面白い日常エッセイの書き方 5つのポイント

2005年4月27日 水曜日

「文章がうまく書けるようになりたい」というのは、多くの人に共通する願いではないだろうか。昨今のテキストサイトの隆盛やブログブームなどで、その時代的要請はますます強まっている。かくいう僕も、サイト運営の目的は文章力向上なのだが、これはなかなか強まらない。


 さて、サイトを開設した多くの人がまず題材とするのは、日常系日記、いわゆる日常エッセイなのではないだろうか。しかしひとくちに日常エッセイと言っても、人に読ませる文章にするためには、ただ漫然と1日の行動を記せば良いというものではない。気を配らなければいけない点は沢山ある。中でも抑えておきたいポイントは、次に挙げる5点だ。

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  • 情景描写
  • トラブル(イベント)
  • 会話文
  • 自己言及
  • 意外な展開

 まず、情景が解りやすく描写されているかどうか。
 日常とは自分の中であまりに当たり前の光景のため、つい省略してしまいがちだが、読み手を自分の文章に引き込むためにまず一番大事なのはここである。「いつもの店に行って、昨日と同じものを頼んだ」では読み手に何も伝わらない。しかし、意外とこうやって書いている人は多い。買い物に行ったのなら店の内装、人が出てくるならその服装、特徴、表情など、場面と登場人物を描写するだけで、文章の表情がいきいきとしてくる。

 次に日常の中のトラブルを描くこと。
 例えば、道を歩いていて火事を見かけたら? ケンカが起こったら? 大抵の人は足を止めてみてしまうことだろう。自分以外の身に起こるトラブルは好奇心をそそられる。人間誰しも野次馬なのだ。日常日記でも、日常の中に何らかの事件が発生すれば、面白い読み物になる可能性が高い。別に殺人事件や強盗事件が発生しなくても良い。恋人とのケンカでも、うっかり落し物でも、何か普段と違う出来事があれば良いのだ。
 トラブルでなく普通のイベントでもいいが、人間には野次馬根性があるので、トラブルの方が注意を引くことができる。

 そして会話文を効果的に使う。
 地の文がずっと続くと、改行も減るし文章が重たくなる。適度に会話文を取り入れたり、説明を会話で代用したりするのは、文章のリズム感を良くするのに効果的だ。かといって全部を会話文にすると、妄想日記文体になってしまうので、やりすぎには注意したい。

 しっかりと自己言及をすること。
 情景描写がしっかりしていて、意外なトラブルが発生したとしても、ただそれを記述するだけでは新聞記事になってしまう。エッセイで大事なのは話者の視点だ。「この事件に際して自分はこう思った」といった自分なりの考察から、「彼の立派な行為に比べて自分はどうだ」といった反省まで。この手法を突き詰めたものが“自虐”である。

 最後に、意外な展開を用意すること。
 題材が日常的であるからこそ、展開や結末まで日常そのままでは、まったくつまらないチラシの裏日記になってしまう。
 例えば、「デザートにケーキを頼んだ。きれいなケーキが出てきた。おいしかった」(普通・普通・普通)では普通すぎる。「ケーキを頼んだ。きれいなケーキだった。でもまずかった」(普通・普通・異常)や、「ケーキを頼んだ。刺身が出てきた」(普・異)など、崩しの展開が用意されていることが望ましい(ギャグでなくとも良い)。構成上、これがオチとして機能することも多い。
 出来事でなく、意外な考え方を提示するのもとても有効な手だ。「年金は払わないといけないと思いました。」「事件の一日でも早い解決を祈っています」などの、よいこちゃん意見が許されるのは小学生の作文までである。やりすぎて偽悪的にならない程度に、自分の中の悪のスパイス、天邪鬼な部分を効かせてみよう。

 さて、以上にあげたようなポイントを正しく抑えた高ポイントのエッセイを発見したので、模範作品として紹介させていただきたい。
らくだのひとりごと: 席を譲らなかった若者

電車の中の風景、立っている老人と座っている若者の対比など、情景描写が生きている。そして老人の聞こえよがしの暴言と、若者の暴論。適度な緊張感と、意外な展開、考えさせられる結末など、とてもよく出来た作品である。
(というかこれを読んでからこっちを書いたので、順序としては逆だったりもします。)


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コメント / トラックバック 8 件

  1. 津短 Says:

    あざーす!!
    とっても為になりました。
    確かにしっかりと文の構成を考えるのは必要なことですね。日々これを考えながら日常を過ごしてみます!

  2. 宮本 Says:

    いい機会なので、普段考えてることを書き出してみただけですが、参考にしていただければ幸い。さすがに、日常生活のとき(ネタ探し)にまで考えなくてもいいと思うけど、いざ書くとき(ネタ出し)のときに意識すると、書きやすくはなると思います。

  3. sekirei-9 Says:

    一億総表現時代に求められる基礎的スキル、随筆的エッセイの書き方のコツ。

  4. suzaku-s Says:

    昔の自分に教えられる

  5. とく Says:

    意味がわからない    「私゛中学です」

  6. こう3 Says:

    なるほどね・・・

  7. o2dase Says:

    面白い日記なら読み返したいよね!

  8. hioari96 Says:

    エッセイ

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