いわゆる「のまネコ」問題についての当サイトの考え方

2005年10月1日 土曜日

 エイベックス社が、「モナーにインスパイアされ、オリジナリティーを加えて作ったネコ型キャラクター」を“のまネコ”と名付け、別会社に商標登録を申請させ、2ちゃんユーザーが猛反発するというオリジナリティー溢れる事件があった。先月の話。経緯:猿人でもわかるinspire講座

 これが結局、2ちゃん上での“殺人予告”にまで発展し、エイベックスは商標登録を取り下げ、CDへの映像特典を削除する方針を明らかにした。
「のまネコ」騒動エスカレート…エイベックスに殺人予告 SANSPO.COM-芸能

 そもそも、エイベックスの間違いは、ネットのAA発キャラクターを著作権フリーの素材として商業利用することに問題がある(法的に、ではなく)と考えなかったことにある。数年前に
、タカラがギコネコを商標登録しようとして猛抗議を浴びるという事件があったが、“オリジナリティーを加えて”さえいれば大丈夫、と見たならば読みが甘かったという他ない。

 第二の間違いは、事態を収束させるために「のまネコはモナーからインスパイアされたもので、モナー自体の使用制限するものではありません」とアナウンスしたことだ。ネットユーザーは、別にモナーの使用が制限されると思ったから反発したわけではないだろう。もちろん使用制限など問題外だが、そうした実害よりも、「漏れ達のキャラクター」が全く関係ないところで金儲けのネタにされる、という状況自体に反発していたのだから。言うなれば、自分達が意匠泥棒のくせして、何が「海賊版防止のため」だ、ということである。

 抗議活動はネットの各所で展開された。2ちゃん管理人ひろゆきは、エイベックス社に所属する人気アーティスト「はま」こと浜崎あゆみのロゴマークにインスパイアされてオリジナリティを加えたキャラクター「のまタコ」を商標登録の可否を問う意見書を出した。

 最終的には“殺人予告”という(ブラフにせよマジにせよ)最悪のケース、行き着くところまで行ってしまった。これは実行されなかったとはいえテロル以外の何者でもなく、抗議活動をしていた人たちも「勝訴!」と盛り上がるよりも後味の悪い思いをしているのではないだろうか。

 エイベックスも、「脅迫なんてしなくても元々中止しようと思ってたのに…」という文章で、なんとも歯切れが悪い。
いわゆる「のまネコ」問題についての当グループの考え方

 結局これは異なる価値観をもつ人々の間で、お互いの基準をもとにして対話を試みたことに起因する断絶の物語なのだ。ちょうど、2ちゃんねらーの運動をAAへの愛着によって生じた未分節の欲動<カオス>とすると、それを構造的に組み込んで、脅かすとともに活性化するコスモスが2ちゃんおよびひろゆきであり、エイベックスはそれらを抑圧し、物象化する社会的制度、ノモスたらんとして失敗したのである。テラワロス。

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コメント / トラックバック 1 件

  1. にゃにゃネコ Says:

    たしか今回取り消したのは「のまネコ」という文字(というか言葉?)であって、普通“のまネコ”と聞いて想像する「ネコのキャラクター=米酒」は取り消していないらしいのですが、実際の所はどうなのでしょう?
    これがホントならエイベックスってかなりあくどいのですが・・・。

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