AKB48がハロプロに完勝できた最大の理由

2011年6月11日 土曜日

そういえば、僕がここでこうしてAKB48の話題にふれるのは、初めてである。

ハロープロジェクトというアイドルプロジェクトが大ブレイクした時期があった。そのハロプロが下降期にさしかかった頃に現れたAKBは、あれよあれよという間にハロプロの全盛期すら凌駕し、あっという間に巨大ムーブメントとなり、モーニング娘。は濁流の彼方に飲み込まれてしまった。それは、端から見ているとあまりに圧倒的で、あまりに鮮やかな征服劇だった。3年前、自民党を倒した民主党が政権交代を成し遂げたとき以上に劇的だった。
AKB48は、天下を取った。今では、雑誌の表紙にAKBのメンバーが登場しない日はない。(何週間くらい連続で表紙を飾り続けてるんだろう?)

僕がAKB48に乗り切れなかったごく個人的な理由


そんなAKBを見る僕の視点は、はっきり言うと羨望である。いいなぁ…。これは敗北感と言い換えてもいい。もう僕の応援したハロプロがあそこまで勢いに乗ることはないのだろう、と思わされてしまう。今や新曲を出してもMステに滅多に出られないハロプロ、ただテレビに出てくるだけで目玉扱いしてもらえるAKB…。
つまりブラウン管の中のAKBが輝けば輝くほど、かつて応援したグループがもう及ばないことを深く知らされるため、つらくて正視していられなかったのだ。これが、僕がAKB48に乗り切れなかったごく個人的な理由である。

総選挙という油田

しかし、それでも今のABK48の勢い、そして今回の総選挙というイベントは、すごいと思う。
このイベントを開催することによって、ファンの買い支えでCDの売り上げが数倍になり、イベント自体の集客(全国で映画館中継までやっていた!)につながり、世間的な注目度がもたらす広告効果も計り知れない。油田を掘り当てたような状態だ。

しかし、イベント自体の成功よりも、大島優子の2位コメントが何よりすごかったと思う。アイドルビジネスは、プロデュース側の努力やマーケティング戦略だけでは成り立たない。最終的には、そこに立っているアイドル自身の輝きによってしか、人の心を動かすことは出来ない。そんなことを気づかされた。

AKB48というエコシステム

同時に、この総選挙の模様を見ていくうちに、我がハロプロ軍に対して、どうしてこうもAKB48が圧倒的な勝利を収めることが出来たのか、その最大の理由も分かってきた。

AKB48が真にすごいのは、その仕組みである。

秋元康の手腕というのは、そのプロデュースそのものにあるのではなくて、自分がいなくても回る仕組みを作り上げたところにある。例えば、明日から秋元康が半年くらい失踪しても、それほど影響はなく、AKB48ビジネスは運営できるだろう。

しかし、ハロプロは違う。つんく♂ボーイがいなくなったら、3日と持たない。ハロプロのプロデュースは、曲作りからメンバーの選定、ユニット名からコンサートツアー名まで、全てにおいてつんく♂印のプロダクトだからだ。ハロプロは、つんく♂という一人の異才に頼りきりのため、彼がいないと成り立たない。それは、ハロプロ最大のフックであり、欠点でもある。

天才vs秀才

秋元康は、優れた手腕を持ったプロデューサーだが、ある意味では凡才とも言える秀才だ。しかしだからこそ彼は、自分の才能を過信してはいない。総選挙、つまり人気投票で全てを決するというのは、要するに顧客第一主義と言うことだ。昔、少年ジャンプが読者アンケートによる徹底的な順位主義をとって躍進したように、エンターテイメントはとにかくどれだけ客に受けるかが第一だ。そういう意味では、人気のあるメンバーの露出を増やし、さらに人気を拡大させるというのは非常に理に適っている。しかも人気投票自体がイベント化して世の中の注目を集めて、一石二鳥、いやCDもうれて三鳥だ。

対するにつんく♂は、自分の才能を自覚しているから、他の人に任せるようなことは基本的にしない。できない。オーディションも自分のロックのみを信じるので、たまに外してしまったりもする。曲作りも、ちょっと迷路に迷い込むと、“「彼氏がヒモでどうしようもない、…けど好きなの」みたいなアイドルファンが一切求めてない方向性の曲”2011-05-29 – えだは)を量産してしまったりもする。
ハロプロも、女性版ジャニーズを目指して、ハロプロエッグという二軍やジュニアメンバーを作り、システム化を目指していたはいたのだ。しかしうまくいかなかった。しかしモーニング娘本体や、そこでプッシュされるメンバー(AKBで言うところの選抜メンバーにあたる)が、プロダクションの社長など、一部の人間の意向のみで決められており、顧客、市場のニーズから乖離してしまっていたからだ。

育成からブレイクまでの生産サイクルを作り上げたAKBと、属人的な対応と不完全なシステムに固執してしまったハロプロ。
まさにシステムの完成度が明暗を分けた、と言っていいだろう。

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コメント / トラックバック 1 件

  1.  まるも Says:

    世界から冷笑されているカルト宗教なんかの市場で、ハロプロが勝ってほしくないわ。
    負けて上等。
    このままいくと、世界のヒットチャートから日本の集計を除外するという動きも出てくるだろう。
    あほらしい。そんなことまでして勝ちたくはないよ。

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