「更新病」あるいは「ブログ症候群」
GIGAZINEの求人&解雇問題についての続報が入っています。
まず、はてな匿名ダイアリー(通称増田)に、GIGAZINE内部者とおぼしき匿名日記が。
今、社内の雰囲気はピリピリしている
解雇されたSさんは、正当なことを要求していた休みをください
給料を上げてください
パワハラは止めて下さい
働いている俺らを代弁していた
不当な要求は飲まない 強い人だった編集長からのパワハラは日増しにすごくなってきた
こちらも毎日見ていてつらかったこの記事書け 書けません
なんで書かないんだ 書けないからです
Sさん メンヘラになって潰れそうな状況
もう辞めたいと漏らしていた
うーん、ただこれは何というか、本物かどうか不明。ひょっとすると騒動を見てイタズラ心を刺激された愉快犯かも知れない。よく見ると、別に誰でもこの内容は書ける。
あと、
この記事書け 書けません
なんで書かないんだ 書けないからです
って。それ業務命令を拒否する理由に全然なってないから。まあその「書けません」という状態に至る過程に問題があったと言いたいんだろうけど。
続いてもう一つの匿名日記が。
どこどこ行ったと言ったら、それ記事にしろ って
仕事を忘れて遊びに行ったのに、それすら許されない
常に記事を書くことを前提にすべての物事が許される
どこどこで食べた おい、それ記事にしろって強要される
つまり、社員は常に記事を書くことを念頭に置きながら生活しろとのこと
だから年中無休 常に頭は記事を書くことばかり
疲れたよ
あー、わかる! 懐かしい!
テキストサイトやらブログやらに青春と睡眠時間とを捧げた人なら誰しも通ったであろう、この道。「更新病」あるいは「ブログ症候群」。
日常生活で体験したどんなことでも「これはネタになる」と考え、あるいは「ネタになるから」と進んで変わったことや普段しないことを体験しに行ったりするという。
つい最近も、TKさんがこんな素敵なことを書いていたっけ。
私の場合、この「更新のネタになる」というのは何につけても背中を押してくれる要素で、更新のネタだと思えば1万円ぐらいまでなら浪費できるんです。でもよく考えたらblogを更新したところで、現実的には別に私に何の得もないんですよね。これも大いなる「無駄」なわけです。だけどこうやって普段とは逆に「無駄」をモチベーションとすることで、世界が広がったり、毎日を楽しく過ごすことができたりする。伊坂幸太郎作品が私の肌に合うわけです。
読んでくれている人にとっても、ここを読んでるのなんて人生において無駄な時間だと思うんですよ。何の役にも立たないし。でもそういうのを楽しめるのが遊び心ってもんじゃないですか。豊かに、無駄に生きていたい。このサイトが「必要」に追われて仕事をしている皆さまの、日々の彩りの一つになれるなら、こんなに光栄なことはありません。
僕も、更新のネタのために、というか取材のために単身インドネシアに渡ったり、変な買い物をしたりすることがある。そう言えば先日のバナナ栽培キットだって、レジに持って行くときには既に「写真を撮って過程をブログに上げよう」と考えていたはず。
それってブログに振り回されているようでいて、生活自体がブログ遊びの一環になっていて、世界のどこかにはそれを楽しんでくれる人がいたりするわけで、趣味としてはなかなか素敵な部類にはいるんじゃないでしょうか!そういうことにしておいて!
しかしそれを仕事で要求されるとなったらまた別でしょうから、趣味のサイト運営ゆえの気楽さ、ってのはもちろんあると思いますけどね。
ベンチャー企業でありサイト運営者である編集長にとっては、GIGAZINEの記事が増えて会社が成長していくのはこの上もなく楽しいだろうけど、それが記者の成長につながっている、もしくはつながっていると記者が思える状況にならないとね。
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2010年8月6日 at 08:47
「更新病」あるいは「ブログ症候群」