字数
毎日更新という制約を撤廃した今、ぼくがより自由に日記を書けるようになったかというと、そうとも言い切れない。「自由」は、人々を魅了してやまない価値観ではあるけれど、この世に無制限の自由は存在し得ない。「何をするのも自由」がウリのネットRPGだって、「仮想世界の中でプログラムにしたがってキャラクターを操作する」という大元の制約が無ければゲームとして成り立たない。
最近の九十九式は字数の制限に挑戦している。テーマは自由、更新頻度も自由。しかし字数は800字。人間とは弱いもので、ラクをしていいとなれば水の流れるが如く、いくらでもラクな方向へ流されていってしまうし、自由を手にすれば何をしていいのか惑ってしまう。
字数の制限は、ぼくにとってはちょうど良い塩梅の制約である。元々、九十九式の開設動機の一つには、「文章力の向上」というものがあった。まぁ一口に「文章力」と言っても、表現力だったり構成力だったり、人によっては論理性だったりするが、個人的なアレとしては、漠然と総合的な文章能力、を念頭に置いていた。そこで3月からは、明確に「構成力の向上」を図るために発起したわけである。
800字と定めたのには、いくつかの理由がある。まず、もっとも一般的な原稿用紙の字数が400字で、その2枚分であること。体感字数として原稿用紙サイズに慣れておくためである。
もう一つは、実際に読まれる時の長さ。ある調査によると、対象が400字の文章を読むのに要する時間は30秒、600字の場合は45秒、800字で60秒であった。一般的に、一つのサイトの滞在時間は、1分半以内と言われている。定期的な巡回や、初めてみる場合はも1分程度だろう。
短くした結果、支離滅裂になったり、つまらなくなったりしては本末転倒だが、長すぎるためにオチまで読んでもらえなかったり、途中を飛ばしてオチだけ読まれてしまったりするよりはマシである。
・字数をそろえる作業には、HTMLの整形にも似てパズル的要素があってちょっと楽しい。完全なる自己満足の世界。
・日本リサーチセンター(NR)によると、日本のインターネットユーザーの1サイトあたりのTSS(平均滞在時間)の全平均は82.9秒である。
http://www.nrc.co.jp/market/g1/l201g27.html
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