詩で比較する秋元康と つんく♂

2011年6月13日 月曜日

それぞれAKB48、ハロプロという、時代を象徴する二つのアイドルグループを世に送り出してきた二人のプロデューサーの仕事を、作詞という面から比較してみてみよう。
まず、秋元康。彼の詩作は、大きく分けて二つ。
1.気持ち悪い
2.凡庸
大部分はこのどちらかに当てはまる。

1.気持ち悪い詩の例


AKB48 『JK 眠り姫』

ずっと何歳(いくつ)になっても脱ぎ捨てたくない制服
いつか卒業をしてもJKのままでいさせて

まだまだ固い殻の中 汚れていないその果肉
大事なものを守り続ける キスで目覚めて愛を知る日まで…

AKB48 『女子高生はやめられない』

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私たち 可愛いじゃん
それなりのルックス
スペシャルなんて言わないけど 平均以上じゃん

制服を着ていりゃ 勝ちゲーム
ハナノシタ男達 一発ノックアウト!
Teenage Teenage Teenage
売り手市場

女子高生はやめられない
この夜はバラ色

なんじゃこりゃ…。JKとか言って勘弁してくれよ、という。これを秋元康氏が半笑いで書いていると思うとちょっとゲンナリしてしまうのである。

AKB48 『アイドルなんて呼ばないで』

アイドルだって恋をする
年頃になれば みんなと同じ
嬉しい時は微笑んで 悲しい時は涙する
私も普通の 女の子です

もっと 自由に 恋をしたい
ピュアなイメージ 息苦しい
そのうちエッチも してみたい

秋元康「そのうちエッチも…してみたい、っと」 (カリカリ…) φ(。。)

2.凡庸な詩の例

AKB48 『ポニーテールとシュシュ』

ポニーテール揺らしながら風の中
君が走る 僕が走る 砂の上

ポニーテール揺らしながら振り向いた
君の笑顔 僕の夏が始まる

AKB48 『会いたかった』

好きならば好きだと言おう
誤魔化(ごまか)さず素直になろう
好きならば好きだと言おう
胸の内さらけ出そうよ

会いたかったx3
Yes!
会いたかったx3
Yes! 君に

対するに、つんく♂ボーイの詩は、かなり特徴的なものがある。こちらも2つに大別すると、次のようになる。
1.思春期、乙女
2.ぶっ飛んでいる

1.思春期、乙女の例

スマイレージ 『ぁまのじゃく』

君のことなど興味ない 他の誰と話してたって
さっぱりとね 髪の毛を切ったのも知らない

来週試合ね 自転車が変わったね
斎藤先輩とすごく仲がいいのも
全部 全部 興味ない
話せない 日だって ブルーじゃない

優しくされたり髪型褒められたり
勉強教わったり守ってくれても
全部 全部 興味ない
もうすぐ 引っ越し するんでしょ

これ以上 優しく しないで
ウソ泣き してあげる から

たんぽぽ 『I & YOU & I & YOU & I』

自分の魅力がわからないから
恋も不器用になっちゃいそうで

あなたはいつでも「気にするな」とか
さらりと軽く言っちゃうけど

HEY!HEY!かなり優しい彼
HEY!HEY!自慢の彼
のはずだよ!

何年たっても映画を見るとき
手をつないで感動したい
何年たっても口づけするとき
ドキドキしてキューンとなりたい

I & YOU & I & YOU & I
YOU & I & YOU & I LOVE YOU

1つ目の詩は、好きな先輩がいるのに、もうすぐ転校しちゃうから興味がないフリをする、という詩…。何というか、乙女過ぎる。とても40間近のおっさんの書く詩ではない。僕の嫁っこも、「つんく♂さんがどうしてあんなに女子中学生の気持ちのようなものが分かるのか…」と不思議がっているくらいである。

2.ぶっ飛んでる詩の例

Berryz工房 『なんちゅう恋をやってるぅYou Know?』

なんちゅう恋をやってるぅ YOU KNOW?
革命を起こすくらい

今週中にCHU CHU CHU したい
あこがれの

「WANT YOU 来い!」と言っちゃうぅ シュート
じらされるバイオレーション

しょっちゅう脳に舞っちゃう躊躇(ちゅうちょ)
抱きしめて 彼方

この詩は、延々と「うぅ」で韻を踏んでいるのだが、タイトルは「やってるぅYou know?」で「やってるっちゅうのぅ?」と読む。どこからこんなぶっ飛んだ詩を思いつくのか、訳が分からない。一代の鬼才と評して過言ではない。

しかし…。これで終われば、「つんく♂大勝利」で話がまとめられるのだが、つんく♂ボーイには、暗黒面がある。この暗黒面に落ちると、「彼氏がしょうもないヒモで…でも好き」みたいな、アイドルファンがビタイチ求めていないしみったれた曲を量産するようになってしまう!

3.しみったれた暗黒詩の例

モーニング娘。 『しょうがない夢追い人』

これ以上長く一緒にいると私もダメになりそう
あなたの夢が叶うなんていつなの?

時間が過ぎたことあなたわかってるの?
Ah 学生の気分でいるのね

何も知らないあなたの寝顔を見ていると
思い出と涙があふれてく

あなたわかるでしょ?
現実という大きな壁があるのを
気づかないフリしてるだけでしょ?

なんだこれ!非道すぎる!
アイドルファンなんて、現実見たくないからキラキラしたアイドルを応援してるんだよー。
そのアイドルに「現実に気づかないフリしてるだけでしょ?」とか言われたくないんだよー。
「夢は信じればかなうよ!」とかキラキラしたきれい事を歌ってほしいんだよー。

結局、アイドルの詩には現実とか実験とかいらないから、凡庸でも耳障りのいい歌詞を、明るいメジャーコードかつアップテンポな曲調で、元気に歌ってくれればそれが一番いいのかもしれない。
つんく♂も松浦亜弥の初期ワークスに見られるように、アイドルらしい曲作りもかなりの技量を持っているのだが、いかんせんアーティスト志向の彼は、そうした曲ばかり作ることが出来ない。

対して秋元康は、職業人として、あざとい曲とアイドルっぽい曲のみを作ることに専念できる。きっと曲作り(作詞)自体に楽しみを求めてはいないのだろう。

そして、結果を見る限り、アイドルビジネスにおける戦略展開としてはそれが正しいようだ。


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