『AKB48総選挙』という社会現象

2011年6月10日 金曜日

いや、えらいことになった。
AKB48の”総選挙”である。スポーツ新聞はおろか、一般紙にもその結果が「ニュース」として載っているし、日テレに至っては速報まで流してしまった。
こうして“総選挙”というスタイルで人気投票を行なうのはこれで3回目らしい。旗上げから6年。「援助交際女子高生」まがいの歌を歌うイロモノグループから初めて、とうとうここまでのビッグアイドルに成長させた秋元康のマーケティング手腕と、AKBメンバー個々の努力には、ただただ感心する他ない。

ちなみに、漫画家のやくみつる(52)がこんなことを言っているが、的外れも甚だしい。

疑似の世界だね。投票したアイドルには会えるかもしれないけど、リアルに付き合える人はいない。メンバーの1人ひとりはいい子ばかりだけど、前田敦子は振り向かないよ。 【AKB総選挙】やくみつる、ファン現実に戻れ「前田敦子は振り向かない」 – MSN産経ニュース

どうやら彼の中では、投票したファンは「大金を投じればメンバーと付き合えるかも知れない」と信じている基地GUYばかりのようである。
しかしアイドルに対して「付き合いたい」とか「振り向いてもらえる」とか、そういうリアルな欲望を向けている人って本当にいるのか?
自分が投じた一票が(あるいは10票が)、応援するメンバーの今後一年を左右するかもしれない。そしてそれは世間が注目するビッグイベントで、そこに自分は投票という行動で実際に参加している。これはきっと疑似の世界でもすごく楽しいんだろうと思う。そしてこれは、パロディでありながらも、まさに政治の世界のそれに酷似している。

30年、40年前の若者が、政治運動や学生運動にぶつけていたような熱情は、今は形を変えてここに存在している。自分の一票で国の政治は変わらないが、AKBの推しメンの順位は変わる。それは彼らにとって、政治の世界よりもよっぽどリアルで、自分に近いこととして感じられているかもしれない。
そんな社会にしたのは誰か。これまで一貫して、若者を抑圧し、高齢者を優遇する社会を作る方向付けをしてきたエスタブリッシュメントが、彼らを批判することは出来ない。

いや、別にやくみつるはエスタブリッシュでも何でもないが、平たくいうと、これを楽しめない人は、たぶんちょっとだけ人生を損している。そういうことなんだと思う。
ヒステリックにこの社会現象を非難している人は、その姿勢こそが逆に中二的で相当格好悪いということに気づいた方がいいと思う。こういう圧倒的なものに対しては、あえて逆らえば怪我をするだけだ。積極的に飛び込んでいって飲み込まれるか、離れたところから傍観するか、そのどちらかしかない。

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コメント / トラックバック 1 件

  1. posmoda Says:

    『AKB48総選挙』という社会現象

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