クリティカルブログとフィーリング日記
2005年9月28日 水曜日
(読書感想文24)
クリティカル・コミュニケーションとフィーリング・コミュニケーション
『わかりやすく伝える技術』という本を読んだ。
この本では、「クリティカル・コミュニケーション」と「フィーリング・コミュニケーション」という概念が紹介されている。
わかりやすく伝える技術
藤原慎也
- クリティカル・コミュニケーション
…わかりやすく、正確。仕事をする上で有効。 - フィーリング・コミュニケーション
…察する、効率的。日常生活で使われる。
“クリティカル~”は、多民族社会や取引相手など、背景や思考が共有できていない相手に、正確な言語表現でこちらの意図を伝えるコミュニケーションである。
対して“フィーリング~”は、日本社会や親しいもの同士など、雰囲気で意思の疎通を図るコミュニケーションだ。
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クリティカル~は、ちょうど論説ブログのようなものだろう。培ったデータや調べた情報を元に、多くの人が納得できる論理展開を駆使して的確に説明する。ちなみにここで使われている「クリティカル」は「批判的な」ではなく「正確な」という意味だ。
するとさしずめ“フィーリング~”は日記である。著者の指摘によると、会話中に「そういえば…」でどんどん主題からそれていってしまう人はフィーリングタイプだそうだが、これはまさにWEB日記的手法である。日記系の場合、書き始めるまで何を書くか決まっていない人もいる。
この2つのコミュニケーションは、どちらが優れている、劣っているというものではなく、両方必要なものだと思う。恋人に「私のどこが好き?」と聞かれていちいち論理展開を考えてもしょうがないし、時事ブログで「なんか小泉うぜー」だけ書いていても誰も相手にしてくれない。大事なのは、両者を適切に使い分け、あるいは適度に混ぜて意識的に利用することだろう。と自分を棚に上げて思うのである。