新垣里沙伝説

2004年10月12日 火曜日

尊敬する人

最近、仕事で行き詰っていた。

僕の今やっている仕事は、今いるポジションというのは、雑用が多めの下っ端である。仕事が回ってくることも稀にあるが、基本的には自分から企画を出して能動的に動いていかないといけない。でも、そうやってがっつかなくても特に問題は無い。その場合、責任ある仕事が任されない代わりに、雑用や文化的雪かきなど、ある種気楽なルーティンワークをやっていればいいだけだ。日々は何事もなく、平板に過ぎていく。

しかし、そうこうしているうちに後輩も入ってきて、しかも彼らは僕が失いかけていたピュアな情熱とやる気に満ちていて。なんだか僕、ここにいてもいいのかな……。仕事のプレッシャー、将来への不安、自信の喪失……。

そんな弱気になりそうになったとき、僕はある人のことを思い出す。いつだって困難な状況に追い込まれながら、涙を見せず、弱音も吐かず、笑顔で全てを乗り切った女の子、それがモーニング娘の5期メンバー、新垣里沙である。

この少女、いったい何者。

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愛をください


LOVEオーディション21。いわゆる5期オーディションで新垣里沙はモー娘入りした。「モーニング娘になりたい!」の一心で、少しでも芸能界に近付くために子役として芸能事務所に所属した経歴もある。その時に出演した、おもちゃ会社のCMがオーディション番組中に流れたのが発見され、コネ疑惑が広まった。

オーディションの会場へは、家族みんなで行った。帰りには、家族で東京タワーにのぼり、テレ東本社に向けてお祈りをした。「モーニング娘になりたい」などという、荒唐無稽な小学生の夢を、本気で応援し、支えてくれたのが家族だった。そんな家族への感謝を、雑誌で「家族のおかげでモーニング娘に入れたと思ってます」と素直に表現した。すると「コネで入ったことを認めた!」と曲解された。

TV出演では、加入して間もないのに「モーニング娘。の新垣里沙です!」と自己紹介し、『Mr.Moonlight』を「私たちの曲」と言った。夢を果たせた嬉しさと、メンバー入りした責任感の表われだった。しかし、身の程知らずと叩かれた。厳しいレッスンに涙をにじませながらも「泣いてないですよ」「人前で泣くのって、恥ずかしいじゃないですか」と気丈に笑って見せた。それが「生意気」と見られた。

全てが、裏目だった。

初めてのコンサートでは「辞めろ!」「死ね!」と客席から罵倒された。「コネ帰れ」などと書かれたボードを掲げる“ファン”までいた。年端も行かぬ12歳の少女に、一部の観衆は容赦なかった。ネットでも叩かれていた。ファンクラブのグッズも全く売れなかった。視力の良い新垣からは、ステージの様子も全て見えていた。それでも彼女は、決して彼らを恨まなかった。ただの一度も泣き言を言わす、ひた向きな笑顔を絶やさなかった。ファンへのメッセージにはいつも「ありがとう」と書かれていた。

モー娘メンバーへのアンケートで、「モーニング娘。になって辛かったこと」の欄があった。

新垣の回答欄だけ、空白だった。

辛くなかったわけなんてないのに。

髪を切って夢を磨く 好きな空を目指すために

新垣里沙

いつしか目標だった後藤は卒業し、憧れていた安倍もいなくなった。年下キャラとして全ての人に愛されていた辻・加護もいなくなった。気付いてみれば、6期メンバーが増えていた。もはや5期は中核を担うべきポジションであり、新垣は、1番下っ端のお荷物メンバーではいられなかった。

保田圭は、自らの卒業に際し、後輩である新垣に「頑張ってれば、誰かが見ていてくれるから」というメッセージを送った。
わずか13歳の少女は、言われるまでもなく、頑張った。
これほどの逆風にも決して折れず、ステージ上では精一杯の笑顔と、「ファン」への感謝、そして地道な努力を絶やさなかった。
どんな風が吹いても負けない、まさに新垣里沙はタンポポになろうとした。

そんなひたむきな新垣の姿勢は、「ファン」の心理にも微妙な影響を与えていた。
新垣を取り巻く空気が、少しずつ変わり始めていたのだ。

ある日、新垣はトレードマークだったおさげ髪をやめた。
女子かしまし物語の歌詞でもフィーチャーされている通り、前髪を切ることによって、新垣里沙は次のステージに進んだ。特にきっかけがあったわけではない。それはおそらく、彼女の決意による。それはまるで元服の儀だった。今までの子役上がり風のポジションから脱却を目指し、ストレートな「アイドルとしてのかわいさ」を模索し始めたのだ。ぎこちなかった笑顔は、いつしか本当の笑顔になっていた。

ネットにも「新垣本当に綺麗になったな」「おまえら、本当はガキさんが可愛いと思ってるくせに」といった声が増えてきた。

「モーヲタ」達は、ようやく新垣里沙という少女をまともに見ることが出来るようになったのだ。

かつて吉澤ひとみは「アイドル、それは生きる希望」と言ったが、新垣里沙はそれを体現してみせた。諦めずに頑張れば、どこかへ辿り着く。今となっては、オーディション当時「この子は将来絶対美人になるでェ…」とつぶやいたつんく♂の慧眼に、改めて感服するほかない。

九十九式で発掘した目撃談にも、こんな一節があった。

うちはコンビニだけど、安倍なつみと辻希美と新垣がよく来る

新垣は凄く顔がちっちゃいモデルさんみたい、このコ最近ニコニコしてる

良いことでもあったのかな?

子役上がりの小生意気な小学生の面影はもうない。飾らない人柄と新鮮なリアクション、そして“ウザかわいい”という新たな魅力を創出した、未来のモーニング娘。リーダーの姿がここにある。15歳のガキちゃんの魅力、“いいことある記念の瞬間”を切り取った、初の写真集が発売された。必見である。


新垣里沙写真集

新垣里沙写真集

新垣里沙写真集
10月7日発売。

よーし俺ももっと頑張ろう!

参照

新垣4コマ(’04年4月13日)

新垣、目が良いんですよv—–


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コメント / トラックバック 16 件

  1. 匿名 Says:

    508 名前: 名無し募集中。。。 投稿日: 04/10/14 18:54:39
    自分はヤグヲタだが、彼女のエッセイ「おいら」でのガキさんに関する記述で、
    「今までお豆ちゃんが弱音を吐いているところを一度も見たことがない。
     文句を言っているのを聞いたことがない。仕事を途中で投げ出したこともない。」
    矢口は当たり障りないフォローとかはよくするけど、実はこういうベタ褒めってあんまりしないから、
    この記述を見て、ガキさんの自分の中での評価が完全に変わった。
    あれは去年の10月だったから、あれからもう1年か。
    http://www.helloproject.com/apartment/profile/kei.html
    あと、もう1つ。圭ちゃんの2003年春の卒業コメントのガキさんへのメッセージで、
    「ちゃんと見てる人は見てる!!そう信じていれば、きっともっと大きな何かが返ってくるヨ!!!」
    当時は誰もが普通に流して読んでいた圭ちゃんの言葉は今、ガキさんを取り囲む現実になっている。
    新垣本当に綺麗になったな。
    いや、というより、彼女の魅力がようやく周りの目にも届くようになったんだな、きっと。

  2. 匿名 Says:

    ……ガキさん なあ ガキさん ずっとキライだったんだ アンタが……

    ろくにファンもつかず いつまでもコネ呼ばわりされていた
    キャラも好かれず ルックスもそこそこで 毎日 ヲタに陰口を叩かれながら
    いつも変わらぬ気持ちで 娘。を愛していたアンタ……
    アンタのようなメンバーだけはゴメンだった ただ地味で いつも歓迎されず 毎日 非難まみれで
    早くアンタには脱退してほしかった

    かわいい顔 萌えるスタイル 萌えるキャラ 抜群の歌に 抜群のダンス
    そうだよ とびきりのメンバーに入ってほしかったんだよ
    アンタが加入したあの日に オレたちは朝まで大さわぎしてた 罵倒スレで 罵倒カキコで大さわぎさ

    今日買った本でね ガキさんから オレたちへのメッセージだって……
    ”私達がいつも笑顔で歌って踊っていられるのは  ファンのみなさんのおかげだと思っています” って……
    そして ”いつもありがとうございます これからもよろしくお願いします” って……

    ”みんな 大好きです” って……

    どうして とっくの昔に オレらを見限らなかった どうして ずっと非難に耐えて娘。を続けた
    コンサで罵倒されても グッズが売れなくても 一度も投げ出さず どうして オレらなんかのために……

    ずっと ずっとキライだったんだ アンタのことが……

    オレはまちがっていたのか オレが手にしたかったものは こんな心痛む気持ちだったのか
    教えてくれ 新垣里沙──ッ

    もっと前から いっぱい応援してあげていればよかったヨ ガキさん…

  3. 新垣「私の事を一人でも応援してくれる人がいる限り頑張ろうと前から決めてる」 Says:

    「ファンレターは必ずみてる」
    「時間はかかるけどなるべく返そうと思っている」
    「私のことをひとりでも応援してくれるひとがいる限り頑張ろうと前から決めてる」
    Witch Hunting Girlscouts

  4. Louis Says:

    2004年の話。今後はガキさんを応援します。

  5. CIMAのドス黒い日記帳 Says:

    歴代メンバーの中で最も自分の居場所を愛してる人

    『私のことをひとりでも応援してくれるひとがいる限り頑張ろうと前から思ってた』
    これはガキさんの名言です。
    多分この手のコメントってガキさん以外にも何人もの人が言ってるか…

  6. Says:

    今更かもしれないが、あんな酷い事を言うんじゃなかったって反省してます・・・ガキさんに土下座したいです・・・

  7. 正直無理 Says:

    ガキさんにありがとうを言いたい

    1 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/01/02(土) 23:34:45.37 0

    仕事に疲れて、人間関係に疲れて、生きることに疲れて

    ただ平板に何の夢も向上心も希望もなく過ごしてた俺が

    諦め…

  8. 泣いた Says:

    素晴らしい記事。

  9. naaaa Says:

    ボロ泣きしてしまった。
    がきさん素晴らしすぎる。
    いつまでもがきさんらしく、応援してます

  10. Gaki-san | Munichan Says:

    […] Fonte: Tradução em inglês feita pelo usuário Telepudding no tópico da Risa no H!O. Artigo em japonês. (ACHO que o link é esse) […]

  11. 4696 Says:

    ガキさん。過去にこんなことがあったなんて、今のガキさんみとったら全然わからんよ。
    それくらい、いつも楽しそうだし、笑顔だし。

    ガキさん。7代目リーダーおめでとう!これからも応援する!

  12. matukai Says:

    「初めてのコンサートでは「辞めろ!」「死ね!」と客席から罵倒された。「コネ帰れ」などと書かれたボードを掲げる“ファン”までいた。年端も行かぬ12歳の少女に、一部の観衆は容赦なかった。」

  13. hot Says:

    久しぶりに読んで泣きそうになった;_;

  14. みにあい Says:

    その時現場にいたなww>罵声等
    相方(参戦者)が、にぃにぃ押しだったから受入れられたけど・・・
    初めはこの子大丈夫かなと思うほどの髪型でしたね^^;(凸だしツインテール)
    久しぶりに見たら、まったくの別人ってぐらいに雰囲気が変わりましたね。
    歴代娘。の中で一番っていいぐらいの綺麗さになっていましたね♪

    その美貌と根性と愛嬌で、今後の活躍を期待しています。

  15. [Special Article] The story of the ex-Morning Musume. member Gaki-san ! | Tokyo Girls' Update ||| the latest Japanese music culture news Says:

    […] (This article was originally written 8 years ago by Miyamoto “The Ninja” Yuujirou 新垣里沙伝説 | 九十九式) […]

  16. the☆pink Says:

    生田に教えないと

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