだ!

合同コンの惨状

 『おはスタ』から『キャラ&メル』の姿が消えてから、もう随分経つ。『ふしぎ少女探偵キャラ&メル』とは、W(ダブルユー)の辻・加護が扮する人気キャラクターであ~る。『おはスタ』内に謎解きコーナーを持ち、春にはミュージカル化もされた。(参照:キャラ&メルミュージカル 脚本)(宮本はこれを見るために仕事を辞めた)

 あのミュージカルは本当に楽しかった。“現場派”ではない僕が7回も通うだけのことはあった。しかし僕は、このたび行なわれたW(ダブルユー)とベリーズ工房との合同コンサートには行かなかった。去年の教訓から、行っても絶対楽しめないことが分かりきっていたからだ。

 しかし、現実は予想の斜め上を行くほど惨たらしかったらしい。Wとベリエが順番に出てくるのはともかく、Wの代表曲である『ロボキッス』や、アルバムの佳曲『抱きしめないで~日記付き~』は、途中からベリエに奪われたらしいのだ。『ロボキッス』なんて完全にWだけの世界だし、『抱きしめないで~日記付き~』なんて、辻加護の絆を語る、日記付きの歌である。それも最初だけWが歌い、後半でベリエに切り替わるという念の入れようだ。もちろん、逆にベリエの歌をWが歌うというシーンはなかった。

事務所の狙い

 現場でこれを体験したら、愕然としたのちに暴動の一つでも起こしたかもしれないが、こうして伝聞情報として知ってみれば「ああ、なるほどね」である。
 Wの曲をベリエに歌わせるというのは、去年も実行された規定路線である。(参照:[Hello] Wスタンバイ!
 まだ人気のないベリエに、少しでもファンを定着させるために、客層の似ているWのファンを利用しようとたのだろう。この状態をWファンは「寄生」と称し、僕もあまり歓迎はできなかったが、状況を鑑みるにやむなし、とは思った。

謀略

 しかし今年は違う。ベリエは既に単独コンサートを成功させ、CDの売り上げも順調である。これ以上Wに頼る必要はあるのか? これはまるで、単独宇宙飛行を成功させ、着々と軍備を増強する中国に対して、それでもまだ日本が援助をしているような状態である。

 だが、これで事務所を批判するのは見当違いだ。なぜなら、これすら規定路線だからだ。上層部は既に、Wを犠牲にしてでもベリエが売れればいい、という判断をくだしている。今回のコンサートのでたらめぶりも、そう考えれば納得がいく。

Missラブ探偵

 しかし、我々には“新たなる希望”がある! Wの新曲『Missラブ探偵』だ。“探偵”の時点で気付くべきだったが、これはなんと“ふしぎ少女探偵”の正統な続編だった! PVを見てみると、18歳になってちょっとオトナになった2人は、『Missラブ探偵じむ所』を開いていた。マキアート(の剥製)もダバダバ走ってた! 忘れちゃならないマキアート!
 曲調も無理なセクシーではなく、歳相応のオトナっぽさで、心地よいポップ加減。途中に挿入されるラップは、サクラップはおろかm-flowもかくやという辻ちゃんのラップが炸裂する。格好良い。考えてみれば、ハローの曲でここまで本格的にひとりがラップをしたことはないのではないか。
2005-08-17

[jiji] 戦争を知ってる子供たち

 こんにちは。宮本です。今朝は時間が足りずに途中までしか書けず、昼休みにこっそりと更新中です…! 今日ももう少し戦争の話を続けます。まず、毎日新聞が敗戦記念日に向けて行なった世論調査の結果をご紹介します。
日本が米国や中国などと戦った戦争を「間違った戦争だった」と答えた人は43%で、「やむを得ない戦争だった」の29%より多かった。
戦争責任に関する戦後の議論については「不十分だった」との回答が75%に上り、「十分だった」の14%を大きく上回った。(戦争調査:「間違った戦争だった」43% 毎日新聞実施
 この回答の中で興味深いのは、「間違った戦争」との回答は男性44%、女性43%でほぼ差がなかったのが、年代別では20代と70代以上が30%以下だったというところです。

 この回答を分けたのは、戦争を知っているか知らないかということでしょう。我々が「戦争を知っている」と言うとき、3つの意味があります。

戦争を知っている

まず、悲惨な空襲や食糧難などの、戦時下の生活を体験している場合。名作ホラーアニメ『ほたるの墓』で描かれているのもこの部分です。夏になるとTVに出てきて反戦自虐キャンペーンの営業をする文化人・知識人も、多くはこれです。

次に、戦場を経験している場合。75歳以上の人は、実際に大日本帝国兵として戦地に赴いている可能性があります。今回の世論調査で「やむを得ない戦争だった」と答えている世代でもあります。

また、戦争を勉強した場合。戦後の言論空間の変化により、戦争に関して語ることのタブーが薄れつつあります。上記の2条件「戦災」「戦場」はもちろんのこと、戦争一般に関しての情報や知識、当時の時代背景や歴史について知ることが容易になりました。

一衣帯水の国とは

 それにしても、近い将来に日本が戦争する可能性について、「あると思う」が22%しかなかったのはむしろ驚きです。毎日新聞の中田卓二さんはこの数字を多いと考えているようで、「戦後日本の出発点が戦争との決別だったにもかかわらず、2割以上が戦争の可能性を認識していることは、60年間の変化であるようだ」などと締めくくってらっしゃいます。
 先日の戦後60年談話で、小泉首相は「とりわけ一衣帯水の間にある中国や韓国をはじめとするアジア諸国」に再度の謝罪をしました。しかし、その一衣帯水の国々はどんな国でしょうか。
ミサイルの射程に
 日本全土を収め、「東京を火の海にしてやる」と公言してはばからず、日本に大量の工作員を送り込んでいるならずもの国家。日本から何兆円もの資金を吸い出して軍備を拡張し、日本に銃口を向け続けている軍事覇権国家。日本の国旗を焼き払い、日本の領土を不法占拠している超反日国家

 一衣帯水の間にこんな国々がいるのに、どうして「戦争する可能性はない」と安心していられるのか不思議です。これは、戦争をしたいとかしたくないとか、そういう問題とは別です。

 若年層は多少の現実感を取りもどしつつあるようで、20代は「あると思う」が34%を占め、唯一3割を超えていたのがせめてもの救いでしょうか。

 それにしても、この世論調査では「間違った戦争」と「やむを得ない戦争」とを対応させていますが、「間違った戦争」とは一体なんでしょうか。「正しい戦争」とは一体なんなのでしょうか。

http://www.

この記事のURLは変更されました。
http://type99.net/2005/08/jiji_17.html
2005-08-16

[jiji] 靖国神社レポ

公人として


 昨日は終戦記念日でした。実は僕は日ごろ靖国問題などを論じておきながら、終戦記念日に参拝したことがなかったので、昨日は九十九式管理人として参拝してきました。
 僕が行った時間は夜の8時ごろで、巨大な鳥居がほんのりとライトアップされてオレンジ色に浮かび上がり、重厚な印象を受けました。夜なので既に社の御門は閉まっていましたが、それでも僕のように参拝に来る人が途切れることはありませんでした。男女、年齢、ジャンルに偏りがなく、幅広い層の人が訪れていました。

「今年は靖国にいこう」と考えたのは僕だけではありませんでした。今年の参拝者は20万人以上。例年の3倍以上になったそうです。(熊本日日新聞)中韓の横暴と腑抜けた政治家に対する無言の抗議の念が、数万人の人々を動かしたのでしょう。昼間はもっとお祭りで、もっと幅広いジャンルの人がいて面白そうでした。(犬惑星 来年は昼間行きたい。) 

首相は見送り

 小泉首相は参拝を見送りました。賛否あるようですが、やはり首相として参拝して欲しかったという思いはあります。しかし首相は、靖国に参拝するどころか、代わりに戦後60年談話という売国言辞を発表しました。この談話がまた村山談話に乗っかった非道い与太で、あんな人物のあんな談話でも、首相の言葉というのは重いものですね。今後いつまで日本の指導者談話は、この呪いに縛られてしまうのでしょうか。

 このような談話を発しながら、いつものように「不戦の誓いを新たにし、平和を祈るため」などと参拝されても困ります。それは英霊への冒涜に他なりません。読売新聞紙上で「慰安婦も合祀したら」などと電波を飛ばしている大学教授もいましたが、彼らは靖国神社を記念碑か何かと勘違いしているんでしょうか。

 そもそも靖国神社は、日本の国づくりのため、防衛のために戦って殉死した人々の御霊を神として祀る社です。戦没者を埋葬するお墓でも、アジアの平和を祈る記念碑でもありません。不敗の決意を新たにし、平和の礎となった英霊に感謝し、日本(と大東亜)の平和を祈願する場所です。
2005-08-15

[sake] ダメな飲食店やBARを判断する 3条件 the oil

S区にこんなBARがあったんだ


 S区の繁華街で、土砂降りの夕立にあった。ちょうど雨宿りをしていた軒先に、BARの看板がある。時間は夜7時前か。雨が止むまでここでビールでも飲むのも悪くないかもしれない。

 地下2階にある店内に入ると、カウンターが約10席、テーブル席が約20席と言った感じの、標準的な規模のBARだった。BGMがかなりの大音量で流れている。聞いた事のない日本語ポップスだ。カウンターには中年の男女が4人座り、マスターと思しき男性と会話をしている。

「…いらっしゃい。どぞ。」
 一拍あってから手振りで示されたあたりのボックス席に腰を降ろす。するとなぜか、カウンターに座っていた40代の女性が立ち上がって近づいてきた。コースターを僕と連れの前に1枚ずつ置き、メニューを開いて「ご注文は?」。 驚いたことに彼女は店員だったらしい。コースターは、何度も使いまわされてシミが付き、すりきれた紙コースターだった

異様に遅い


「ノン・アルコールのセックスオンザビーチと、レモンハート・デメララのシングル、ロック。」
「え? え?」
「これと、これ。NAのカクテルと、デメララロック。」
「デメ…? は?」
 一向に通じないので、この婦人は外国人なのだろうかといぶかしんだが、どうやらただ単に店のメニューを知らないだけだった。

 一抹の不安を覚えながら待っていると、10分経っても運ばれてこない。決して注文が立て込んでいるわけではない。店内には、カウンターにいる3人の客と、もう一組の男女しかいないのだから。

 カウンターの様子を伺ってみると、驚いたことに、先ほどまで例の婦人が座っていた場所に、マスターと思しき男性が座ってカウンターの客と楽しそうに談笑しているではないか。この店は常連客を大事にする素晴らしいBARであることがうかがい知れる。

 代わりに例の婦人がカウンターの中にいる。なんと、この店は、店にある酒を知らない人間が、酒を作るのだ。しかし婦人は手を完全にとめて、カウンターの会話に参加している。おそらく全員でカクテルの作り方を相談しているのだろう。

間違ってる


 15分が経つ前に、ようやくマスターと思しき男性によって運ばれてきた。
 トレーにはタンブラーにキューブアイスで、無造作にマドラーが突き刺さったカクテルと、ショットグラスに入った茶色い液体が乗っている。
「えーっと…。バカルディの…。カクテル?」
「? 頼んでませんが。」
 男性はカウンターに戻り、再確認してきた。

「ごめんごめん。レモンハートとカクテルね。」
 カクテルはともかく、ロックとストレートは根本的に違う。
「ラムはストレートではなくロックで頼んだのですが。」
「え?ああ、そうなの?」

 男性は僅かに顔をしかめ、戻っていった。この男性が次に戻ってくるのは5分後だった。この店では、ショットグラスの酒をロックグラスに移すのに5分もかけるのだ。実に丁寧な店だ。

すいません


 チェイサーは付いていなかった。スピリッツをストレートかロックで飲む場合、チェイサーとして水を供する店もあるが、そうでない店もある。ぼくはできれば水が欲しい。振り向いて、相変わらずカウンターの客と並んで話をしているマスターと思しき男性に声をかける。

「すいません」

「…すいません」

「…すいません!」

「…すいませんっ!!」

 たった2メートルの距離なのに、声を限りに叫ぶまで、彼はぼくを無視していた。おそらく話の途中だったからだろう。彼は常連を心底大事にする、心優しきバーテンである。

「すいません。お水をいただけますか。」
 とお願いすると

「ふーん…。いいよ。オーケイ。」

 と返された。客がお願いしているのにこの鷹揚さ。なんとフランクでフレンドリーな店主だろうか。アメリカ映画の吹き替えかと思った。
 そして運ばれてきたのは、メニューに600円とされているボトルド・ウォーターだった。日本の店では、特別に指定されない限り、お冷や/お水と頼まれた場合はグラスに入った水をサービスするのが一般的である。しかしこの店はN.Yスタイルを標榜しているだけあって、さすがの本格派。客に水道水など飲ませない有料、いや優良店である。

 ぼくは雨が止んだことを確認し、酒を飲み干した。
 会計は3150円だった。ラムが700円、ミックスジュースが780円、水が5~700円。なんとこの店は、これほどの高品質なサービスで、チャージ料を500円しかとらないのだ。念のためレシートを要求すると「出ません」の一言。ぼくは満足した面持ちで店を後にした。もう2度と行くことはないだろう。

こんなBARはダメだ!


 接客のスタイルやメニューに関しては、それぞれの店のポリシーがあるだろうから何も言わない。しかし、以下の3点に該当する飲食店は、どんなジャンルの店であってもぼくは評価できない。
・注文を間違える
・無意味に待たせる
・客に敬意を払わない


こんな店が10年近くも営業していることが不思議でならない。恵まれた立地ゆえか。
2005-08-14

Bloggerではてな投げ銭機能

 前エントリの疑問ですが、「含むブックマーク」と「ブックマークに追加」のリンクを混同していた、という結末でした。書き終わる寸前に気付いたけど、家を出る時間だったので間に合わなかった。いくつかの温かいポイント送信によって、ちゃんと稼動していることが判明しました。ありがとうございます。今後も良い記事があったらポチっとカジュアルにポイントを送信してもらえればありがたく頂戴し、今後もブログ道に邁進してまいります。
 いただいた応援ポイント(友情パワー)は僕の生活費に消えますが、今後のさらなる充実更新への意欲にフィードバックさせたり、自分もまた良い記事を見つけたら積極的に送点していきたいと思いました。

 というわけで、BLOGGERにはてな投げ銭機能を追加する方法は以下の通り。

1、はてなIDを取得する。
2、テンプレートの<BLOGGER>タグ内、<ItemPage>の前に以下のソースを挿入する。

<!--
<rdf:RDF
   xmlns:rdf="http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#"
   xmlns:foaf="http://xmlns.com/foaf/0.1/">
<rdf:Description rdf:about="<$BlogItemPermalinkURL$>">
   <foaf:maker rdf:parseType="Resource">
     <foaf:holdsAccount>
       <foaf:OnlineAccount foaf:accountName="はてなID">
         <foaf:accountServiceHomepage rdf:resource="http://www.hatena.ne.jp/" />
       </foaf:OnlineAccount>
     </foaf:holdsAccount>
   </foaf:maker>
</rdf:Description>
</rdf:RDF>
-->


 iTMSも衆院選もそうですけど、新しいコンセプトやアイデアが実現したり、システムが変わったりするときって何ともいえないワクワク感がありますねー。
 今後は、オフ会の会費をはてなptで徴収するくらいまでこの機能が一般化すればいいと思います。多分、すでに株式会社はてなの給料ははてなptで払われています。(労働基準法違反です)
2005-08-13

[net] はてな投げ銭機能

 数日前に、はてなに投げ銭機能が実装されました。購入・換金可能な「はてなポイント」というポイントを、ブログの作者に送信するしくみです。これによって、広告収入やAmazon買いなどの遠回りな作者への“好意”表明よりも、もっとダイレクトにサイト作者への好意・謝意表明、記事評価ができるようになりました。

 しかしそこは金銭的やり取りだし、小銭をちゃりちゃり投げ与えるようなイメージからの拒否反応も当然あります。(参照:投げ銭いただかないアイコン
 でも、かつての投げ銭論争よりもずっと抵抗感は少ないように思えます。かつてろじぱらが投げ銭を提唱したときは、テキストサイト界がに賛否の嵐を巻き起こしました(ような気がします)。しかも、ものすごく丁寧な解説テキストを書かないといけなかったのです。(→参照:Web投げ銭について。数ページに渡って理念を解説し、銀行口座の開設手引きまで書かれている!)

 これは、一つにはAmazonアソシエイトやGoogleアドセンスの普及などにより、ブログ作者がサイトから(広告)収入を得ることが一般化してきたことがあげられます。
次に、ブックマークをクリックしてから、そのブックマークを登録するついでにポイント送信もできる、という遠回りによって、適度なさりげなさが演出されたからでしょう。受け取るほうも、サイトに「投げ銭フォーム」などを設置するのは気が引けても、「ブックマークから勝手に送られてきたんだもん」と受け取ることができます。

 しかもこの仕組み、はてなダイアリー内だけでのやりとりではなく、他ブログでもはてなIDさえ持っていれば設定することができるのです。よかった。もしはてな内限定だったら、暗黒面に引き込まれて「またはてなDerがくねくねしやがって!!」と石を投げていたかもしれません。
でも、どうも上手く動いてくれないんですよね。ソースを見る限りちゃんと設定できているようなんだけど。サイト全体を追加するときにしかポイントフォームが現われない。

サイト全体→九十九式のブックマーク
記事単体→このエントリを含むブックマーク

クリボウの Blogger Tipsさんがなんとかしてくれることを祈って、先回りしてポイント送信しておこうかな。(ヤな使い方)
2005-08-12

[jiji] 死ぬことと見つけたり

日航ジャンボ機事件

 1985年8月12日。500人以上の乗客を乗せた旅客機が、群馬県上野村・御巣鷹の尾根に墜落しました。この“日航ジャンボ機墜落事故”から、今日で20年になります。本日付の読売コラムでは、事故の犠牲者達が、落下中の飛行機の中で書き綴った“遺書”を紹介しています。

遺書

「助けて 恐 恐 恐 死にたくない」。大阪府豊中市の主婦(26)は日航の時刻表が印刷された紙に、夫と子供、両親の名前を書き並べ、乱れた文字でそう記している

「幸せな人生だったと感謝している」。神奈川県藤沢市の会社員(52)は、妻子にあてて社員手帳に書いた。夫を、父親を失った遺族には、かけがえのない、生きていく心の支えになったことだろう
「助けて」「死にたくない」と書き残した主婦の恐怖、それだけを書き残された遺族の心中は、察するに余りあります。
 人生への感謝を妻子に当てた会社員は天晴れです。この人は武士道を体現したと言えるでしょう。

武士道の挿話

武士道』に、こんなエピソードが紹介されています。ある柳生の剣豪(但馬守宗矩? 要確認)が、ひとりのヒラ武士に会います。その武士を見た瞬間、宗矩は相手がただものでないことを感じ取り、「ひとかどの方とお見受けしますが」と話しかけます。しかし相手は自分は特に腕が立つわけでもない、凡人であると答えました。なおも宗矩が重ねて問うと、強いて言えばと前置きして、
「私は、いつでも主君のために命を張れるように、朝 家を出るときにその日の死ぬ覚悟をしています」
と心構えを話しました。それを聞いた宗矩は、「あなたこそ達人だ!」と叫んだといいます。

今日一日を悔いなく生きたい

 もちろん、現代に生きる我々が、毎朝死ぬ覚悟をするのは難しいことです。しかし、人生は何があるか分かりません。
 小学生のとき、祖母を亡くしました。当時わがまま放題のクソガキだった僕は、祖母の言うことを全く聞きませんでしたが、いつもニコニコしていて、決して僕を叱らない人でした。その日も僕は、母と喧嘩をして祖母に当たり散らし、祖母の家を後にしました。それっきり、僕は祖母に2度と謝ることができなかったのです。祖母が末期ガンに冒されていたことを知らされたのは、死後2日経ってのことでした。

 死でなくとも、昨日までの自分の日常が今日も続くとは限りません。大事にしていたものが壊れるかもしれない。突然シベリア支社に転属を命じられるかもしれない。例えば、数年前に会ったきりの知人。数年も会っていないのだから、今後も会うことはないかもしれません。“今生の別れ”というのは、どこにでも転がっているものです。

 そう考えると、目の前にある仕事に手を抜いたり、サイトの更新をサボったり、大事な人たちと言い争ったりするのはとても愚かなことです。

 明日死んでもいいように、大事なものを大事にしたい。ワインと豆腐にゃ旅させちゃいけない。それだけです。
2005-08-11

[jiji] 小泉陣営が勝利する理由

 昨日は郵政民営化について半分くらい考えてみたが、続きを書く前に総選挙の話題がどんどん出てきてしまいました。
 今回の総選挙が今までと違うのは、本格的なブログ時代が到来してからはじめての大規模選挙という点です。(参照:ITmediaニュース:ブログが見た「否決・解散・総選挙」
 つまり、選挙の行方を20代から40代のネットワーカー(ほぼ全員だろう。この年齢でネットを全くやっていないということはありえない)が注視し、情報を共有して意見を交換しているわけです。今回の選挙は、郵政民営化を推進する小泉首相と反対派議員の戦いにもなっています。が、この戦い、小泉首相側が勝つでしょう。

 反対派の選挙区には、特に人気議員、小泉首相の有力な手駒が送り込まれたようです。すなわち、小林には小池亀井には竹中といった具合です。何かを思い出しませんか。

 そうです。これはまさに少年ジャンプの手法です。主人公とその仲間が、敵とわざわざ大掛かりな舞台の上で1対1で対決する。男一匹ガキ大将からキン肉マンや聖闘士聖矢、魁!男塾からワンピースにNARUTOまで、連綿と続くジャンプまんがの王道的展開なのです! そしてネットを使う有権者の中心は、87年から67年生まれです。この世代はほぼ完全にジャンプで育っている。少なくとも、確実に通っている。この有権者層が、反射的に小泉支持に回ります。

 しかも、対する反対派が明らかに格好悪い。昨日の報道ステーションに亀井氏が出ていましたが、「小泉はひどいよー」と泣き言を繰り返しながら、高圧的にそっくり返っているだけでした。さすがは、「法案が通らなかったら自民党を解散する」と明言されておきながら「本当にやるとは思わなかった!」と言った人です。
 しかし、彼もまた小泉首相のジャンプまんが時空に取り込まれているので、この選挙に負けたあとは、ちょっと格好良い顔になって(そしてちょっと弱くなって)味方になっていることでしょう。これが友情・努力・勝利であります。