ゆとり教育を撃つ!

「メイド」と言えば、「美少女教育(テレビ東京 月〜金曜 24:45〜:55)のアヤカのコスチュームがピンクのメイド服で、なんだかとっても…。なんだか…。なんだか…。
美少女教育の現場
番組スタッフはオタ揃いに違いない。えーっと。…ココナッツ最高ッ!

 さて、教育と言えば。
 最近、また「ゆとり教育」への疑問の声が高まっているようだ。

 そんな中、教科書の検定結果が発表された。特に理科の内容が大幅に削られている。
 高校生に遺伝や進化を教えてはいけないそうだ。いつから日本はキリスト教国になったのだろう。不妊治療やクローン技術が実用化されそうな未来、「よくわかりませーん」という大人を増やしてどうする。
 歴史教科書では、「李氏朝鮮」の記述が「朝鮮」に書きかえられた。これは学術的根拠よりも、韓国のイチャモンに応えてあげただけのように見える。W杯も近い事だから、ちょっとエサをやろうという事か。典型的な弱腰外交。教育を外交の具にするなと言いたい。

 今更になって、文科省は「学習指導要領は、最低限のものを示しただけ。」と弱腰な事を言い始めた。 最初は指導要領の範囲を超える事を厳しく制限していたのに。

「ゆとり教育」は、学歴偏重社会、受験戦争の問題が指摘された80〜90年代に練られたプラン。 …しかし、その真の目的は「愚民化政策」だったというのは、以前書いた。もしも本気でやりたかったのなら、ここまで来てヘタレずに貫き通せば良いものを。

 しかし、おそらく彼ら官僚は、こんな反対にあうなどという状況は想定していなかったのだろう。
「わあ、ゆとりって素晴らしい」
「これで受験戦争、学力偏重社会の歪みが正常化される」
 そんな感じで喝采を持って迎えられると思っていたのだろうか。おめでたい限りである。


<ゆとり教育の現場>
<ゆとり教育の現場>


 愚民化政策というのは、イギリス型の階級社会を手本とした「一部のエリートが大衆の上に君臨する社会」を作るために、大衆の頭を悪くしていこうという「愚」策である。 「ゆとり教育」というのはその為の第一歩で、学歴社会の歪みを正そうという動機から提案されたものでは無かったのだ。(これは実際、数年前にどこかで官僚がインタビューで話していたと思う。ソース無し)

 そして、第二歩がこれ。
スーパーサイエンス高校26校を指定
 普通校の理科の記述を削減する一方で、エリート校を設定する実験だ。
頭の悪い子を大量生産すると同時に、一握りのエリート層を培養する。これ最強。と言ったかどうかは解らないが、まあそう上手く行くものかね。

 世界が驚嘆した、日本の明治期における近代化、戦後のめざましい復興は、国民の学力が支えていた。突出した才能を持つ人間は少なくとも、全体的な知的水準の高さがそれを可能にしたのだ。
 これは集団社会日本に、実に相性の良い制度だと思う。サッカーを見ても、日本の戦術は個人技よりも組織力を重視している。

 以上の観点から、僕はゆとり教育はウンコなんじゃないかなと思います。高校生に「台形」を教えられないなんて、そんな馬鹿な話があるか。台形は台形だよ。台の形してっから台形なんだよ。



(追記。教育問題に関して真摯に研究されている方からメールを頂きました。参考資料的にご紹介させていただきます。)

[HN] 旧皇民
 はじめまして。いつも楽しく九十九式読んでいます。さて、最近話題を呼んでいるゆとり教育を早速採り上げられた4・10の日記、興味深く拝見いたしました。私は現在教育学を専攻する一学生なのですが、宮本様のご意見、非常に卓越かつ的確な御指摘と思います。
ただ、瑣末ながら付け加えさせていただきますと文部科学省の中でも寺脇に代表される推進派だけでなく、ゆとり教育への危惧を表す声も少なからず存在し、また現存しています。今回の施策へのふらつきの一番の原因はなによりデータ収集を怠ったにも拘らず学力低下を教育内容の「詰め込み」によるものと断定し、現場教師からの諮問もろくに行わず改革方針を決定した文科省上層部の体質であり、現実把握能力の低さです。ご存知の通り、一度決定した方針は問題が起こるまで変更されないのが日本官庁の体質であります。しかし全ての官僚が同様に現実把握能力に欠けているわけではないのです。前述した寺脇においても、彼は文科省のスポークスマンであるから故の主張を行っているようです。
また愚民化につきましては宮本さんの仰る様なインタビューでの発言をする者がいたとは驚きです。ですが、実際のところこの国民の知的二極化は時代の必然でしょう。少子化、経済動向、受験体制、さまざまな原因が絡んでいるのはご存知と思います。
失礼、取りとめもなくなってしまいましたが、これからも良質且つ充実されたテキストの更新を楽しみにしています。それでは突然の長いメール失礼しました。
2002年 4月10日(水)
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