「フレンチキス」を「軽いキス」という意味だと思ってませんか?

2011年9月23日 金曜日

変な日本語「フレンチキス」って意味はどっち?

今日の『変な日本語』はまた外来語シリーズ。「フレンチキス」についてです。

この言葉は、正反対の二つの意味で使われている。

1.軽く唇を触れあわせるだけのキス
2.舌を絡め合う、いわゆるディープキス

最初に正解を言っておくと、2が正しくて、1は完全に日本人の勘違いである。

先日、映画『モテキ』の主人公役の森山未来が、TVインタビューで「この映画では、フレンチキスとかじゃなくて、大人のエロいキスをしよう、と…」と話していた。これも完全に1の意味で勘違いしているようだし、誰も正さなかったと言うことは今でも勘違いしている人が多いのだろう。

フレンチキスという言葉の成り立ち

そもそも、どうして「フレンチキス」という用語が生まれたかを知る必要がある。
「フレンチキス」は、もちろんフランス生まれの言葉ではない。イギリス人が想像する「フランス人っぽいキス」ということで、英語で「フレンチキス」なのだ。
(ちなみにフランスでは、「baiser amoureux」(ベーゼ・アムール=愛のキス)等と称される。カクテルの「アメリカーノ」がアメリカで飲まれないのと同じようなものか。)

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つまり英語の「フレンチキス」というのは「あいつらって、こういうネットリしたキスしてそうだよね~」というイギリス的偏見が元になっているわけだが、まあ実際してるだろう。
フレンチキスは、舌を絡め合うディープで性的なキスのこと。これは辞書にも載っている。

ではなぜ、日本でだけ「フレンチキス=軽いキス」というような珍妙な誤解がまかり通ってしまったのだろうか。

なぜ日本でだけ誤用が広まったのか

性的なキスとは別に、ヨーロッパ系の文化では、知り合いや家族が頬を軽くふれあわせて「チュッ」と音を立てる、いわゆる「挨拶としてのキス」がある。
そういうイメージと「フランス風のキス」というイメージが混同されて、「フレンチキス」=軽く唇を触れあわせるキスという誤解が生まれたのではないか、と推察される。
ひところ、この誤解に基づいた描写が女性誌や少女漫画で頻発されていたそうだ。

AKBの派生ユニットである「フレンチキス」も、この誤解に基づいたネーミングのような気がするんだけど、どうだろう。だってアイドルのユニット名がディープキスってなんか嫌じゃない…?


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コメント / トラックバック 1 件

  1. 遠山金四郎 Says:

    正解ではありません

    ディープキスであるという誤解こそが30年程前から我が国で広まった知ったか振りの拡散が原因です

    我が国のフレンチキスは米語であって英語のそれではありません

    日本人は知ったか振りが多いので、正確な事実確認をしないまま英語の辞書にあるそれを日本語のフレンチキスと混同してディープキスだと勘違いしたのです

    一方では、元々自国の言葉であるニューヨーカー達は何十年経っても同じ意味で使っています

    これは当たり前であって、英国人が仏国人を揶揄した表現を米国人が使う必要は金輪際無いからです

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