かつて生肉を推奨していた『美味しんぼ』

2011年5月5日 木曜日

レバ刺しに関する情報をいろいろと収集していると、3年前に書かれた、雁屋哲(美味しんぼ作者)のブログが出てきた。
内容は、新聞記事に載っていた「レバ刺しは危険」という啓蒙記事を見て、「レバ刺しが危険とは知らなかった」とショックを受けた、というもの。

2008年8月22日の朝日新聞の「私の視点」欄に、藤井潤九州大学准教授が「牛レバーの生食、危険伝えよ」という意見を載せている。
 そのコピーを下に掲載する。(写真はクリックすると大きくなります)

牛レバーの生食、危険伝えよ

 焼肉店で出している、「レバ刺し」や「ユッケ」が生食用の物ではなく加熱用のものだったとは露思わなかった。
 我々日本人は、魚の刺身になれているから、肉の刺身の安全性も疑うことがない。
 それに、刺身で出し来るからには、生で食べられるように、屠場の段階からきちんと生食用に分別されていると信じていた。
 実は、そうではなかったとは、これは、ひどい裏切りだ。
レバ刺しは危険だそうです | 雁屋哲の美味しんぼ日記

添加の朝日新聞にも載ったにもかかわらず、3年弱経ってもそれほど人々の間には「レバ刺しの危険性」というのは伝わっていなかったようである。難しい。

やはり注意喚起は、いくらしてもしすぎることはなかった。しかし今回の事件騒動によって、かなり広く知れ渡ることにはなっただろう…。

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生食を推奨するような話

さて雁屋哲は続いてこんな風に述懐している。

「美味しんぼ」の中でも、レバーの刺身を推奨するような話を書いたんじゃないかしら。
 困った、困った。
 こんなこととは知らなかったからなあ。

 だが、事実を知れば改めるのに遅すぎることもないし、恥じることもない。
 これからは、漫画や、随筆の中で、レバーの刺身を推奨するのは止めにしよう。 レバ刺しは危険だそうです | 雁屋哲の美味しんぼ日記

いやー、してましたね。
レバ刺しというか、生肉を丸ごとあつかった回、その名も「生肉勝負」という話がありました。3話ぶん使って、士朗と雄山が勝負を繰り広げる話です。

第18巻 1話 生肉勝負(前編)
【メニュー】
○刺身
○牛肉の刺身
○牛肉 あらすじ – 美味しんぼ塾ストーリーブログ

牛のステーキなら霜降りだが、刺身なら赤身を食べるとおいしい!という話。

第18巻 1話 生肉勝負(後編)
【メニュー】
○ステーキ
○タルタルステーキ
○馬刺し
○馬肉のタルタルステーキ
○ユッケ
○カルパッチォ
○馬肉 あらすじ – 美味しんぼ塾ストーリーブログ

出た、ユッケ!

第18巻 2話 続・生肉勝負
【メニュー】
○レバ刺し
○レバーペースト
○レバー あらすじ – 美味しんぼ塾ストーリーブログ

最後は、健康に育った牛の新鮮なレバ刺しはおいしい、という話。

はっきり言って、『美味しんぼ』くらい影響のある作品だと、「これからは推奨するのはやめよう」では足りないと思う。
過去に書いた話を取り消したり修正したりするのはいろいろと難しいだろうから、せめてこれからの増刷には欄外に注意書きを入れるとか、新しい話でその辺にふれるとか、してくれればいいのに。それが「過ちを改める」ということじゃないのだろうか?

まあ、『美味しんぼ』というのは、グルメ漫画の皮をかぶった『野望の王国』だということはその筋では有名な話。
グルメネタの中に、不思議な中韓礼賛や、「韓国人強制連行説」なんかを織り交ぜてくるので、注意が必要である。(美味しんぼのウソ朝鮮編

『美味しんぼ』で信じていいことは、ワインと豆腐にゃ旅させちゃいけない。…それだけですよ。


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