親知らず抜歯記録

2009年12月28日 月曜日

親知らず…それは手術!
親知らず…それは現代の成人式!

いつかは行かねば、行かねば…と思いつつ、結局行かないまま三十路を越えてしまった親知らずですが、とうとう抜いてきました! ズポっと!
これは人生初の親知らず抜歯に挑んだある男のレポートです。

下調べ

まずは情報収集しよう、と思い立ち、ネットで親知らずの抜歯について触れられている記事や日記に当たって調べてみました。
今ではこうして、「名もなき個人の体験談」が、ネットを駆使すればいくらでも見つかるので便利な時代ですね。

水平埋伏(下)を抜歯しに行って来た。
歯茎切開したら膿んでたらしくて、出血しまくりで膿んでたせいで歯まで麻酔が届かなかったみたいで痛くて死にそうだった。

でも我慢してたらおかしなところが麻痺しだしたのでおかしいよって言ったら歯の真下に神経がありますので無痛でやろうと思ったら1回じゃ無理ですって。そんな・・
大病院に行ってる暇ないので3回くらいかけて歯を細かくして砕いて抜歯を行うよ。面倒さより痛く無さを取ったよ。ここまでで1時間半かかった。麻酔追加しまくったけど駄目だった

でも腫れてた部分が内出血ですっごい緑。顔左下半分が緑色。ナメックっていう仇名つけられそう
知人の日記より

写真も掲載されていたんですが、異様に腫れていました。元モーニング娘。の紺野さんくらい腫れあがっていました。

帰宅してからが修羅場だった
大変なのは帰宅して、麻酔が切れてからだった。歯茎を彫刻刀でグリグリえぐられるような激痛がアゴを襲う。
うぐっ……。
鎮痛剤を飲むと15分くらいで痛みが軽くなるが、それでも周期的にズキズキと歯がうずくのだ。
傷口がどうなってるのか見てみたら、まだ血がダラダラ流れ出ていた。パックリと口を開いた洞窟。ぎんなん入りそう。
こういうコトになろうかと予想して、気を紛らせるためのコメディー映画(ギャラクシークエスト)を借りておいたわけですが。
大笑いするたびに、傷口が開いて激痛が走るのだ。「どうしてこうなっちゃうの~!?」
ぼくのほうこそ、まるでコメディーじゃねえか。
@nifty:デイリーポータルZ:親知らずの抜歯手術レポート~歯茎の増殖過程を追え!

これは、プチ日記の名倉さんによるデイリーポータルへの寄稿レポートなのだが、横向きに生えた親知らずを砕き、歯茎を切り開いて巨大な穴を空けて引きずり出すという壮絶な抜歯記録。大激痛の後は、食べかすがその穴に溜まって腐敗して激痛という地獄。写真と描写とから想像される痛みは想像を絶するものがあります。

親知らず抜歯後の食事。水も飲めません。
今日下の親不知を抜きました。
2時間ちょっとかかり、口を開けっ放しなので、唇も切れ なかなか抜けなかったので、ペンチが抜けなかった反動で喉や、舌に突き刺さり、親不知以外もかなりダメージを受けました。
痛み止めを飲みたいのですが、水も飲むのが辛いほど痛みます。口を開けるのも辛いです。話すのも大変です。
口の中は血の味でイッパイですが、うがいはしないようにいわれているので我慢しています。
歯科医師もかなりイライラしていて「なんで抜けないんだ!」「チッ!(舌打ち)」などをしながら抜歯していたので、相当面倒な抜歯だったのだと思います。あともう一本抜歯しなければならないのは恐怖ですが、とりあえず、口が開かず、水を飲んでも激痛なので薬が飲めません。
またポンタールを出されているので、食事をしないと胃が荒れると思います・・。何か良い方法はないでしょうか?
親知らず抜歯後の食事。水も飲めません。 -OKWave

……!(ゴクリ)
これは大変なことになった。

のOKWaveの相談は、壮絶というより悲惨。舌打ちしながら2時間もペンチで口の中を引っかき回されて傷だらけになったあげく、帰ってからも大出血中。これ、訴訟レベルの話だと思います。これどう考えてもヤブ歯医者ですよね。この人が、残りの親知らずは別の歯科医に行ったことを祈ります…。

間の悪いことに引っ越しの準備が控えていたため、これを読んだ嫁からは泣きながら「行かないで頂戴」とすがりつかれる始末。おお、そんなに俺の体を案じてくれるのかい? と思いきや「私ひとりで引っ越しの準備するの無理だから…」 あ…、そ、そうか。それもそうですよね。
でも去年、「そろそろ親知らず抜いておく?」とかかりつけの歯医者に聞かれて「いや、じゃ、ま、それはおいおい…」と言葉を濁して逃げてしまった思い出があるので、ここで行っておかないと、名倉さんのように大激痛になってから行く羽目になったり、前にある歯がさらに虫歯になったりしてしまう。

抜歯前日

抜歯前日、これからしばらく固いものが食べられなくなるので最後の晩餐を…と思っていたが、折悪しく会社の忘年会と重なってしまった。抜歯は翌朝なので、あまりここで深酒を飲んで酒の匂いがぷんぷんしてても歯医者さんに迷惑だろうし、二日酔いになると麻酔の効きが悪そうだし、何より寝過ごしたりしたら元も子もないし、あとやっぱり痛むんだろうか…などと考えながら飲んでいたらいつのまにか日本酒が3合ぐらい空いていたが、全く酔えず。不安。

抜歯当日

そしていよいよ抜歯当日。緊張しながら歯医者の椅子に座るが、向こうは「じゃ、始めるよー」と全く落ち着いた様子。親知らずの抜歯なんて、一生で2回しかない(宮本の親知らずは2本)ことなのに、と思うが、先方にとっては毎日こなしている業務のうちの一つでしかないわけで、まあそれはそうなんである。抜く方に緊張されてても困るしね。そう考えると、結婚とか葬式とか、“一生に一度イベント”を仕事にしている人って、ルーチンワークの中で毎日“一生に一度感“を演出していかなければならないわけで、それはそれで大変だなぁ、と思った次第。

…と考えていたら、抜歯が終わっていた。

え、もう!?

見逃してしまった読者のために、もう一度スローで見てみよう。

1.麻酔
歯茎に注射針を刺すのは結構痛いので、まず麻酔注射のためのプレ麻酔をする。これは脱脂綿に染み込ませたもので、歯茎に貼り付けて2分程度放置し、歯茎表面をマヒさせる。
その後で注射器による麻酔をする。ここでおそらく麻酔の作用で心臓がドキドキしたが、緊張のせいもあったかも知れない。

2.準備
ペンチでごりごりやるのかと思ったら、なんだか抜歯マシーンのようなものを使って、口の中に器具が挿入されてきた。感覚がほとんどないのでよく分からないが、親知らずの位置に何かセットしているようだ。
と、ググッ…と圧力がかかるのを感じた。器具が親知らずを強く押しているようだ。「ミシッ…」と歯の奥がきしむような音が聞こえたが、特に痛みはない。10秒ほど。

「終わったよ」

え、あれっ?
何かの前準備かと思っていた工程で、実は抜歯まで完了していた。最新技術はすごい。
OKWaveの相談を読んで相当覚悟していったんだけど、抜歯はちゃんと設備がある口腔外科に行くのが一番、と言うことが分かりました。

抜歯後

終わった直後は、ぽっかりと穴が空いていて、でも中で血が固まっているので出血はなし。
前述の大変な相談者は「ずっと血の味がしていて、ゼリー飲料をストローで喉の奥に送り込んでいます…」とか書いていたけど、血が止まらないのはヤバいので病院に行くべき。

あと、もらった資料に「抜歯後の血が止まらないときの処置」が書いてあったので紹介します。
・うがいはしない
うがいをすると、かさぶたが形成されず、ますます血が止まりません
・ガーゼかティーバックを噛む
強めに噛み締めます。ティッシュは繊維が付着するのでNGです。

当日、および次の日は激痛で全く動けない、という噂も聞いていましたが、麻酔が切れた後もまあそれほど…という感じ。翌日で痛み止めが切れたときは、「虫歯が若干痛むとき」と同程度の痛みがありましたが、2日目からは特に何ともない、と言っていいくらいでした。ただし、食事は大変でした。

一ヶ月後

最初の3日くらいは、名倉さんの「おかゆの食べかすが穴に詰まって腐敗」体験が怖すぎて、ウィダー・イン・ゼリーばかり飲んでいました。それ以降は1週間ほど、ご飯粒がつまらないようにと、パンばかり、それも完全に片側のみを使って食べていました。元から時間を掛けて咀嚼する方だったので、食事時間が1時間を超えるようになり、毎日ヘトヘト。

それが3週間もすると、穴は一本の切れ目のようになって、1ヶ月後にはちょっと筋がある、くらいの状態になりました。こんな簡単な話だったらもっと早く言っておいても良かったかな。
ただし、僕の場合はまっすぐ上に生えていて、腕のいい歯医者と最新設備で抜いたのでこんなもんで済みましたが、横向きだったり藪歯医者だったりすると相当苦しむ可能性もありますのでご注意を。「九十九式を読んで気軽に抜歯にいったら大変な目にあった!」とか怒らないでくださいね。

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以上、簡単ながら親知らず抜歯レポートでした。


この記事の評価は:

うーん…いまいち…ふつうですかなり良い素晴らしい (6 投票, 平均値/最大値: 3.67 / 5)
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コメント / トラックバック 1 件

  1. suzaku Says:

    九十九式更新! 親知らず抜歯記録 http://type99.net/2009/12/oyashirazu.html

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