読書感想文(3)(4) Missing / 陰陽師

2005年1月31日 月曜日

 通学列車の片道で、だいたい100ページくらい読める計算。読み始めたら、駅までの道や乗り換え時にも読んでます。二宮金次郎状態。

Missing

 怪異事件のおこる架空の街を舞台にした、学園ライトホラー。美形で冷淡で全身黒づくめで、オカルトに傾倒していることから「魔王陛下」と呼ばれる少年が主人公。この設定だけでちょっと挫けそうになるが、豊富な改行と「…………」の多用された文体のおかげで、スピーディーに読み飛ばせた。アニメじみた登場人物の会話はいちいちオタくさいし、人物描写は独りよがり、主人公は神隠しに遭って帰ってくるだけだし、盛り上がりに欠けるドラマは特に見るべきところはない。作者が登場人物に思い入れがあるのは分かるんだけど、ぜんぜん魅力が伝わってこない。唯一面白みのあったオッサンキャラは、撃たれて異界に取り込まれて何のフォローもなし。何だそりゃ。もうちょっとハッタリ効かせてくれ。イラストに関してはノーコメントにしておきたい。これがライノベか……。

 今川焼きのバイトをしながら食いつないでいた筆者の、記念すべきデビュー作、という設定にはぐっと来るものがある。が、作品の評価とは関係ない。

 というのが僕の感想なんだけど、これ書いてからためしにAmazonレビュー見てみたら、オール☆5つで大絶賛の嵐だったのでびびった。レビュアーはみんな中学生っぽかった。世代ギャップか。でもこの作者、俺と同い年だ。

★★☆☆☆

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陰陽師

 言わずと知れた、90年代陰陽師ブームの火付け役にして夢枕獏の代表作。舞台は平安時代、昼は人が、夜は妖物が跋扈する都、平安京。都随一の陰陽師、安倍晴明が、陰陽の術を駆使して源博雅とともに難事件を解決する、オカルティック・ディテクティブ・ストーリー! と言っても、バトルがあったり式神を飛ばしたりと派手な展開があるわけではない。出てくる妖物も、捨てられた女の怨念だったり、この世に未練を残すインド人だったりして、どこか物悲しい。そして清明の使う“術”や、博雅との“呪問答”は、哲学的で面白い。例えば「名前が人や物事を縛る」というのは、清明のように実際に相手を動けなくするわけではなくても、現代の我々が普通に経験することだ。(名前を知られると術をかけられる、という思想は西洋魔法にもある。)

 話が全てオムニバス形式で、1話につき1事件という構成もシンプルで読みやすい。名作は外れなくていいなぁ。

★★★★☆

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