『マイティ・ソー』を見た

2011年7月21日 木曜日

久しぶりに、特撮ヒーローモノ以外の映画を劇場で見た。いや、これも特撮ヒーローといえばそうか。
あっけらかんとしたスーパーヒーローが、ハンマーをブン回して暴れまくる明快な筋書き。北欧神話モチーフ、荘厳な神々の神殿、大迫力のクリーチャー、変身シーン、ナタリー・ポートマン(可愛い)などのお楽しみ要素が盛り沢山の、安心して楽しめる娯楽大作だった。

マイティ・ソーとは

ちなみに『マイティ・ソー』は、60年代から存在する、クラシックなアメコミヒーローである。実写化されるのは、これが初めてのことらしい。
「マイティ・ソー」なんていうと、語感からはいかにも脳みそまで筋肉でできた、脳天気なアメリカン・ヒーロー的な印象を受ける。いや実際まぁそうなんだけど、主人公のソーはアメリカ人ではない。原語で書くと「THOR」、日本では「トール」と言った方が有名だろう。RPGやファンタジーが好きな人ならおなじみの、北欧神話の最強神オーディンの息子、雷神トールのことだ。魔法のハンマー『ムジョルニア』をふるって雷を起こす、荒ぶる神である。

行きて帰りし物語

神話がモチーフになっているから本当にそのものなのだが、これはまさにジョゼフ・キャンベル言うところの「ヒーローズ・ジャーニー」、あるいは「貴種流離潭」と言っていいだろう。

主人公は自らの行いがもとで、父親によって追放され、苦難を経て成長して戻り、敵と対決する。解決、英雄の帰還。

この映画に出てくるソーは、最初は神の自覚も思慮もなく、力がすべて、戦いが好き、おまえら俺様について来いというジャイアン的リーダーシップで仲間を危機に陥れ、力とハンマーを奪われて人間界に追放されてしまう。
しかし人間界で、身体的には弱いが、強い心と優しさとを持った人々と交流するうちに、ソーは謙虚な心と、精神的な強さを手に入れる。神(ヒーロー)としての資格を取り戻した彼の手に、『ムジョルニア』が戻ってくるのだった。

演出と映像

本作の監督は、ケネス・ブラナーという、普段シェイクスピア劇で知られる監督だったそうな。
確かに、ハリウッド映画にして北欧神話がモチーフともなるので、神々の神殿の仰々しさや、時代がかった芝居など、うまくハマったのかも知れない。
神々の国『アスガルド』の神殿や、虹の橋ビフレストの時空転移超テクノロジーの描写は、まさに劇中で科学者が語る「充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない」状態。壮絶にして圧巻。ぜひ3D映画で見たいところ。

あと、主人公クリス・ヘムズワースが良かった。神のレベルにまで鍛えあげられた筋肉の説得力はもちろんのこと、「ニカッ!」と見せる笑顔が実に爽やかでよい。ソーが人間界に追放されてからは、アスガルドと地球との文化ギャップなどで、結構コメディタッチの演出もあるが、この人がやると全く嫌みがなくて何とも言えぬ可笑しみがある。良いキャラクターだ。

これ、実は『超人ハルク』→『アイアンマン』から、そしてこの後の『キャプテン・アメリカ』へと続く、一連のアメコミ実写シリーズ中の一作なんだけど、特に気にせず、一見さんでも自然に楽しめると思う。
主人公、演出、モチーフがうまく結合した良作だった。変身ヒーロー、アメコミ、北欧神話、どれか一つでも好きな人は見ておいて損はないだろう。

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以下、ネタバレを含む余話

まだ人間体のソーが暴れまわるところで、狙撃班が出動するんだけど、その中で一番目だっててセリフがある狙撃手は、なぜかライフルじゃなくて弓をキリリとつがえて「撃ってもいいか」と聞いてるんですよね。後から気付いたんですが、あれは『ホークアイ』だったんですね。(SHIELD所属、後にアベンジャーズ入りをするという設定か)

北欧神話はゲルマン読みの方が格調高いと思うんだけど、英語圏ではやはり普段自分で使っている文字通り読んでしまうんですね。(カタカナで「ソー」って書くと「SAW」みたいですよね)

THOR→ ソー / トール
Mjolnir → ムヨルニル / ムジョルニア
Bifröst → バイフロスト / ビフレスト(虹の橋)

そういえば、『銀河英雄伝説』のイゼルローン要塞に設置されていたビーム砲も、「トール・ハンマー」の名が冠されていた。

あと、『ラピュタ』を見てても、最後にラピュタが崩壊してしまうところとか、『ナウシカ』の巨神兵とか見てて思うんですけど、超古代文明とかオーバーテクノロジーが崩壊していくのを見るのって、本当にもったいないですねぇ…。
あの「デストロイヤー」だって、せっかく箱を守る強力な切り札なのに、ソーが壊しちゃってもったいない…。バイフロストももったいない…。


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