テキストサイト=大学サークル説

2011年7月11日 月曜日

先日のミンパニ周辺BBQで会った、上野川さん(元・『大阪安全ガラス』)もこんなことを言っていた。
「テキストサイトって大学サークルみたいなもんだったんじゃないかと思うんだよね。
今はニコ動とか見ると『ああ、同じようなことやってんなあ』、と。」

これについては、僕も以前、まさに次のように書いた。

テキストサイト、リードミーは、僕らのトキワ荘だった。
…というと言い過ぎというかそんな大層なものでは全然ないけど、高校の部活か大学サークルみたいな雰囲気はあった。

うん。「俺らの代で終わった大学サークル」というのが一番近いかも知れない。

『テキストサイト文化』は世代論 | 九十九式

そう、やはり「テキストサイト」といったとき、字義通りの「テキストベースのサイト」ではなく、やはり10~12年ほど前の一時代に更新されていた、あの、ダイヤルアップ回線とFTP接続と、手書きHTMLで「日記」と「アバウト」と「リンク」の、あのウェブサイト群のことなのだ。
それで、あの頃の緩い連帯感とか、「同じ趣味同士」という仲間意識、会えばいつも安居酒屋で酒を飲むしょうもなさとか、2~5年くらい年齢にバラつきはあるけどだいたいみんな20代、という年代とか、日記を書いても金にもならないし将来も見えない感じとか、まさに緩い文化系の大学サークルのそれなんである。

* *

そういえば、ちょうどこの前、7月5日発売の『週刊アスキー』7月19日号で始まった唐辺葉介氏の連載小説が、まさにその時代の話でワクワクはらはらする。いつの時代も、そのときどきの方法で若者達は自己表現を試みてきた。でも、「インターネット回線」と「ネタ日記」だけでそれを試みた僕らの記憶は、やはりそれはそれで一つの青春だったのだろう。

まだ高速デジタル回線も24時間接続も普及しておらず、皆が電話回線とテレホーダイを使ってインターネットに接続していた時代。個人サイトで自己表現を試みる若者達がいた――。

『電気サーカス』は、主人公の”僕”がふとしたきっかけで”テキストサイト”をはじめたところから、物語の幕を開けます。 唐辺葉介氏の連載小説開始のお知らせ

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