『テキストサイト文化』は世代論
僕が同時期からテキストサイトを運営(今もだけど)していたから余計にそうなのかも知れないけど、テキストサイト論って世代論だよなあ、と思うんですよ。
バーグハンバーグバーグの来歴
おもしろサイト『オモコロ』を運営している会社、株式会社バーグハンバーグバーグ。
オモコロ自体もユルユルでおもしろいんですが、最近ではネット系企業のキャンペーンページや求人ページを作ったりなどしていて、その独自のセンスと、ビジネスページにあるまじきぶっ飛んだふざけ具合が話題になっています。
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で、この会社、バーグハンバーグバーグは、元『ゴブリンと僕』のシモダ氏が立ち上げた会社。
まさに旧テキストサイト管理人がそのままテキストサイトを作り続けているような夢の会社なんですね。
先日、「代打日記」という、90年台~00年代初頭に流行ったテキストサイト文化内の風習について触れたのは、カフェオレライターのマルコさんがこんな文章でバーグハンバーグバーグを紹介していたからです。
こうした経緯からか、オモコロに所属するライターはかつてのテキストサイト文化を担った個性派ばかり。
一部をご紹介しましょう。ニスィーベ氏・・・ヌ・ギッツィーニ
四万十川氏・・・Web冷え汁
おやつ氏・・・ペパーミント
ヨッピー氏・・・オレイズム
ヤスノリ氏・・・俺とパンダ3
原宿氏・・・桃色核実験
鎖骨氏・・・ファンタ(中略)
本ブログでも何度か書いてきた通り、2000年代前半花開いたテキストサイトという文化。
その盛り上がりを支えていたのが彼らだったのです。
こうして見ていくと、バーグハンバーグバーグがぶっ飛んでいるのも、何ら不思議ではありませんね。テキストサイトからオモコロへ。そしてバーグハンバーグバーグへ。
どこかへ消えてしまったと思われがちなテキストサイトの管理人たちですが、今も変わらず全力で走り続けているのでした。 最近ネットを騒がせているバーグハンバーグバーグのルーツ – ネットナナメ読み – 山田井ユウキ – builder
テキストサイトキワ荘
テキストを書くか、テキストサイト仲間と麻雀でもやるくらいしか楽しみの無かったあの頃。
「あー、いつかニッキを書くだけでお金がもらえるようにならないかなー。あ、それチー」などとぼやいていたもんです。
しかし時は流れ、彼らは実際にニッキ(ネタテキスト)でお金がもらえる会社を作ってしまった。
テキストサイトの「上がり」としては、よく作家やライターになることが挙げられますが、テキストを書くこと自体をそのまま仕事に昇華することに成功した彼らは、まさにテキストサイトの成功者と言っていいのではないかと思います。
それにしても、バーグハンバーグバーグを立ち上げたシモダさん、そこで初めての就職した原宿君を始めとして、ライターになった岩倉、マコ知、テレビプロデューサーになった相沢など、結構みんなクリエイティブ仕事で活躍している。(夜逃げして行方不明になったものもいるが)
藤子先生の名作まんがに『まんが道』という自伝的作品がある。藤子先生らがデビュー前に住んでいた安アパート『トキワ荘』には、その後漫画界で活躍することになる大勢の才能が集っていた。
テキストサイト、リードミーは、僕らのトキワ荘だった。
…というと言い過ぎというかそんな大層なものでは全然ないけど、高校の部活か大学サークルみたいな雰囲気はあった。
うん。「俺らの代で終わった大学サークル」というのが一番近いかも知れない。
僕? 僕は大学卒業後も、社会人の同好会として続けている感じ。
テキストサイト論は確かに世代論である。しかし、テキストサイトそのものは過去の遺物ではない。今も生き続けるネット文化の傍流なのだ。
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2011年7月5日 at 21:16
竹田…