激しくフォントいじりの『走れメロス』

2011年5月14日 土曜日

かつて、『フォントいじり』というWeb文章技法がありました。(今でもどこかで使われていることとは思います。)

テキストサイト界隈では、クソゲーレビュー系(いわゆるABC文体)から、痛い系と言われる自虐テキストサイト群、『侍魂』でピークを迎え、それから「いわゆるテキストサイト」とともに、あまり見かけなくなりました。
当時、いわゆるコジャレ系の系譜、かつ日記道を修行していた僕としては、
「あんな演出に頼るのは邪道だ」
「日記者なら装飾なしのシンプルなテキストで勝負するべきだ」
なーんて考えていたんですが、今にして思えば、紙媒体と違ってレイアウトの制約も、カラーの制約もないWebという媒体をうまく使った技法なんじゃないかな、と思います。(雑誌で、黒背景で5色刷でフォント拡大しまくりとかやったら、金と時間がかかってしょうがないですからね)

で、ついこの間発見したこのページで笑ってしまいました。

走れメロス

あの名作文学『走れメロス』を青空文庫よろしくそのまま掲載したものなんですけど、青空文庫と違う点は、激しくフォントいじりがなされている点。
フォントサイズ=6フォントカラー=red、そして懐かしのマーキータグなどにとどまらず、後半に行くとチェックボックスなども乱舞し、どんどんとカオスな世界に足を踏み入れていくメロス。果たしてメロスは、刻限までに王の元にたどり着けるのか!?

あと何がすごいって、このページは、昔書かれたものが今発掘されたんじゃなくて、つい先日に新しく書かれたものだ、と言う点ですね。

2011/05/12 文章:走れメロス更新 主食はザリガニ

恐るべし、ダ・ヴィンチ・恐山。

その他なつかしのキーワード

さるさる日記が終了、ということで、いろいろこの10年間のネット文筆活動を思い出してノスタルジックな気分に浸った人も多かったようです。俗に十年一昔と言いますが、インターネット会の10年ってもう一昔どころか半世紀前、位の気分になりますよね。

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『さるさる日記』が滅ぶべくして滅んだ本当の理由 | 九十九式式で「さるさる日記」が6月末に終了ということを知った。web サービスとしての在り方やなぜ終了しなければならなかったとかは九十九式さんを読めばわかるとして、「さるさる日記」というキーワードに甘酸っぱいような懐かしい気持ちを覚えました。以下ダラダラと回顧話です。

ちょうど私がインターネットをよく使うようになった頃はテキストサイトの全盛期で、フォント弄りをふんだんに盛り込んだネタテキストを楽しく見ていたことを思い出します。で、自分も何か書いて公開してみたいと思った時に選んだのが web 日記サービスでした。

正直な話、私自身「さるさる日記」からは長いこと遠ざかっていたので「まだサービスが稼働していたのかぁ」とびっくりしましたが(失礼)、ライコス、メモライズ、エンピツ(ここはまだ現役の模様)、日記猿人(才人)、ReadMe!、テキスト庵…と色々な懐かしのキーワードがよぎりました。この辺に書き手としてなじむ前にブログの登場があってそっちに移行したのであまり語ることもないんですが…。WebsiteMAP βVersion > テキストサイトの歴史を読むと当時の流れがよくわかって面白いです。 さるさる日記終了とか(雑記) / てんぷれす@mypress

当時はあれほど蛇蝎のごとく敵視していたフォントいじりも、こうして同時代の記憶として振り返ってみると美しく見えるんだから、思い出って不思議です。


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