朝鮮語・韓国語・ハングル語?
2004年9月17日 金曜日
この間、スマップの番組で「朝鮮語」という表現が出てきた。珍しいな、と思ったら、北朝鮮の人民が喋る言葉のことだった。北朝鮮人が喋ったら「朝鮮語」、韓国人が喋ったら「韓国語」NHKが喋ったら「ハングル語」というわけか。いやそもそも、TVで「朝鮮語」と聞いて「おや?」と意外に思う、という状況自体がおかしいのではないか、とも思うのだ。
最近ではどうも「韓国語」という表現が定着して主流になりつつあるようである。言語は、原則的にその国名でなく民族名が優先されて付けられるはずだと思うんだけど、どうだろう。
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ブラジルの人はブラジル語なんて言わないし、アメリカ人でさえアメリカ語とは言わない。国で言語名が決まるとしたら、ドイツ語とフランス語が共存しているスイスなんかはどうなるんだ。これはちょっと違うケースだが、スペインにはいわゆるスペイン語の他に3つ言語があるが、それも民族に根ざした呼び方である。
ちなみにハングル語とはNHKの語学講座用の造語。“ハングル”はあくまで文字のことなので、例えば「平仮名語」とか「アルファベット語」とか言うのと同じように不自然な表現。南朝鮮の国名は韓国だけど、民族的、言語学的に朝鮮語なら朝鮮語でいいと思うのだが。NHK的に「ニュートラルなスタンスを貫く」ということで、韓国に配慮した結果なんだろうけど、「ハングル」は南での呼称で、北では同じ文字のことを「チョソングル」と呼んでいるのであり、結局は南に肩入れする結果になっている。それだったら妙な特例を作らずに、普遍的な原則どおりでいいんじゃないかと思うのだが。