何かと話題の『戦国鍋TV』を見てきた (撮影現場レポ)
この間、『戦国鍋TV』の番組観覧に行ってきたので、そのレポート。その前に、そもそも戦国鍋TVとは何かについて説明。
『戦国鍋TV』とは何か?
戦国鍋TVとは、独立U系ローカルで放送されている、「なんとなく歴史が学べる映像」というふれこみのバラエティ番組である。
これがまた、日本ブーム・歴史ブームもここまで来たかという感じの、非常に世紀末感が漂う新世紀歴史バラエティなのである。
基本姿勢は「現代に武将がいたら」というスタンスのコンセプチュアルパロディ、ないしコントと思われる。
その一部を紹介すると…
『戦国サポートセンター』
現代的なサポートセンターに軍師(竹中半兵衛ら)が待機していて、戦中の武将から電話がかかってくる。
『戦国武将がよく来るキャバクラ』
現代ではいまいち知名度の高くない武将がお忍びで来るキャバクラという設定。その武将が自分の手柄や生涯をキャバクラ嬢に語る。
『戦国ヤンキー 川中島学園』
武田信玄と上杉謙信の対立を、『CROWS』実写版風の現代的学園ヤンキーマンガに見立てたミニドラマ。クライマックスの川中島の戦いまでを描く。
『大坂ハイスクール 高校与太郎爆進ロード』
大阪の陣を、昭和のヤンキードラマに見立てたもの。完全に『B-BOPハイスクール』。『川中島学園』の後枠で始まった。
『MUSIC TONIGHT』
「戦国時代に音楽番組があったら」あるいは「現代に武将が歌手デビューしたら」というコーナー。
「賤ヶ岳の七本槍」「天正遣欧少年使節」などが音楽ユニットとして歌を披露する。
これらの異常な設定で、しかし実際の戦や史実をモチーフにしながら、大まじめかつ大ふざけで作り込まれているバラエティ番組なのだ。
その真面目なふざけ具合は、例えば『大坂ハイスクール 高校与太郎爆進ロード』と『B-BOPハイスクール』の映像を見比べてもらえばその真面目度が、「天正遣欧少年使節」を見ればその本気度が伺えよう。
YouTube – 戦国鍋TV 「大坂ハイスクール」 第01話
YouTube – ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎哀歌 予告編
「っか~、シャバ~い!」
シャバすぎて完全に一致。(わざわざフィルム撮りしているらしい)
YouTube – GO!天正遣欧少年使節
やだ、かっこいい…。
そしてこの度、この『MUSIC TONIGHT』の観覧に行ってきたのであった。(ここまで前フリ)
番組観覧へ
都内某所の撮影スタジオまでバスで移動すること15分…。着いてみると、女性しかいなかった。
これはいわゆる「歴女(歴史好きの女性)」というやつなのだろうか。いや、それもあるだろうが、「天正遣欧少年使節」の構成メンバーが、特撮やテニミュなどのいわゆる「若手イケメン」枠だからなのだろう。この辺のファン層はかなり重なっているものと思われる。
ちなみに、この日は150人くらいの観覧車がいたが、男性は宮本を含めて4人しかいなかった。
スタジオにはいると、『賤ヶ岳の七本槍』『Go!天正遣欧少年使節』の2曲がずっとエンドレスで流れていて気が狂いそうになる。
待つこと20分。この間、観覧希望者はスタジオの床に座ってぼんやりと待っている。
やがてスタッフの動きがあわただしくなり、準備が整ったようだ。
収録は、まずはトークパートから始まった。
ネタバレ警報発令
ここからは、今後の放送で明らかになる部分を含んでいますので、ところどころ文字を隠しておきます。別にネタバレを気にせず全部読みたい、特に気にしない、という方は、こちらのボタンをクリックして、全て表示されるようにしてください。
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以前行なわれた「スタジオライブ」の回の様子を見ていると、普通にスタジオトークを観客席に座っている人たちが見ている、というような絵面に見えた。
あの映像を見て、気付いた人はいなかっただろうが、実はこれ、椅子なしで全員地べたでした!
小学校の全校集会で、体育館に集められた子供立ちのように、全員体育座りで天正遣欧少年使節のお話を聞く僕ら。(まぁ別に季節的に寒くもないし、そんなに長時間でもないし、別にいいんですけど…。この人数分椅子を調達したら、それだけで一仕事ですしね。)
というわけで、体育の授業のように、まずは整然と10人×15列で整列し、その場に体育座りをして、トークの収録準備。最初に、司会の若手芸人コンビ、のさらに後輩の若手芸人が出てきて、前説をする。コンビ名は最初に早口でちょろっと言っただけだったので全く聞こえなかった。割と面白かったのに勿体ない。ここで
この日は、「いいともに観覧に来ている芸能人」の体で、ナントカ神父が客席に紛れ込んでいる、という小ネタが仕込まれていた。
まぁトーク自体はオンエアで見られるように、時折英語を話す天正遣欧少年使節のメンバーとユルいやりとりと司会のヌルいツッコミが入るいつものノリだったので、特筆することはない。
……と思ったが、なにやら様子がおかしい。
千々石ミゲル「僕たちは今日で解散することにしました」
えーっ。割と本気で驚く客席。「やめないで!」「やめないで!」仕込みじゃない客席から飛ぶ声。(いつも思うんですけど、『いいとも』でもなんでも、ああやって堂々と叫んじゃう人ってどういう精神状態なんでしょうか。浮いちゃったらどうしようとか心配にならないのかな…。ま、それはさておき)
ここら辺でもうみんな
そのままセットを右から左に移動して歌の収録。実は同じスタジオ内で地続きのセットの右端と左端で収録しているのだった。
事前にテレビ画面で『Go!天正遣欧少年使節』のビデオが流され、スタッフから「最後の『ゴーゴーゴー!』だけ皆さんで合わせて手を挙げてくださいね」という注意が入る。が、わざわざこんな所まで来るような人の中で、この曲を知らないような人もいないんじゃないだろうか。ひょっとすると撮影スタッフよりも詳しいぞ、というくらいに気合いの入った婦女子達に囲まれ、宮本、タイガー。
歌の収録時には、ステージをぐるりと囲むように観覧者が配置され、ライブステージっぽく見せている。以前放送で見たときよりも全体の人数が少ないようで、2~3列しか囲めていなかったので、実際の絵がどうなっているか若干心配である。また、ライブの盛り上がりを演出するために、スタッフからアイドルコンサートっぽいウチワが支給される。(これは終了後に回収されました)
実際のステージを至近距離で見てみると、口パクとはいえ、なかなか迫力といわゆる「芸能人オーラ」があり、相葉弘樹(シンケンブルー)と村井良大(ディケイドのユウスケ)はちゃんと踊れる人なのだなあ、ということがよく分かる。楽しくなってきて、カメラにあまり写らないように気を遣いつつ、「GO!GO!GO!」とコール。テンション上がってきた。間奏で思わずロミオをしそうになる衝動をぐっとこらえ、タイガー。
歌い終わると、
伊東マンショ「僕たち、普通のキリシタンに戻ります。」
「えーっ」
惜しむ声を背に受けて、下手にはけていく天正遣欧少年使節の4人。なんとなく微妙な間になって、一拍おいて拍手で終わった。
ちなみに、あまり「マンショ!」「ミゲル!」等と呼ぶ人はいなかった。
ここで出演者の衣装替えのためにしばしインターバル。
その間、観覧者達の間では
「相葉さん、OKでーす」の声と共に、
ベイズ!来たこれ!これまで、コーナーの開始時に「兵衛’zのお二人で『○○○』でした」というネタだけだったユニットが、ここで実際に登場した。まだ3ネタ目なのにもう架空ユニットとは…。
で、歌の方はというと
更に今夜は
えーっとなんだっけ、それ。会合衆(えごうしゅう、かいごうしゅう[1])とは、室町時代から安土桃山時代の都市で自治の指導的役割を果たした評定組織またはその組織の構成員。とくに堺におけるものが有名。
会合衆 – Wikipedia
ああ、なるほど…。そういえばそういうの学校で習ったような気がする。
あ。ここでようやく気づいた。これまでの歴史アイドルユニットは、それぞれ
賤ヶ岳の七本槍 → 光GENJI
天正遣欧少年使節 → 少年隊
というパロディだったのかもしれない。
なるほど、なるほど。得心した僕らは、帰りに『兼次くんTシャツ』を買って帰路に就いた。
詳細はおそらく次回かその次かに放映される『戦国鍋TV』をご覧ください。
放送局、時間帯はこちらでチェックだ。『戦国鍋TV~なんとなく歴史が学べる映像~』番組ホームページ