読書感想文(7)(8)(9) ダ・ヴィンチ・コード / 夜のピクニック

2005年2月17日 木曜日

 上下巻に分かれてる本をどう数えようか迷ったけど、あくまで目標は「99冊読む」であって「99作品読む」ではないので、1冊ずつカウントすることに。

ダ・ヴィンチ・コード
『文春ミステリー10』の1位はダテじゃない。この作品は上下巻をまとめ買いするのが正解。続きものの本というのは、途中で脱落する人がいるから、たいてい1冊目が一番売れるものだが、この本は上巻と下巻の売れ行きの差はほとんどないんじゃないだろうか。そのくらいに途中で止めるのは難しい。
 ルーブル美術館でおきた謎の殺人事件、実在するカルト教団、秘密結社。大学教授、ロバート・ラングドンは、巻き込まれ型探偵として謎解きに取り組む。事件はいつしかダヴィンチの名画、秘密結社の歴史、そしてキリスト教世界の最大のミステリー、“聖杯”にまで関わっていく!
 副産物として、これを読めば、大学の一般教養の講義を半期分受けたくらいの知識が身に付くことだろう。随所に美術や象徴に関するうんちくが詰め込まれている。かといって衒学的なところはなく、素直に知的好奇心を満たされる。初の満点。殿堂入りです。
★★★★★ 

夜のピクニック
 全校生徒が、夜通し80kmの道のりを歩き続けるという、作者の高校に実際にある学校行事“歩行祭”をモチーフにした作品。
「みんなで、夜、歩く。たったそれだけのことが、どうしてこんなに特別なんだろうね」
“歩行祭”の間には、さまざまなイベントや事件が起こり、ちょっとしたミステリもある。しかし、人が死ぬわけでもないし探偵も拳銃も出てこない。それなのに、懐かしいような新しいような、不思議なテンションをもって読み続けることができた。この感覚は、まさに僕らが高校のとき、修学旅行の夜に味わった正体不明の高揚感だ。
 リアル高校生が読んでも普通に「ふむふむ。ふーん」で終わってしまうのかもしれない。やはりここは“むかし高校生だった人”がノスタルジーを味わいながら読むのが正解か。
(徹夜仕事明け、始発の電車の中で読み終わったのも、作品内容と身体感覚がシンクロしていて良かったのかもしれない。)
★★★★☆ (20W×20L)

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うーん…いまいち…ふつうですかなり良い素晴らしい (まだ評価されていません)
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コメント / トラックバック 2 件

  1. tragedy Says:

    こんにちは。
    素晴らしくいいチョイスですね。私の読みたい本ばかりです。私も早く読書の世界に復帰したいものです。
    ところで『ダ・ヴィンチ・コード』は『週刊文春ミステリーベスト10』1位で、『このミス』の1位ではないですよ。私もよく混同します。
    『夜のピクニック』面白そうですなー。

  2. 宮本 Says:

    ありがとうございます。本文修正しておきました。
    本読みの人にチョイスを褒められると嬉しいですねー。「復帰したい」とか言って、今日の日記も書評じゃないですか!
    今回は2作品とも面白かったです。

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