読書感想文(2) 生首に聞いてみろ
2005年1月27日 木曜日
メドゥーサの悲劇をモチーフにした、石膏像をめぐる事件。キーワードはタイトルにもあるとおり“首”。美術関係のうんちくも楽しく、事件の組み立ても非常によく出来ているが、そこまで。まず事件ありきで成り立っているような感じで、謎解きの楽しさ以上のものは感じられなかった。
いや、それがミステリ小説でもっとも重要なポイントなのかもしれない。そう考えると通が選んだ『このミス2005』1位も納得がいく。僕ももっと本気で、パズルを解くように犯人と事件とトリックについて考えながらじっくり読めばもっと面白かったのかもしれない。読み方を誤ったか。
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探偵役が“法月輪太郎”なのにはびっくりした。自分 主人公かー! 京極堂より露骨だ。途中で父親が警視役で出てきてコンビを組んだところから、ビジュアルイメージがライト&夜神局長(『DEATH NOTE』)になってしまった。いい加減漫画イメージから離れたいところだ。
デビュー作の『密閉教室』が面白いらしいのでいずれ読んでみようと思う。
★★★☆☆
2005年1月28日 at 12:41
http://d.hatena.ne.jp/tk-mokami/20041225#p1
読んじゃいましたか。
読む前に「それイマイチだよ」と言うわけにもいかず
「もしかしたら気にいるかもしれないし…」とか思いながら
ただ見守ることしかできませんでした。
by TK
2005年2月1日 at 03:03
読んじゃいましたよ!
TKさんもやっぱりそう思いましたかー。
すれっからしの推理マニアにはたまらんものがあるんですかねぇ。
「見事なトリックだ!」とか「素晴らしくロジカル!」とか。
2006年1月11日 at 10:23
(1)作家の名前が小説の主人公の名前。(2)主人公の父が警視。
これらはアメリカの推理小説家エラリー・クイーンのシリーズ作品にもその要素が当てはまります。法月倫太郎が先人である彼らに対し敬意を表してオマージュしたと考えるのが自然でしょう。
2006年1月12日 at 10:58
なぁるほど!
ありがとうございます。