お客様は神様なんかじゃない

2009年11月6日 金曜日

こちらのまとめブログで、食品スーパーやコンビニで働く若者達の悲鳴が多数掲載されていた。食べ終わった食品の容器を持ってきて返品を求める客、半年履いてゴムが伸びたトランクスの交換を求める客…。これがモンスターカスタマーというやつか。

食品スーパーで働いてんだけど客がキチガイすぎて死にたい・・・:ハムスター速報

それにしても、こうした悪質な客が「俺は客だぞ」と威張り散らしている背景には、やはりあの言葉があると考えて差し支えないだろう。

「お客様は神様です」

お客様は神様ではない

近年では、まるでこの文句が、一般的な接客業や商売人の心得のように思われているむきもあるが、全くそんなことはない。お客様は神様ではない。天使なんかじゃない。少なくとも戦後のある時期までは。
もともとこの言葉は、三波春夫がステージで「お客様は神様です!」と言い出して、それを持ちネタとして使いまくって広まったものである。松下幸之助が行ったわけでもドラッカーが言ったわけでもない。ドラッカーは「顧客主義」を唱えるが、それはあくまで「顧客が何を求めているか、からスタートして製品、サービスを作るべきである」というマーケティングの側面を言っているわけであって、決して奴隷のような「お客様服従主義」ではない。

そもそも、店に来て威張り散らしているオッサンだって、自分の仕事になれば自分が客の相手をするわけだ。そこで客に理不尽なことを言われたりして、ヘーコラしてストレスがたまる。そのイライラを自分が客として店に行ったときに、店員に対して発散させる。
完全な負のスパイラルである。
みんなが少しずつ「いい客」として店員に親切にして、社会に配慮して暮らせば、もっと暮らしやすい世の中になるはずなのに、みんなで終わりのないガマン大会をしてしまっている。

これは、団塊世代の破壊的個人主義とかの影響もあるだろうけど、「お客様は神様です」というフレーズの影響は本当に大きいと思う。
「自民党をぶっ壊す!」しかり、「政権交代!」しかり、インパクトのあるワンフレーズというのは、非常に大きな力を持つ。
実際の意味とも別に、言葉自体が暴走をしてしまうこともある。

この「お客様は神様です」も、三波春夫としては使われ方が違う、と感じていたようだが…。

三波春夫にとっての「お客様」とは、聴衆・オーディエンスのことです。客席にいらっしゃるお客様とステージに立つ演者、という形の中から生まれたフレーズです。三波が言う「お客様」は、商店や飲食店などのお客様のことではないのです。
しかし、このフレーズが真意と離れて使われる時には、例えば買い物客が「お金を払う客なんだからもっと丁寧にしなさいよ。お客様は神様でしょ?」と、いう感じ。店員さんは「お客様は神様です、って言うからって、お客は何をしたって良いっていうんですか?」という具合。
俗に言う“クレーマー”の恰好の言いわけ、言い分になってしまっているようです。元の意味とかけ離れた使われ方ですから私が言う段ではありませんけれど、大体クレーマーたるや、「お客様」と「様」を付けて呼んで貰えるような人たちではないと思います。サービスする側を 見下すような人たちには、様は付かないでしょう。
三波春夫の舞台を観るために客席に座る方々の姿は、『三波の歌を楽しもう、ショウを観てリフレッシュしよう』と、きちんと聴いてくださった「お客様」だったのです。
「お客様は神様です」について

うーん。これは単に三波春夫が自分トコの客を特別扱いしているだけで、結局の所「誤った顧客第一主義」でしかないような気がする。よく、立川談志やキンコン西野なんかが客を叱りつけたりしているけど、それでいいんじゃないかと思う。ショウを観に来て居眠りしたり携帯電話いじったり野次を飛ばしたりするのは真っ当な客ではないだろう。

くだんのまとめブログでも、たまにしっかりと対応する店員のエピソードが出てくる。神様どころか、客ではないような人間には、しっかり対応しなくてはいけない。
しかしどれもこれも、「タブーを破った武勇伝」として扱われているのが気になる。

208 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/04(火) 03:42:20.50 ID:vjelyEogO
今日の先輩と客の会話凄かったな

客「なんだよ箸要るかスプーン要るかってよォ」
先輩「はい?」
客「一々聞くんじゃねぇよ!!」
先輩「テメェに売るために店やってんじゃねぇよ
気に入らないなら帰れ」

客「んだとゴラァ!?」
先輩「それ以上は威力業務妨害だ消えろ」
客「〆仝÷&@Σ^ω→д」

本当はいけません

217 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/04(火) 03:44:05.72 ID:1RGgv+930
>>208
その先輩かっこいいけど後でみっちり怒られるだろうねw

415 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/04(火) 04:41:11.23 ID:OYxj1jp90
某レンタルショップにて友人の例

客「借りたDVDなくしちゃったんですけど」
友「えっと…こちら延滞料金○○円と弁償で××円になります」
客「何で?高すぎだろ。弁償すんのになんで延滞金払うんだよ」
友「!?えっと…」
先輩「お客様こちら会員規約にかかれておりますので…盗難以外ではお支払いいただきます」
客「じゃあそれ。盗まれました」
先輩「でしたらまず警察に連絡して捜査いたしますので盗難に遭った日付と住所を云々」
客「あーやっぱ違います。」
先輩「それはどういう…」
客「あーもう分かったんで払います。ったく俺客だぞ!?この店サービス悪いだろ」
先輩「じゃあ退会してもらって結構なんでもうこないで下さい。あんたみたいのは客じゃないんで」

友人は感動して一発で憧れたって言ってた
先輩もべつに怒られたりはしなかったらしい
ちなみに県下最高売り上げの店舗

420 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/04(火) 04:42:34.07 ID:vjelyEogO
>>415
いい先輩だなぁ…

429 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/04(火) 04:44:55.26 ID:BgnIf/w/O
>>415
先輩かっけえwwwwww
食品スーパーで働いてんだけど客がキチガイすぎて死にたい・・・:ハムスター速報

別にいけなくないし、実に正当な対応ではないだろうか。店はサービスを提供する、客は対価を支払う。これは等価交換の関係であって、店は客の召使いではない。対価を支払わない人間、過剰なサービスを不当に要求する人間を、客として扱う必要はない。
しかし、今は確かにこれが普通ではない対応になっている。日本も、これが普通になる世の中にならなくてはいけない。

逆に、一番いけないのがこういうよくあるパターン。

86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/04(火) 03:01:33.80 ID:tQluUSoVO
そういや昔、レジ打ちの俺に客がキムチ持って来て
「これ異常に辛いの。舌がピリピリするの。
きっと腐ってるわ。返金するか交換して!」
って言ってきやがった。
そんなもんスーパーじゃなくて製造元に電話しろカスが!

とりあえず社員呼ぶと一応返金に応じてた。
なんでスーパーがそんなんしないといかんの?
食品スーパーで働いてんだけど客がキチガイすぎて死にたい・・・:ハムスター速報

こうして事なかれ主義で不当な要求に屈してしまうと、その人間の頭の中には「ゴネ得」という成功パターンがインプットされてしまい、どこに行っても同じようなことを繰り返すようになる。それは社会的コストの負担であって、たとえて言うなればよど号ハイジャック機をそのまま逃がしてしまうようなものだ。

「奴隷型顧客第一主義」から脱却しないと

かつて僕がバーテンダーをしていた時代にも、困った客というのはいた。

「なんだ…この店は、ジャック・ダニエルごときで一杯1200円も取るのか。」
―はい?
「河内屋いったら、1500円で一本買えるぞぉ!」
―ではお帰りになって、河内屋で買って家で飲んでください。
「なんだとぉ。俺は客だぞ」
―当店のサービスに納得してお金を払っていただける方がお客様です。
「……。」

こんな具合だ。(もちろんこれも僕の台詞ではなく、「客」と先輩の会話ですが)
BARでは、酒という液体を売るだけではなく、照明やBGMを調節し、マホガニーのカウンターで、仲間や、ときにはバーテンダーとともに雰囲気と酒とをゆっくり味わってもらう空間を提供するものだ。場所代だけでなく、バーテンダーの人件費もある。全て合わせた値段が1200円だ。それが分からない、払えないなら帰ってもらって結構、というのは、何も変なことではない。

接客業じゃなくても、日本の「奴隷型顧客満足第一主義」には問題がある。こういう社会を放置しておくと、日本はいつまで経っても過労死と低生産性の泥沼から抜け出せない。ワーク・ライフ・バランスなんてありえない。
この辺については、海外ニート氏の言説に完全に賛同するものである。

「海外に行くと、お客様は神様ではない」。まさしくその通りw。日本じゃどんな理不尽な言いがかりでも、客がモンスターカスタマーぶりを発揮すれば店員は平謝りだろうけど、海外じゃ普通に怒鳴り返されるし、苦情の電話もキレられて途中で切られたりするからなw。

「奴隷型顧客満足第一主義」についても激しく同感だよ。日本のクソ労働環境の一番の原因は客の無茶な要求と、それを断る事が出来ない過剰なお客様第一主義にあると思う。金曜の夕方に急に案件が入って来て、週明けの月曜が納期だとかw。そんなん断れよww!それが日本では「仕事だから」の一言で休日返上当たり前。文句垂れてるヤツは「やる気がない」、「熱意がない」、その果てには「仕事を優先出来ない人間は社会人失格」なんて暴論をしたり顔で言いやがるからな。もちろん過剰なまでの「奴隷型顧客満足第一主義w」のしわ寄せは従業員にやって来る。たかが仕事で休日返上? プライベートの予定全部キャンセル? ああ、マジで日本じゃ仕事「様」最強だなww。
みんなで休まず、みんなで不幸になろうキャンペーン実施中w。 ニートの海外就職日記

社畜丸出しの発言をしたら叩かれる風潮を作ろう!

いい客になろう

でも、海外に行くと、やっぱり日本の親切できめ細やかなサービスは、良いものだなとしみじみと思う。日本人のおもてなし精神も大事にしたい。
そのためには、客側もいい客にならなければいけない。
理不尽なことは言わないようにしよう。
いい接客をする人がいたら気持ちよくお礼を言おう。
そして、ガマン大会社会ではなくて、おもてなしと気配りの日本社会を取り戻そう。

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コメント / トラックバック 5 件

  1. 2009/11/07今日のニュース系。 | ごみおきば Says:

    [...] お客様は神様なんかじゃない | 九十九式 [...]

  2. ニィト Says:

    ドラマやマンガなんかでも「奴隷型顧客第一主義」賛美がよくされてますね。
    モンスターカスタマー(実は権力者or金持ち)に尽くした主人公が取り立てられたり、
    引用レスの「先輩」的な対応をした人が悲惨な目にあったり。
    最近、児童向け番組でも似たような展開を見て暗い気持ちになりました。

  3. 宮本 Says:

    ありますね。日本社会の宿痾と言ってもいいかも知れません。
    奴隷病に冒された人が作る幼児向け番組は幼児に害ですね。

  4. BeepCap Says:

    もてなしも、客の態度も

    品位の問題だからなぁ。

    生きる事にプライドの無い人が増えてきたなぁ。

  5. 宮本 Says:

    そうそう、常軌を逸したクレームは、品性を欠いていて見苦しいものですね。

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