『デュオU&U』 W(ダブルユー)

2004年6月4日 金曜日

 輸入CD禁止法案可決年金法案強行採決……。

 やれやれ。しょうもない国になった。だいたい、審議しているオッサンたちは議論の本質を理解しているのか? ただ圧力に屈しているだけじゃないのか。いや、何が問題なのかを理解している議員すら半分もいないかもしれない。ネットでの運動も署名活動も無力だ。なぜなら、オッサン連中はインターネットなど見ないし、輸入CDも年金も、議員たちの生活には全く関係のない話だからだ。

 そんな腐った国を浄化する救いの巫女!Wでしたー! のアルバムが発売されたのでエンドレスリピート中。レビュろうとしたら書き終わらなかったので、前後編に分けます。ユルシテ…。

『デュオU&U』 W[ダブルユー]

1.恋のバカンス

2.サウスポー

3.渚の「……」

4.白い色は恋人の色

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5.大阪ラプソディー

6.待つわ

7.淋しい熱帯魚

8.かけめぐる青春

9.渚のシンドバッド

10.恋のインディアン人形

11.好きよキャプテン

12.センチ・メタル・ボーイ

13.お誂え向きのDestiny

14.Give Me Up

15.情熱の花 (Passion flower)

辻&加護の新ユニットW[ダブルユー]による、フルアルバム。先行シングル『恋のバカンス』を含む全15曲で、Wの魅力がぎっしり詰まっている。

 告白しよう。正直言って、Wの活動計画が「最初はカバー」と聞いたとき、心底がっかりしたものだった。しかしそれは杞憂だった。時代の評価に耐えた過去の名曲を、一線で活躍しているスタッフがアレンジし、それをあの2人が歌うのだから、これが名盤にならない方がおかしい。

 シングルカットされたM1は、ダルいリズムの原曲を大胆にロックアレンジしてある。この曲は、確かにアルバムのオープニングにふさわしい。ハモりも絶妙で、この1曲でWの魅力をある程度うかがい知ることができる、スターウォーズで言えばEP4にあたる曲といえよう。

 M2はピンクレディーの名曲。『結婚ソング』以降に開花した、辻ちゃんの“オトナ声”を堪能できる。知らないうちに歌詞の世界に引き込まれ、マウンドに立つ辻ちゃんがキリリとした表情を浮かべたときに鳥肌が立った。格好良い……。

 M3はうしろ指さされ組。Aメロがマイナー調で、サビで一気にメジャーになる展開が心地いい。「てんててんてて~ん♪」がキュート過ぎる。聴くだけで心に夏が訪れる、異様にハイな曲。聞き覚えのある曲だと思ったら、アニメ『ハイスクール!奇面組』の主題歌だった。

 M6は加護ちゃんの声質に合わせた選曲か。そういえばここに声質に関するつんく♂の見解がある。ドラえもんの新ED『ああ いいな!』発表時のコメント。

「辻」「加護」は声のタイプで言うと、塩ラーメンと讃岐うどんくらい違うし個性があるので(どっちがどっちというわけではないのですが)、「W」がオリジナル作りに入ると、プロデューサーとして、さらに燃えてくるわけです。(NEWS!

 そう、2人はしばしばセットで語られ、「双子(ry」というコンセプトが指し示すように似ていると言われているが、そのパーソナリティは全く違うし、音楽活動において最も重要な声質が、正反対と言ってもいいほど違うのだ。そして、2人組みの歌ユニットにとって、声質の違いは大きな武器になる。

 日本を代表する男性デュオ、チャゲ&アスカにこんな逸話がある。チャゲとアスカは、もともとライバル同士だった。しかしたまたま2人が同時にあるオーディションに出たところ、審査員から「君達は一緒にやったほうがいい」と言われたのだ。高音が伸びてはっきりしているが線が細いアスカの声。前に出ないが柔らかく芯があるチャゲの声。この2人が一緒になってからの活躍は説明するまでもないだろう。Wも全く同じケースと言える。かつてのライバル同士、今は盟友、声の質は正反対。そこをちゃんとあのプロデューサーでも考えていてくれたことを改めて知って嬉しかった。心強い。

(つづく)—–


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