2012年AKB48選抜総選挙のMVPは篠田麻里子

2013年6月8日 土曜日
今日行われている2013年のAKB総選挙の話ではなく、昨年行われた2012年の話。書こう、書こうと思っているうちに1年経ってしまった。非オタ観察者の戯言です。

今年も、AKB48関連全グループ参加の人気投票、『AKB48選抜総選挙』の季節がやってきた。が、時計の針を1年戻して、2012年の話をしようと思う。
通称サドこと篠田麻里子の話だ。篠田麻里子は6万7017票を獲得し、5位という順位だった。

その時のスピーチが、当時かなりの話題になった。
以下、少し長いが全文を書き起こし掲載する。

5_sinodamariko-ns300こんなにも素敵な順位をありがとうございます。
こうやってみなさんの温かさやありがたみを本当に感じられるのもこの総選挙だと思います。
私はこの総選挙が嫌いではないです。
自信があるからではありません。自信は無いですし、今日まで、この日が来るまでは凄い不安でした。
眠れない日もありました。だけど、こうやってみなさんの温かい声援と温かい気持ちがぶつかる今日の日を、この緊張感を味わえる今日を、自分にとっても凄い成長できる日だと思っています。

「後輩に席を譲れ」と言う方もいるかもしれません。
でも、私は席を譲らないと上に上がれないメンバーはAKBでは勝てないと思います。
私はこうやってみなさんと一緒に作りあげるAKB48というグループが大好きです。
だからこそ 後輩には育って欲しいと思ってます。
悔しい気持ちすごくあると思います。

正直私も今びっくりして、少し悔しいです。
でも、そうやって悔しい力をどんどん先輩、私たちにぶつけてきてください。
潰すつもりで来てください。私は何時でも待っています。
そんな心強い後輩が出てきたならば、私は笑顔で卒業したいと思っています。

最後に、この票数は今日までの私の1年間の評価ではなく、今日から来年までの
篠田麻里子への期待だと思ってます
この、来年はもっともっと期待されたいと思ってますけど、この期待を胸に今日から頑張っていきます。
よろしくお願いします 。

この「潰すつもりでかかって来てください」というフレーズが脚光を浴び、メディアで繰り返し使われた。多分、AKB総選挙名フレーズ史上では「私のことは嫌いになっても…」につぐ知名度なのではないだろうか。

しかし、僕が「この人はちょっとすごいな」と感心したのは、その部分ではない。
「私はこの総選挙が嫌いではないです。」
この一節である。

AKB関連に興味のない人にはピンと来ないかもしれないが、メンバーの中には、この「選抜総選挙」が「嫌い」であると公言するものも少なくないらしい。
選ばれる側としてはプレッシャーを感じるし、順位に翻弄されてショックを受けたくもない。順位の上がった下がったを取り沙汰されるのも嫌、そっとしておいてほしい…。そんな感覚らしい。

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それを踏まえての、この一言なのだ。
「私はこの総選挙が嫌いではないです。」

AKBの総選挙は、その空前の規模からいってもメディアの関心度からいっても、他に類を見ないアイドルイベントである。まさにAKBをAKBたらしめている「金脈」であり、AKBが1年を通して最も注目を集めるイベントと言っていい。

ファンにとってみても、自分の投じた票が順位を左右するという参加意識とともに、日経新聞が予想を立てたり、朝日新聞に全身広告が載ったりと全国的に注目度が高まるこのイベントがいかに重要で誇らしいものであるかは想像に難くない。

それをメンバー側が「嫌い」と否定してしまうのは、アイドルとして偶像崇拝の対象になる自覚にかけた姿勢と言わざるを得ない。

篠田麻里子は、そんな運営の思惑とメンバーの気持ち、そしてファン心理までを汲み取った上で、「私は嫌いではありません」と発言したのだろう。

現在27歳の彼女がいつまでAKB48に所属しているのかは分からないし、今年の順位がどうなるかは知らないが、篠田麻里子が2012年総選挙のとき、あの会場にいたメンバーの中でもっとも覚悟と矜持を持ったアイドルであったことは間違いない。


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コメント / トラックバック 1 件

  1. Johnie Says:

    What a great rerousce this text is.

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