58秒の白昼夢 「大の大人がだよ?」
それにしても、ネットへの流出というのは、本当に怖いですね。実は僕も、最近ファイル流出の被害にあったんです。これ、書いちゃってもいいのかな? まぁいいか。
僕は今フリーでやってる仕事があって、それは色々なものを見たり聞いたりする仕事なんですが、そのとき山梨にいたんです。仕事の内容は“M”というグループのコンサートの舞台裏を取材する、というようなものでした。で、もう取材も数回目ですから、それなりにメンバーとも打ち解けていて、僕はそのとき出番待ちのI・Rさんと談笑していたんです。
そのコンサートでは、途中にメンバーによる寸劇があって、そこでT・Rさんが猫に扮して「にゃ〜〜」と鳴くシーンがあるんですね。そこで、一部のイカれたヲタ共が、
「ハァ━━━━━━ ;´Д` ━━━━━━ン」と合いの手を入れることを提唱したからさぁ大変、ですよ。もうね、地獄絵図。ステージ側から見てるとマジで怖いですよ。メガネをキラッキラッさせながら、嬉々として裏声で叫ぶオタ。キモすぎ。
ところがこの時の、舞台袖での僕とI・Rさんとの会話が、ネットを通じて流れてしまったんですよね。I・Rさんはワイヤレスマイクを付けていたんですが、このときもオンになったままで、音声が拾われていたようです。それを会場で傍受したか、スタッフから流出したか…。
これを聞いた一部のオタは「バカにされた!」とか怒っているようなんですけど、どこがですか? あんなことされたら、無視するか呆れるかしか選択肢無いじゃないですか。普通、「バッカみたい」とか「気持ち悪い」とか、眉をひそめて終わりですよ。
でもI・Rさんは優しい人ですから、そんなことは言わないんです。思っても言わない。いや、ひょっとしたらそこまで思わないのかもしれない。I・Rさんは、「お客さんがさ、『ニャー』のとこさ、フ〜〜〜だよ、大のオトナがさ。ニ〜〜〜ッて。おっかし〜」と笑ってくれたんです。ああ、何という優しさ。
それにしても、自分の声を録音したものって、恥ずかしいですね〜! 僕ってこんな声だったかなぁ。
という白昼夢を見た4月でした。
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