マニフェストサイト
(朝日新聞の2002年9月13日夕刊11面から引用)
【自虐的な笑いから正論まで】
●テキストサイト大全
テキストサイト(文章中心のウェブサイト)は、手軽さゆえにネット黎明期から多くの個人によって運営されてきた。中国製二足歩行ロボット「先行者」(見た目オンボロ)をネタに笑い倒したサイト「侍魂」が、昨年、一日二十万ヒットを達成したのをきっかけに「ジャンル」として注目を浴びた。
内容は日記形式が多いものの、文章を中心に表現されたものならなんでもありだ。ちなみに現在の有名どころ「ちゆ12歳」は、バーチャルアイドルによる日記、という念のいった設定。
で、何が面白いかって?
玉石混交は当然として、自虐的な笑いがあり、書き手の体温すら感じられそうなリアリティーがあり、特定分野の情報収集に利用でき、時に目から鱗の「正論」を見いだせる……とこれも千差万別。
人間って、場所さえあればなんだって「表現」するものだとつくづく思う。そして、その場が長続きすると、そこに文化が生まれる。今まさに成熟した(?)「テキストサイト文化」の高らかな(でも、少しいじけた感じの)マニフェスト。
(432字)
作家・川端裕人 評
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とうとう天下の朝日新聞様に書評が載るとは、テキストサイトも出世したものである。くぼたんは切抜きして実家に送ろう!
とりたてて言うべきことは書かれていないが、それは夕刊の「エンターテインメント読書」の評として、読む人に本の内容を説明するのが目的だからだ。評者の採点や批評や助言を読ませるためのものではない。
そのせいで「テキストサイトの説明」に終始して、「テキストサイト大全の説明」は最後の一行だけなんだけど。
まぁ「大全」自体と同様、「テキストサイト」ってのを初めて知る人も想定したならしょうがない。
しかし何より驚いたのは、本の帯が、『侍魂 健 ちゆ 12歳』と大書きされた、先行者&猫耳娘2人組(さくらとちぃモドキ)のあざといイラストに変わっていたことだ。いや、確かに先行者はオモロで猫耳はかわいいと思うけどさ…。これが表紙面積の七割以上を占めるってのはどうだろう。これじゃテキストサイト本というより、先行者&ちゆ本にしか見えない。世間的にはこれでいいのかな?
(433字)
忍者・宮本勇次郎 評
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(1)その著作物を引用する「必然性」
(2)質的にも量的にも、引用先が「主」、引用部分が「従」という主従の関係
(3)引用部分をはっきり区分
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