AKB48 大島優子の愛と覚悟
“総選挙”というのは、政治のパロディであり、いかにもふざけたネーミングだが、一体今の時代に、本来“総選挙”を行なうべき政治の世界にここまで国民の関心を引きつけるチカラがあるだろうか。国民の期待を付託さるべき代議士たちに、AKB48の少女達のような熱情と本気はあるだろうか。
日経新聞には、『AKB総選挙と株式投資の違い』と題してこんな分析が載っていた。
どちらも過度にのめり込むべきではないという点は共通している。ところが、AKB総選挙は多くの人を夢中にさせるのに、株式投資には多くの人が背を向けている。AKB48のメンバーは「ファンの期待に応えて頑張ります」というけれども、企業経営者はしばしば「株主だけのために会社を経営しているわけではない」などと発言して白けさせる。若い人がほとんど買わない現実に、もっと危機感を持つべきではないだろうか。AKB総選挙と株式投資の違い :マネー底流潮流:マネー :日本経済新聞
しかし、まず危機感を持って反省すべきは、まったく民意を反映しない茶番劇で、若い人は言うに及ばず、国民全てを白けさせている政治の世界の方だろう。
とは言え確かに、握手券や投票券を魚にしてCDをまとめ買いさせる手法、いわゆる『AKB商法』は非道い。この辺のアコギさが仕掛け人秋元康の商魂なのだろうけど、そのエグさがあまりに前面に出過ぎていると感じることもある。
だがしかし、今回の“総選挙“で、前回1位、今回2位の大島優子が宣言したメッセージには、一種ラジカルなまでの覚悟を感じた。こういう人材がいるから、「単なるアコギな商売」で終わらずに、ぎりぎりのところで夢を見させることが出来るのだろう。
「選挙はひとり1票じゃないの?」
彼女は、総選挙2位の壇上で、こう語った。
第三者はいろんなことを言います。
「この票数、ひとり何枚も買って本当に総選挙と言えるの?」「選挙はひとり1票じゃないの?」…ですが、私たちにとって、票数というのは皆さんの愛です。
去年は1位になって、「ヘビーローテーション」のセンターに立つことができました。私にとっても大切な曲です。次のシングルでは2位ですが、同じく一生懸命しゃかりきに踊って歌いたいと思います。たくさんの愛をありがとうございました。
順位発表のプレッシャーで泣き出すメンバーも多い中、彼女は涙をこらえ、笑顔できっぱりと挨拶し、ふかぶかと頭を下げた。
さすがは『マジ女』、ラッパッパの頂点。トップに立てるものの心意気を見た。
この覚悟の凄みは、別にこのあざといAKB商法は、彼女たちが考案したものでも何でもない、というところにある。CDの売り上げが直接彼女らの懐にはいるわけでもないし、未成年が金をつぎ込んだりして批判されていることについて、大島優子が心を痛めていないわけがない。しかし、それでも大島はそれを代表して引き受けたのだ。
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それは単なる自己犠牲ではない。純粋な覚悟だ。
「票数は愛」発言の本当の意味
AKB48というプロダクトには、多くの人間が関わっている。大人達が構築した抱き合わせ商法であっても、そこには彼らの生活がかかっている。事務所、FCを運営する彼らにも家庭があり、養うべき妻子がいる。そして、AKBが躍進すれば、それだけメンバーやチームの仲間達、そして自分夢の実現にもまた近づける。
つまり大島優子は、AKB48というシステム全体を、その小さな体で背負う覚悟を見せたのだった。
無論この言葉は、第一義的には、世間からの批判や嘲笑によって、少なからず傷ついているであろうファン達に向けた優しさ、「愛」の返答でもある。
このひたむきなまでの優しさと覚悟に対しては、どんな批判の言葉も意味を持たない。
選挙の結果が1位なのに「私のことは嫌いでもAKBを嫌いにならないで」と涙ながらに懇願するのがやっとの前田と、たとえ2位でも、笑顔で全てを引き受ける大島優子。
確かに、AKBの「顔」は前田敦子かも知れない。しかし、その覚悟と優しさでファンとメンバーを引っ張り、本当の意味で最強集団の「トップ」に立てる人格は、大島優子だけなのだろう。
2011年6月15日 at 07:05
>さすがは『マジ女』、ラッパッパの頂点
2011年6月17日 at 10:44
全く共感できます。素晴らしい発言ありがとうございました。私も優子ちゃんの人格が大好きです
2011年6月17日 at 11:41
優子のことそんな
に評価していただけて
優子の人間性に惹かれて
ファンになったので
凄く嬉しいです!!
彼女はもっと
認められるべき人です。
それだけの器も
実績もあります。
だから本当に
嬉しかったです。
ありがとうございました
2011年6月18日 at 17:39
優子ファンの中で話題になっており拝読しましたが、
本当に感動しました!!
優子の発言と凛とした振舞いは、本当に素晴らしかった。
けれど、一部では批判を受けたり、メディアでは前田さんの「名言」だけが取り上げられたり。。。
ファンとして、もどかしい思いをしてきました。
それでも、自分たちには優子の真価を分析してロジカルに言葉にする能力も、
広く発信する力もなくて・・・
この記事を読み、多くの優子ファンが救われた気持ちになったと思います。
温かく素敵な言葉で優子を表現して頂き、本当にありがとうございましたm(__)m